[サマリー]
・基本給とは、月例賃金の中でも一定の基準によって決定された基本となる部分のことである
・シングルレートとは、等級によって基本給の絶対額が決定するため、等級が不変なら基本給も不変である仕組みのことである
今回は、賃金制度の中でも基本給の部分についてどのように決定されるのかということで、シングルレートについて説明します。
シングルレートによる基本給の決定
そもそも基本給とは?
基本給とは、月例賃金の中でも一定の基準によって決定された基本となる部分のことです。例として、職能給や役割給、勤続給といったものが挙げられます。
賃金体系における基本給の位置付けについては、下の図をご確認ください。
この記事では諸手当などについては説明しませんが、以前の記事で紹介しているので気になる方はこちらの記事をご確認いただければと思います。
それでは、基本給のタイプの1つであるシングルレートというものについて、説明していきたいと思います。
基本給のタイプ:シングルレート
シングルレートとは?
シングルレートとは、等級によって基本給の絶対額が決定するという仕組みを指します。つまり、
等級が変わらなければ基本給も変わらない
というのが、シングルレートの最大の特徴です。3級の従業員は3級でいる限りは基本給が不変ということになります。
シングルレートのイメージ図
シングルレートを等級と基本給の関係によってグラフ化したのが下の図です。
等級が変わらなければ基本給も変わらっていないグラフになっていることが確認できるかと思います。例外として、ベースアップ(賃金表自体が上方修正されること)が発生した場合、基本給も当然上がることになります。
では、以前の記事で紹介した等級制度との対応を考えてみます。
勤続給・年齢給とシングルレートの関係
勤続給や年齢給は、シングルレートの形態をとっているケースがほとんどです。つまり、
・社歴3年目の社員は基本給〇〇円、4年目は△△円
・25歳の社員は基本給□□円、26歳は××円
といった具体です。「社歴3年目」「年齢25歳」という事実のみによって基本給が決定されるため、シングルレートの形態となっています。
職能給・職務給・役割給とシングルレートの関係
職能給や役割給については、シングルレートを採用しているケースはほぼないといえます。例えば職能給について、ある一定の能力基準によって等級が決定されたとしても、評価などによって基本給の水準が変化するパターンがほとんどです(等級号棒方式や評価替方式といたものが採用されています)。
職務給については職能給や役割給と比べると、シングルレートを採用している会社もあるといえます。
以上、基本給の決め方・仕組みとして、シングルレートについて特徴と職能給などとの関係性を説明しました。賃金制度設計や再構築において、基本給の設定は非常に重要な部分です。特徴やデメリットを踏まえた上で、適切な設計を行って頂ければと思います。
[まとめ]
・基本給とは、月例賃金の中でも一定の基準によって決定された基本となる部分のことである
・シングルレートとは、等級によって基本給の絶対額が決定するため、等級が不変なら基本給も不変である仕組みのことである
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