[サマリー]
・専任教員一人当たり生徒数の平均値は、校種や学部学科によって大きく異なる
・専任教員一人当たり生徒数を分析する際は、学校の財務面や経営戦略面の分析も併せて行う必要があるといえる

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学校分析を行う上で重要な指標に、「1人当たりの〇〇」というものがあります。例えば、生徒一人当たりのコストや、教員1人当たりの人件費などです。このような1人当たりの指標は学校規模の大小によらず比較をすることができ、学校の財務・財政分析に非常に有用といえます。

今回はその中でも、「専任教員1人当たり生徒数」にフォーカスして、平均値などを解説していきます。

専任教員一人当たり生徒数

専任教員一人当たり生徒数とは?

専任教員一人当たり生徒数とは読んで字のごとく、専任教員数に対する生徒数の割合のことを指します。例えばある高校で、専任教員が40名、生徒数が680名だったとすれば、専任教員一人当たり生徒数は17名ということになります。

専任教員一人当たり生徒数を計算式で笑わすと以下のようになります。


専任教員一人当たり生徒数の計算式


専任教員一人当たり生徒数=生徒数÷専任教員数



このような計算式で求めることができます。名前のままの計算式ですので、イメージしやすいかと思います。

ではここから、専任教員一人当たり生徒数についてさらに掘り下げていきたいと思います。

専任教員一人当たり生徒数は高い方がよい?低い方がよい?

専任教員一人当たり生徒数は高い方がよいのか、低い方がよいのかについては、一概にどちらの方がよいとは言えないというのが正解です。


専任教員一人当たり生徒数が高い場合、生徒数に対して少ない教員数で学校が運営されているという事になります。この場合、人件費の面で言えば学校経営にとってプラス要素です。

一方で、教員数が少ないという事は生徒の個々に沿った教育や少人数授業など、質の高い教育が損なわれているという可能性が示唆されることになります。


つまり、専任教員一人当たり生徒数の高低をまとめると、

・高い場合:学校の財務面においてプラスである
・低い場合:学校の教育面においてプラスである


このような判断をすることができるのです。そして、この違いは学校としての経営戦略そのものと直結しています。自校が他校と比べどのような特色を持ち、差別化を行った上でどういった部分をプロモーションしていくか、その考え方によって専任教員一人当たり生徒数の水準はおのずと決まっていくのです。
逆に言えば、専任教員一人当たり生徒数は経営戦略と整合していなければ、学校経営が空回りしてしまうことになります。


経営戦略についてや差別化戦略については以下の記事で詳しく解説しているので、ご確認頂ければと思います。

学校戦略マップの作成方法


学校や塾における戦略策定:「競争地位別戦略とは」


ここで、専任教員一人当たり生徒数が「高いか低いか」という話をしましたが、具体的に高いか低いかを判断する上で参考となるのが「平均値」です。平均値など比べる指標がなければ、指標の高低を判断することはできませんよね。

ではここから、専任教員一人当たり生徒数の平均について説明します。

専任教員一人当たり生徒数の目安

高校の平均値

参考となる資料は、私学振興事業本部の「学校法人活性化・再生研究会 最終報告」高等学校編(平成30年度版)です。この調査結果を基に、平均値について説明していきます。


高等学校の専任教員一人当たり生徒数の平均値は、16.6人です。

例えば1クラス40人、1学年6クラスの高校であれば、学校に勤務する専任教員の平均値は約43人ということになります。特に公立高校はこのような水準で学校設計が行われているケースが多いといえます。

つまり、自校の専任教員一人当たり生徒数の平均値と比較した時、43人より多ければ「コスト低減重視型」、少なければ「教育の質重視型」のように学校を評価することができます。

大学の平均値

大学の平均値も、先ほどの高校の平均値で基にした資料の大学版を参考として解説します。なお、大学の場合は専任教員一人当たり「学生数」という名前であることに注意が必要です。


大学の専任教員一人当たり学生数の平均値は、およそ21名です。


学部別でみると、医学部・歯学部で平均値が低く、体育学部・芸術学部で平均値が高いという傾向があります。その差は非常に大きく、医学部の指標平均はおよそ2名であるのに対し、体育学部の指標平均はおよそ26名となっています。

学科の教育面での特性や学費面の違いから、このように学部学科によって指標の大小が大きく異なってくるといえるのです。

終わりに

以上、専任教員一人当たり生徒数について、高校や大学の平均値を確認しながら解説しました。記事の途中でも説明したように、専任教員一人当たり生徒数の高低は一概にどちらの方が良いとはいえず、教育面や財務面での良し悪し両面を持った指標といえます。この指標を分析する際には、自校の経営戦略を踏まえて長期的目線で考えていく必要があるのです。

このような財務分析や経営戦略の策定などにお困りの場合は、ぜひ我々専門家に御相談頂ければと思います。

ご相談はこちらのホームページからお待ちしております。
「木村成コンサルティング事務所」


[まとめ]
・専任教員一人当たり生徒数の平均値は、校種や学部学科によって大きく異なる
・専任教員一人当たり生徒数を分析する際は、学校の財務面や経営戦略面の分析も併せて行う必要があるといえる