[サマリー]
・多能化とは、ある業務を複数人が担当できる状態になることをいう
・多能化により、担当者不在時の業務対応や、繁忙期の業務平準化対策をすることができる
以前、当ブログでは平準化や標準化など、学校における業務改善のアイデアを紹介してきました(詳しくは 平準化 、 標準化 の記事を確認ください)。
今回は、同様に学校における業務改善のアイデアとして重要な概念である「多能化」を、事例を考えながら説明していきます。
多能化による学校業務改善の実践例
多能化とは
多能化とは、教員や職員が複数の業務をこなせるようになることをいいます。当然、1つの業務しかこなしていない教員・職員はいないので、現状より更にという意味で考えてください。そしてこれは別の視点から考えると、
ある業務を複数人が担当できる状態になること
とも考えることができます。この状態を基本的に全ての業務において作っていくというのが、学校における業務改善の1つの目標になります。
では、具体例で考えてみましょう。
学校における多能化の具体例
例えば、教務部の時間割作成業務を考えます。ある学校では、この時間割作成の業務はベテラン教員が独自のノウハウで担当している状態であるとします。
このような状態で、もしこのベテラン教員が急病で学校に来ることができなくなってしまった場合、大変なことになるのは想像がつきますね。この原因は、
時間割作成業務を担当できるのが1人しかいなかった
ことに起因します。特に経験が必要とされる時間割作成などの業務では、担当者が複数いないケースもよくありますね。このように、ある業務が1人の担当者に依存している状態を属人化といったりします。 このような時間割作成など時期が決まっている業務の場合、一旦ストップすると大変なことになります。
ここで注意しておきたいのは、ベテラン教員の独自のノウハウ自体は、非常に大切なものであるということです。このノウハウ自体を否定するわけではありません。問題なのは、そのノウハウが教務部内で共有されていなったことです。
このような状態を脱却するために必要なのが、「多能化」なのです。
多能化の実践としては、
・担当者に依存している業務について、手順ややり方を可視化すること
・可視化された業務を、他の教員や職員で共有すること
です。これによって得られるメリットは大きく2点あり、
・担当者不在時にも業務に対応できるようになること
・繁忙期の業務平準化対策に活用することができること(他メンバーの応援体制が敷けること)
です。メリット1点目については先ほどの事例で考えた通りです。2点目については、以前紹介した「平準化」を、応援体制によって実現することができるということです。
終わりに
以上、学校における業務改善のアイデアとして、多能化について説明しました。
ここで記事を読んでいて、そもそもどの業務を多能化するべきか分からないと感じた方もいらっしゃると思います。そこで次回は、多能化すべき業務を発見する手法である「機能展開表」について説明します。
また、実務において業務改善を進めていく上では、専門家の協力も重要となります。お悩みの際は、お気軽にご相談ください。
学校の業務改善にお悩みの校長や管理職の方、こちらのホームページからのご相談お待ちしております。
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[まとめ]
・多能化とは、ある業務を複数人が担当できる状態になることをいう
・多能化により、担当者不在時の業務対応や、繁忙期の業務平準化対策をすることができる