[サマリー]
・機能展開表とは、業務を担当している教員・職員、業務を担当することができる教員,職員をそれぞれの業務ごとに一覧表にしたものである
・機能展開表の項目は担当者がそれぞれ作るため、作成負担が特定の教員に集中しないこともメリットの1つである



以前当ブログで、学校における業務改善のアイデアとして、多能化の重要性を事例を考えながら説明しました(詳しくはこちらの記事を確認ください)。


おさらいをすると、多能化することによって担当者不在時の対応や、業務の繁閑対策をすることができるということでしたね。

そこで、そもそもどの業務を多能化するべきなのかを分析するツールとして、今回は「機能展開表」を紹介します。

機能展開表を活用した学校業務改善

多能化による業務改善のツール:機能展開表とは?

機能展開表とは、業務を担当している教員・職員、業務を担当することができる教員・職員をそれぞれの業務ごとに一覧表にしたものです。

一部簡略化しますが、このようなフォーマットを使います。

機能展開表


実際は、教員ごと、業務内容ごとに行と列を増やして使います。
では、それぞれの項目について説明していきます。


・業務内容

分掌内の業務すべてについて書きだしてください。必ずしも全ての業務を主任の方が把握されているとは限りませんので、教員それぞれが自分の業務を書き出し、集計するのがよいと思います。

・月当たり回数

1か月にその業務が何回程度発生するかを記入してください。

・一回当たり時間

その業務を一回こなすのに何分程度かかるかを記入してください。毎回多少のズレはあると思うので、平均的な数値でかまいません。

・担当教員

ここが最も重要です。
まず、その業務をメインで担当されている先生の項目に「◎」を記入します。
次に、その業務のメインの先生が不在の時、担当できる先生の項目に「〇」を記入します。
これを行うことで、どの業務が属人化しているかを見える化することができるのです。



以上が、機能展開表の項目の説明です。イメージはわきましたでしょうか。

では、具体例の形で機能展開表を活用してみましょう。
ここでは、ある高校の進路指導部の業務について、機能展開表を使ってみたとします。

学校における機能展開表の活用例

機能展開表の活用例


例えば、このようになったとしましょう。ここでは7つしか業務を挙げていませんが、実際はこの10倍程度の量になるかと思います。

では、結果を分析しましょう。

(1)多能化されている業務

「模試前日準備」「模試発送業務」「英検業者折衝」については、メインの担当者のほかにも担当できる人員がいるため、多能化された状態であると言えますね。理想はメイン担当者以外の全教員が〇になることですが、改善の優先順位は低いと言えます。

(2)属人化している業務

「模試選択科目調査」「模試業者折衝」「企画調整会議出席・説明」「3学年会議出席・説明」はメインの担当者以外に担当できる教員がおらず、業務が属人化しています。つまり、


担当者が休めばこの業務はストップする



ということです。
特に会議関係の業務は主任に属人化していることが多く、模試選択科目調査などデータ関係の業務は比較的若手教員に属人化していることが多いですね。



このような形で、機能展開表を活用することで学校業務の属人化を見える化することができるのです。見える化さえできれば、改善の優先順位を決定し、分掌内で優先順位が高い業務から順番に、担当者が他教員に教育・マニュアル作成等をすればいいですね。

優先順位の付け方は、機能展開表の「月当たり回数」×「一回当たり時間」の大きさで決めてください。


また、機能展開表を作るのが面倒だ……と思った方、ぜひ一度やってみてください。機能展開表の作成面での特徴は、


①担当者ごとに作るため作成の負担が分散する
②業務さえモレなく書き出せば、その他の書き込み事項は比較的ラクに書ける



という点です。つまり、想像以上に気軽に作ることができるツールなのです。

終わりに

以上、学校における業務改善のアイデアということで、機能展開表の使い方を具体例を考えながら説明しました。ぜひ、学校改善に活用して頂ければと思います。また、実務において業務改善を進めていく上では、専門家の協力も重要となります。お悩みの際は、お気軽にご相談ください。

学校の業務改善にお悩みの校長や管理職の方、こちらのホームページからのご相談お待ちしております。
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[まとめ]
・機能展開表とは、業務を担当している教員・職員、業務を担当することができる教員,職員をそれぞれの業務ごとに一覧表にしたものである
・機能展開表の項目は担当者がそれぞれ作るため、作成負担が特定の教員に集中しないこともメリットの1つである