「学校業務改善」とは、学校業務の内容や質を改善していくことであり、代表的なものが業務効率化・生産性向上です。学校教職員は非常に多忙であり、残業時間問題などを解決していくためにも、近年とても注目されています。

そこで当記事では、学校業務改善に関するセミナーや研修を受講するメリットについて解説していきたいと思います。

学校業務改善の重要性

近年、学校において業務改善が重要視されている大きな理由の1つに挙げられるのが、教員の残業時間問題です。皆様はどれだけの時間残業しているでしょうか。

ここで、文部科学省が2016年度に公立学校の教員を対象に行った、残業時間の調査を確認してみます。これは「教員勤務実態調査」というものでして、教員の労働環境を中心に様々な結果が公開されています。この調査データによると、教員の週当たり総労働時間は、

・小学校教員:57時間25分
・中学校教員:63時間18分


という結果です(どちらも学校内での残業時間であり、持ち帰り残業は調査外です)。1日当たりの所定労働時間を約8時間とすれば、1週間当たり20時間程度の残業が見られる可能性があるということです。1か月あたりで考えると、およそ80時間となります。

1か月あたり80時間とうのはいわゆる「過労死ライン」と言われるような水準であり、大変な状況にあると言えます。
もっというと、教員は残業代がつかないという性質上、持ち帰りの仕事が多いことが知られています。これを踏まえ、先ほどの1か月あたり80時間という残業時間調査結果を見た私の感想は、「本当はもっと多いのでは…?」というものです。


教員の仕事は、使命感だけでは務まりません。心身ともに健康な状態で授業を行い、生徒指導に向かうためにも、業務改善による生産性向上・残業時間削減は必要不可欠であるといえるのです。

なお、教員の残業時間についてもっと詳しく知りたいという方は、以下の記事を参考にして下さい。


では、どうやって業務改善を行っていくのか、方法は大きく3つあります。
「自力で業務改善を行う」「セミナーを受け知識を身に付ける」「コンサルティングを受け、実行支援をしてもらう」この3つです。

1つ目の自力で行うというのは、なかなか上手くいかないものです。そもそも、自力で上手くいくなら初めから残業過多の状況にはなっていないからです。
3つ目のコンサルティングも手法の1つですが、いきなりコンサルティングを受けるのは敷居が高いですよね。

そこでオススメするのが、「学校業務改善セミナー」の受講です。


学校業務改善セミナーや研修を受講するメリット

メリット①:残業時間の短縮

学校業務改善のセミナーを受講する一番のメリットは、ずばり残業時間短縮の効果が見込まることです。

学校業務改善とは、一般企業などで業務改善の効果が実証されている手法を学校ように応用したものですので、セミナーで得た知識・手法を実践することにより時短効果が見込まれます。


ここで、業務改善手法の1例を紹介したいと思います。学校業務改善には様々な手法がありますが、そのうちの1つが「PQ分析」です。

学校業務改善の分析例


PQ分析とは、上図のように日常業務にかかる時間をそれぞれ測定し、長く時間を要している業務を洗い出す分析手法です。

1週間~3週間程度この計測を行うことにより、日常的に時間がかかっている業務を分析することができます。
なぜ、こんなことをしなければならないのか、「最初から具体的改善をすべきだ」と思う方もいらっしゃるかもしれません。では、なぜPQ分析を行う必要があるのでしょうか。

このPQ分析の理論背景は、「最も時間のかかっている業務ほど、業務改善が成功したときのインパクトが大きい」という点にあります。

時間のあまりかかっていない業務は、業務改善を行っても改善効果が少ないのです。1週間当たり1時間しか時間を費やしていない業務は、業務改善効果が50%発生したとしても、改善時間は30分のみです。一方、1週間当たり6時間費やしている業務であれば、30%の改善効果しか発生しなくとも、改善時間はおよそ2時間となります。

つまり、PQ分析は、改善効果が大きい業務を洗い出すための分析手法なのです。これをやらずに頭から改善を実行すると、ムダが多く時間だけを消耗する改善活動になってしまいます。
(上記のPQ分析について詳しく知りたいという方は、こちらのページをご確認ください

メリット②:生徒対応時間の増加

学校業務改善セミナーを受けるメリットの2つめは、「生徒対応時間の増加」です。

これはメリット①で紹介した残業時間の削減と表裏一体ですが、そもそも残業時間削減の目的は2つあり、「教員の労働環境改善」と「生徒対応時間の増加」だと思っています。
下の表をご覧ください。

学校教員の業務分類


これは、ある先生の1週間の業務時間を簡単にまとめたものです。教員の業務は、3つのタイプに分かれることが確認できるかと思います。それぞれ、「効率化が不可能な業務」「効率化すべきでない業務」「効率化すべきである業務」です。学校業務改善とは、「効率化すべきである業務」を削減し、「効率化すべきでない業務」などに充てることを指します。具体的にイメージするならば、プリント印刷や分掌事務業務の時間を削減し、生徒指導にかける時間を増やすといった具体です。

業務改善を推進することにより、生徒と向き合う時間を増やすことができるのです。
(上記の業務分類について詳しく知りたいという方は、こちらのページをご確認ください

メリット③:組織の活性化

これは、学校に限らず、業務改善を推進している企業・組織すべてに共通するメリットです。業務改善を推進する組織は、社員1人1人が自律的・能動的に活動するようになる傾向があると言われています。

これは考えてみると当然のことだと思います。業務改善は自分の頭で考えて自分の業務を改善し、その結果は自分の残業時間削減に跳ね返ってくるわけですから、積極性が向上することになります。今までは受動的・惰性で業務をこなしていた職員が、自ら目標や計画を立てて行動するようになるのです。

この組織の活性化は業務改善の副産物ともいえますが、ある意味では残業時間削減など直接的なメリット以上に大きな効果が期待できるといえます。

学校業務改善セミナー・研修は経営コンサルタントにお任せ下さい

以上、学校業務改善セミナーや研修を受講するメリットについて説明しました。教員の残業問題が注目される昨今、業務効率化や生産性向上の意識は学校において非常に重要となってきています。

当方は元教員でありながら、経営コンサルタントの国家資格である中小企業診断士を保有し、業務効率化や生産性向上、マーケティング戦略立案等を強みとして活動しております。

学校業務改善など学校に関するお悩み、研修・セミナーの御要望などがありましたらぜひ、我々専門家に御相談頂ければと思います。
詳細は、以下のページをご確認ください。

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事務所代表プロフィール

氏名:木村 成(きむら じょう)

保有資格:
・中小企業診断士(経営コンサルタントの国家資格者)
・税理士 ・行政書士(行政手続、法律書類作成の国家資格者)
・日商簿記1級
・認定経営コンサルタント
・1級ファイナンシャルプランニング技能士
・中学、高等学校一種教員免許(元高校教員)

業務内容:
首都圏を中心に、中小企業・小規模事業者の支援を業務として行っている。経営コンサルタントとしては、教育現場の業務改善や募集対策のコンサルティングなどを中心に活動。行政書士としては、会社設立の代理や営業許認可取得の代理を中心に活動している。中小企業診断士・行政書士の2つの資格を活用して、経営面と法務面の2つの視点から、組織・事業の業務改善と拡大支援に励む。

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