[サマリー]
・専任教員一人当たり生徒数とは、ある学校において専任教員一人に対して生徒が何人いる状態であるかを示す指標である
・高校の場合平均は16.6人程であり、数値の大小で教育の質や経営圧迫などを予想することができる
学校の財政分析の指標の1つに、「専任教員一人当たり生徒数」というものがあります。計算式も読んで字のごとくという感じがしますが、目安というとイメージが湧きにくいかと思います。
今回は、専任教員一人当たり生徒数の目安について説明していきたいと思います。
専任教員一人当たり生徒数
そもそも専任教員とは?
専任教員についてですが、学校によって呼び方が変わってくるため明確な定義がされていない状態です。「専任教員」「非常勤講師」と区別することもあれば、「専任講師」「常勤講師」「非常勤講師」というように区切ることもあります。名称については私立の場合学校に裁量があるため、共通した定義はされていないのです。
しかし、専任教員は他の「講師」や「非常勤」と違い、契約が1年単位でないことに大きな特徴があります。どの学校でも、専任教員として採用されればフルタイムかつ基本的に定年まで勤務することとなります。
専任教員一人当たり生徒数とは?
専任教員一人当たり生徒数とは、ある学校において専任教員一人に対して生徒が何人いる状態であるかを示す指標です。
計算式は以下のようになります。
専任教員一人当たり生徒数=生徒数÷専任教員数
このような計算式で求めることができます。もし専任教員数が50人で、生徒数が700人なら、専任教員一人当たり生徒数は14人ということになります。
では実際、専任教員一人当たり生徒数はどのくらいが目安なのか考えてみます。
専任教員一人当たり生徒数の目安
結論から言うと、専任教員一人当たり生徒数の全国平均(高校)は16.6人だといわれています。(日本私立学校振興・共済事業団より)
これより値が大きければ専任教員に対して生徒数が多く、小さければ専任教員に対して生徒数が少ないということです。一般的には、専任教員一人当たり生徒数は大きいほど、教育の質を確保することが難しいといわれています。逆に、専任教員一人当たり生徒数が小さければ教育の質が高いことが示唆されますが、人件費の問題から学校経営に支障が出る可能性があります。
生徒や保護者からすると専任教員一人当たり生徒数を知ることができるに越したことはないですが、専任教員数をホームページ等で開示している学校は少ないです。教員数は開示している学校が多いですが、非常勤や講師の先生方も数値に含まれてしまうため、専任教員一人当たり生徒数の算出は難しいといえます。
したがって、専任教員一人当たり生徒数は生徒・保護者側というよりも、学校側が学校経営において参考にすべき指標という色が強いといえます。
以上、専任教員一人当たり生徒数について、計算式や目安を説明しました。せひ、自校の学校財務分析・財政分析に役立てて頂ければと思います。
[まとめ]
・専任教員一人当たり生徒数とは、ある学校において専任教員一人に対して生徒が何人いる状態であるかを示す指標である
・高校の場合平均は16.6人程であり、数値の大小で教育の質や経営圧迫などを予想することができる
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