[サマリー]
・AISASとは、インターネットを用いた販売(eコマース)のマーケティングにおける消費者の購買意思決定のプロセスをモデル化したものである
・AISASモデルで特に重要なのは「検索」「情報共有」であり、ホームページ改善や口コミ対策の強化が課題となる



以前、学校や塾における顧客獲得として、「AIDMA」という心理モデルを考えました(詳しくはこちらの記事を確認ください)。

今回は、同じく購買決定の顧客心理モデルであり、AIDMAの後に提唱されたモデル「AISAS」を説明します。

AISASによる顧客獲得の方法

AISASとは

AISASとは、インターネットを用いた販売(eコマース)のマーケティングにおける消費者の購買意思決定のプロセスをモデル化したものです。つまり、現代版AIDMAといってもよいでしょう。

AIDMAにはインターネットを用いた検索などのプロセスが含まれておらず、現代には即していない一面もあるという弱点があります。その弱点を克服したのがAISASといえるでしょう。


では、AISASを詳しく見ていきます。
まず、AISASについて下の図を使って考えてみます。


これが、AISASモデルにおける消費者の購買意思決定のモデルです。
順番に説明すると、

①Attention:注目
②Interest:興味
③Search:検索
④Action:行動
⑤Share:情報共有


です。AIDMAと比べると、①②は同じであり、④の行動も同じなのですがAIDMAでは行動が最後の要素だったのに対し、AISASではその後⑤情報共有の要素が新しく設定されています。


AISASの具体例

では、AIDMAで出した本屋のダイエット本の例で考えてみましょう。
あるダイエット本の存在を知った人が購買するまでの意思決定のプロセスをAISASで考えてみます。


①注目:「新しい本の広告がある」
②興味:「気になるタイトルだ」
③検索:「amazonのレビューで評価を確認してみよう」
④行動:「評価も高いし、買ってみよう」
⑤情報共有:「良い内容だったから、Twitterで友達にも紹介しよう」


これがAISASモデルです。前回のAIDMAモデルと比べ、途中から全く異なる意思決定プロセスをたどっていることがわかります。

しかしながら、特に「③検索」は現代の購買行動の実態に即しているのではないでしょうか。

これが野菜や生活必需品など低額なものであれば、わざわざ検索のプロセスを経る方は少ないでしょう。しかし、学校や塾においてはサービスの提供が高額であったり長期に渡ったり、人の人生を決定するような重大な買い物になります。
そういった重大な買い物であればあるほど、ネットで口コミを検索するような機会は増えるため、このAISASモデルは有効であると言えます。


学校におけるAISASとは

では、学校における顧客への働きかけを、AISASモデルで考えてみましょう。

基本的に、①②④についてはAIDMAモデルで説明した通りです。宣伝広告やキャッチフレーズなどを工夫していくことになります。

そして、AISASモデルで重要なのは「検索」「情報共有」でしたね。
この「検索」や「情報共有」で特に注意して頂きたいのは、


・ホームページのデザイン
・口コミ対策



の2点です。この2つのどちらか一方でも顧客に悪い印象を与えた場合、次の購買ステップに進む顧客は激減するでしょう。

どのような対策が有効かについては、以前「学校における電車広告・ホームページを活用した広告戦略」「学校におけるバズマーケティング・口コミ戦略」の記事で説明したので、ぜひ確認して頂ければと思います(自校の訴求するポイントを明確に!)。

また、上の記事では顧客が検索した後のことを説明していますが、「検索してみようかな」と思わせることも重要です。これは、広告の下部に「〇〇で検索!」のようなキャッチコピーと検索窓のイラストを載せておくような手法が一般的ですね。学校法人や塾でも十分に有効です。


終わりに

以上、AISASモデルに基づく学校や塾における消費者の購買意思決定プロセスを考えました。
自校や自社が提供するモノやサービスがAIDMAモデル、AISASモデルのどちらで考えるべきかというのを十分に検討した上で、使い分けて頂ければと思います。また、実務として業務改善を進めていくためには専門家の協力も重要となります。お悩みの際は、ぜひご相談ください。

学校の業務改善にお悩みの校長や管理職の方、こちらのホームページからのご相談お待ちしております。
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[まとめ]
・AISASとは、インターネットを用いた販売(eコマース)のマーケティングにおける消費者の購買意思決定のプロセスをモデル化したものである
・AISASモデルで特に重要なのは「検索」「情報共有」であり、ホームページ改善や口コミ対策の強化が課題となる