[サマリー]
・ロジックツリーとは、ある物事を構成する要素を論理関係に基づいてツリー状に表す手法のことである
・WHY型のロジックツリーを活用することで、具体的な原因究明と対策立案が可能となる
今回は、学校や塾における論理ツールとして、WHY型のロジックツリーというものを紹介します。例えば、「経常利益が低い」「事務処理業務のミスが多い」など、現場では様々な問題が生じていますよね。そういった問題を究明したり、解決策を考えていくのに便利なツールが「ロジックツリー」です。
以前、「HOW型」のロジックツリーを紹介しましたので、そのおさらいを兼ねて、WHY型のロジックツリーについて説明します(HOW型のロジックツリーについてはこちらの記事を確認ください)。
WHY型ロジックツリー
ロジックツリーとは(おさらい)
ロジックツリーとは、ある物事を構成する要素を論理関係に基づいてツリー状に表す手法のことをいいます。「論理関係に基づいた」「ツリー構造」なのでロジックツリーです。そのままですね。
さて、このツリー構造というのがピンとこない方もいらっしゃると思うので、まず実物を見て頂きます。
これがロジックツリーです。この例でいうと、左型を頂点として右側にブレイクダウンしていくような、ツリー構造になっていますね。
ちなみに、「ロジックツリー テンプレート」で検索されている方も多いようですが、パワーポイントのSmart Art に上図と同じものが用意されているので、それを使えば不自由はないと思います。
このロジックツリーを使うことで、問題の具体的な原因の究明や、その解決策を論理的に考えることができるのです。
では具体的に、WHY型のロジックツリーの作り方を説明していきます。
WHY型のロジックツリーの作り方
[WHYツリーとは]
ロジックツリーには活用方法が2種類あり、その1つが「WHYツリー」です。
このWHYツリーは、ロジックツリーの頂点に問題を据え、そこからその問題の原因となる要素をブレイクダウンしていきます。上の図でいえば右側に書き連ねていくイメージですね。
つまり、階層構造は「問題→原因」という順番になります。
このWHY型のロジックツリーを活用することで、問題の真の原因を掘り下げていくことができるのです。
それでは、WHY型ツリーを使った具体例を考えてみます。
WHY型ツリーの作成
例えば、学習塾における「経常利益が低下している」という問題に対して、WHY型のロジックツリーを使って原因を考えていきます。
例えば、こんな感じです。実際は、これより更にブレイクダウンしていくことになります。
まず、「経常利益」の要素が、「売上高」「限界利益率」「固定費」に分かれています。カンタンに用語を説明すると、限界利益率とは売上高に対する利益率のことで、固定費とは売上高に関係なく発生する費用(土地代など)のことです。
式にすると、「経常利益=売上高×限界利益率ー固定費」で表すことができます。
ここで何が言いたいかというと、この経常利益の分解の方法は、
MECEで切り分けられている
ということです。MECEとは、「モレなくダブリなく」でしたね!
MECEってなんぞや…という方はこちらの記事を確認ください。
以前、HOW型のロジックツリーの記事でも説明した通り、ロジックツリーを書いていく上で重要なのは、MECEで切り分けていくことです。MECEで切り分けることによって、ヌケやダブリなく網羅的に原因究明を行うことができます。
そのMECEの視点をもってロジックツリーを見直してみると、
・「売上高」が「生徒数」×「生徒当たり授業料」で切り分けられている
・「生徒数」が年齢ごとに切り分けられている
ということが分かるかと思います。少し大雑把ではありますが、MECEの考え方を使っているということを確認してください。
このように、ロジックツリーを適切に使うことができれば、
「利益が下がっているから売上を拡大しなければダメだ!」
というような漠然とした対策案でなく、
「利益が下がっている要因は生徒当たり授業料の減少ではなく、中学生生徒の減少によるものだ。中学生に対するプロモーション活動を強化しよう」
というような具体的な原因究明と対策立案ができるのです。
終わりに
以上、WHY型のロジックツリーについて説明しました。
もちろん、学校においてもWHY型のロジックツリーを同様に活用することができるので、ぜひ試して頂ければと思います。
また、実務として業務改善を進めていくためには専門家の協力も重要となります。お悩みの際は、ぜひご相談ください。
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[まとめ]
・ロジックツリーとは、ある物事を構成する要素を論理関係に基づいてツリー状に表す手法のことである
・WHY型のロジックツリーを活用することで、具体的な原因究明と対策立案が可能となる