[サマリー]
・経営コンサルタントは無資格者でも名乗れるが、認定経営コンサルタントや中小企業診断士の資格には一定の信用力がある
・資格保有者に依頼することで、一定以上の業務品質を見込むことができる

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昨今、経営コンサルティングという仕事が一般的になってきました。経営コンサルティングとは、会社経営を支援したり、課題解決を行ったりするような業務全般を指します。しかし、経営コンサルティングを行う「経営コンサルタント」については、どのようなものなのか意外と知られていません。

今回は、経営コンサルタントという職業と、資格の有無などについて説明していきたいと思います。

経営コンサルタントとは

経営コンサルタントに資格はいる?

結論から言うと、経営コンサルタントに資格はいりません。無資格者でも、経営コンサルタントを名乗ることができます。

このような背景から、経営コンサルタントだけでなく様々なコンサルタントを名乗って活動する方が多くいらっしゃいます。

例えば、
・販売コンサルタント
・財務コンサルタント

などです。このような経営に関するようなものだけでなく、収納コンサルタントや酒類コンサルタントなど全く異なる業種でも、自由にコンサルタントを名乗ることができるのです。これが、コンサルタントという存在を分かりにくくしている原因の1つといえると思います。


しかし、これではどんな経営コンサルタントを信用したらよいのか判断しづらいですよね。
名刺に「経営コンサルタント」と書いてあるだけでは、何の証明にもならないからです。この記事を読まれているどなたでも、今この瞬間から経営コンサルタントを名乗ることが出来てしまいます。

そこで、信用の目安となるのが「認定経営コンサルタント」と「中小企業診断士」です。


ここからは、認定経営コンサルタントと中小企業診断士について説明したいと思います。

経営コンサルタントに関する資格

認定経営コンサルタント

認定経営コンサルタントとは、公益財団法人日本生産性本部が付与する、経営コンサルタントに関する認定資格です。


公益財団法人日本生産性本部とは、1955年に設立されたシンクタンクです。「雇用の維持拡大」「労使の協力と協議」「成果の公正な分配」という生産性三原則を掲げ、日本の生産性向上や経営品質の向上を目標として活動されています。

コンサルティングファームかつ公益財団法人ということで、第三者的目線で経営コンサルティングに関する資格の付与が行われていることに特徴があります。このような背景から、銀行や証券など金融機関を始めとしたビジネスマンに根強い人気があるのが、この認定経営コンサルタントの資格です。


取得方法としては、公益財団法人日本生産性本部が行っている3か月間の経営コンサルタント養成講座を受講し、その後に受験できる資格認定試験を合格することによって取得することができます。

中小企業診断士

中小企業診断士とは、経営コンサルタントに関する資格の中で唯一の国家資格です。


ここまで説明した認定経営コンサルタントなどの資格以外にも経営コンサルタントに関する資格はいくつかありますが、国家資格はこの中小企業診断士だけです。そのため、経営コンサルタントに関する資格の中では最も高い信用力を持っているといえます。


ここで、中小企業診断士の定義についてですが、経済産業省中小企業庁のホームページではこのように説明されています。

「中小企業診断士とは、中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家です」
(引用:中小企業庁HPより)

つまり、中小企業診断士は国のお墨付きをもらった企業診断・助言の専門家という事になります。国家資格という事もあり、当然中小企業診断士の資格は法定されています(中小企業支援法等)。


私も中小企業診断士として活動しておりますが、診断士の資格を持っていらっしゃる方は非常に高いコンサルティングスキルを持っているという印象です。


合格するには試験を受ける必要がありますが、例年1・2次試験の倍率が共に5倍ずつ程度なので、全体としての合格率は4%前後という狭き門です。


話は変わりますが、難易度の参考として国家資格のランキングを偏差値形式で解説しているサイトがあります(資格の取り方)。「国家資格 ランキング」と検索すると最上位に表示されるサイトですが、このサイトでは診断士や他士業の偏差値は以下のように位置付けられています。

・公認会計士:偏差値77
・中小企業診断士:偏差値67
・社労士:偏差値65
・行政書士:偏差値62



このような位置づけです。つまり、難易度の参考としては、社労士より難しく会計士より簡単といった印象でしょうか。あくまでもこのサイトでの位置付けですので、試験合格の難易度の体感は個人によって異なります。

一方で難関資格であることに変わりはありませんので、中小企業診断士の資格保有者は無資格者に比べ、高い業務品質を望むことができるといえるのです。


終わりに

以上、経営コンサルタントに関する資格について解説しました。実際に自社の経営などにお困りの方の中には、こういった経営コンサルタントに相談を検討している方もいらっしゃるかと思います。そのような際に、ただの「経営コンサルタント」に依頼するよりも、「認定経営コンサルタント」や「中小企業診断士」に依頼した方が一定以上の業務品質が確保されており、安心して依頼や相談をすることができるといえます。


このような解説をした上で恐縮ですが、当方は認定経営コンサルタント・中小企業診断士の両資格保持者として、日々コンサルティング業務に当たっています。経営者の方や社員の方、事業にとって最善の結果を出すべく励んでおります。当然ですが、中小企業診断士や認定経営コンサルタントの資格保有者としての専門性を活かし、具体的な支援や改善を行っております。

事業に関するお悩みや財務に関するお悩みなど、会社経営に関する御相談はぜひ我々専門家に御依頼頂ければと思います。

ご相談はこちらのホームページからお待ちしております。
「木村税理士・行政書士事務所」


[まとめ]
・経営コンサルタントは無資格者でも名乗れるが、認定経営コンサルタントや中小企業診断士の資格には一定の信用力がある
・資格保有者に依頼することで、一定以上の業務品質を見込むことができる