[サマリー]
・学校における業務改善の目的は、経営資源の投入量を削減し生産性を向上させることである
・生産性とは付加価値を投入量で割ったものであり、教員の労働時間を削減することで投入量が減り、生産性向上を図ることができる



教員の残業時間問題が深刻化するようになり、「業務改善」という単語を学校でも耳にするようになりました。

今回は、なぜ学校において業務改善をしなければならないのか、業務改善の目的について考えます。

業務改善による生産性向上へ

学校における業務改善の目的

学校における業務改善の目的には、教員や生徒、地域や社会など広い意味では様々なものがあるかと思います。ですが、あえてシンプルに目的をいうとすれば、


経営資源の投入量を削減し、生産性を向上させること


にあると考えます。
ここでいう「経営資源」とは、「ヒト、モノ、カネ、情報」のことです。以前ブログで紹介した経営資源分析を思い出して頂ければと思います。
教員の残業時間削減という意味で言えば、経営資源の中でも「ヒト」の要素が大きいですね。つまり、

「経営資源の投入量削減」≒「教員の労働時間削減」


だと考えてもらえればと思います。

次に、「生産性」という言葉がでてきますね。これについて説明します。

生産性とは

生産性とは「生産力の度合い」などと表現されることもありますが、イメージしづらいものです。ですのでむしろ、意味ではなく式でとらえて頂いたほうが分かりやすいのです。

生産性を式で表したのが、下のものです。

生産性の公式

生産性とは、付加価値を投入量で割ったものなのです。
付加価値とは、活動の中で生み出した価値のことだと思ってください。


つまり学校における生産性とは、

生み出した価値を教員の労働時間で割ったもの


だといえます。もちろん先ほど説明したように投入量にはカネやモノも含まれますが、学校の場合は特に「ヒト」労働時間で考えるとよいでしょう。


では、最初に戻ります。
学校において業務改善をする理由は、労働時間を削減することで生産性を向上させることにあると説明しました。それを踏まえて先ほどの生産性の式を見てください。

投入量(分母)が小さくなれば、生産性は大きくなる


ことが分かりますね。これが学校において業務改善をすべき理由なのです。もちろん、生産性を大きくする上では「付加価値を大きくする」という手段も式から見れば考えられます。しかし、付加価値を大きくするには多くの場合投入量を増やす必要があり、残業時間が多い教員の場合、この選択肢は現実的でないのです。
つまり、投入量(労働時間)を減らすことで生産性を増やすというのが、学校においてはマッチするといえるのです。

終わりに

以上、学校における業務改善の目的と、生産性という考え方について説明しました。特に生産性については一般企業では非常に重要視される考え方ですので、学校においてもぜひ意識して頂ければと思います。また、実務として業務改善を進めていくためには専門家の協力も重要となります。お悩みの際は、ぜひご相談ください。

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[まとめ]
・学校における業務改善の目的は、経営資源の投入量を削減し生産性を向上させることである
・生産性とは付加価値を投入量で割ったものであり、教員の労働時間を削減することで投入量が減り、生産性向上を図ることができる