この記事を読まれていらっしゃる方は、

・キッチンカーを初めて見たい
・キッチンカーを経営しているものの、思うような利益が出ていない


といった方が多いのではないかと思います。実際に、キッチンカーは通常の飲食店と比べ店舗を持たない形態のため、収益構造などが特殊であり、思うように経営が進まないケースも多いです。

そこで当記事では、キッチンカーで儲けるには?をテーマとして、キッチンカーに関する利益率などの指標の目安、利益を出すポイント、収益に関するシミュレーションなどについて解説していきたいと思います。

なお、キッチンカーの営業許可手続や使える補助金については以下の記事で解説しておりますので、参考にして下さい。


キッチンカーで儲けるには

キッチンカー経営の特徴

キッチンカーは、一般的な飲食店と比較すると、財務面において以下のような特徴があります。キッチンカーの経営をしていく上では、このようなポイントを抑えておくことが重要となります。

特徴①:出店場所により競合が大きく異なる

キッチンカー経営が他のお店の経営と大きく違うところに、「競合の存在」が挙げられます。

競合とは、一言で言うとライバル店のことです。キッチンカーの場合、この競合という存在が都度変わるケースが多いのです。
一般的な飲食店は店舗の場所が決まっているため、基本的には周りにある店舗が競合となります。そのため、周りの店舗の開業・廃業がない限りは、競合は変わりません。

一方、キッチンカーは出店場所を変えると、そのたびに競合が変わります。また、出店場所を変えなくても、周りにキッチンカーが多くある場所では、競合が毎回変わるようなこともざらです。


自分のキッチンカー以外にキッチンカーがほとんどないような場所でしたら、自分で出店場所を変えない限り競合は変わりません。一方で、ビル街などたくさんのキッチンカーが出店する場所ですと、キッチンカーの出入りが激しいため、競合の存在も頻繁に変わってしまいます。

つまり、キッチンカー経営で特定の競合を決めるのは得策ではなく、一般的に大きな需要が見込めるメニューや提供形態などをとる形が基本だといえます。


特徴②:1時間当たり利益の重要性

キッチンカーの特徴の二つ目は、1時間当たり利益の重要性が大きいという点です。

1時間当たり利益とは文字通り、1時間当たりの利益のことです。キッチンカーで稼ぎ出した利益を、その稼働時間で割ることによって求めることができます。このような時間当たり利益という発想は飲食店でも重要ですが、飲食店ではどちらかというと1人当たり売上高や1㎡あたり利益といった情報を重視します。キッチンカーの場合、敷地という概念がなく、多くの場合1人で回すため、これらの情報を考える必要は生じません。

では、なぜ1時間当たりの利益が重要なのかというと、
(1)キッチンカーは数時間ごとの稼働となりやすいから
(2)お店をやりつつキッチンカーをやる、というケースもあるから
この2点がメインとなります。

(1)については、キッチンカーは一日数時間しか営業しないという事も多いため、利益の総額ではなく利益の効率で考える必要があるという事です。また、この際に考えるのが「売上」ではなく、売上から経費を差し引いた「利益」であることにご注意ください。

(2)については特殊なケースですが、昼はキッチンカーをやり、夜はお店の営業をするというパターンです。ニュースなどでも取り上げられることが多いこのパターンですが、お店の家賃はキッチンカーをやっているときも発生しているという点に注意が必要です。
支払う形態こそ「月〇〇万円」ですが、実質的に1時間当たり〇百円の家賃を払っているというのと同じです。家賃を払っている時間帯にも関わらず、出店費などをかけてキッチンカーをやるというのは、しっかり損益計算をしなければ損をする可能性が高いと言えます。

特徴③:損益分岐点売上高の重要性

キッチンカーの経営で最も重要となるといっても過言ではないのが、この損益分岐点売上高です。

内容としては先ほどの「1時間当たり利益」と重なる部分もありますが、非常に重要な内容のため、ここで説明します。

損益分岐点売上高とは、「月○○万円売上がでれば利益が±0円になる」という売上高のことです。損失と利益の間ということで、損益分岐点と言われています。キッチンカーや小さな町のカフェなど、事業形態が小さくなるほどこの指標が重要になります。

なぜなら、この損益分岐点売上高を算出することによって、「1分当たり商品を何個売らなければならないかが分かる」からです。
例えば、損益分岐点売上高が1時間当たり15万円だったとしましょう。キッチンカーで販売している商品が1個800円だったとすると、1分当たり3個商品を提供しなければならないこととなります。もし、この商品が盛り付けが大変な商品で、1個の提供に30秒かかるのであれば、このお店は行列が常に途切れなかったとしても赤字になるのです。

お分かりいただけましたでしょうか。もし上記のような分析結果になれば、商品の値段を上げるか、商品の提供効率を向上させることになります。
ちなみに、損益分岐点売上高の算出方法については以下のリンク記事で紹介しているので、参考にして頂ければと思います。一方で、専門的な分析が必要となりますので、分析をご希望の方はこちらのフォームからお問い合わせください。


業界指標の平均値

キッチンカーを経営をされる方であれば、財務・数字のことはある程度知っておく必要があります。もし知らないという方は、他に財務に詳しい専門家を顧問に付けるなど、情報を得られる環境を作る必要があります。

もしご自分で財務分析ができるという方でしたら、以下に比較として一般的な飲食形態の業界の平均指標を掲載しますので、ご参考になさってください。(なお、数値は「日本政策公庫 小企業の経営指標調査(一般飲食店)」を参考としております。)


全体としては、ざっとこのような形になっております。数が多く分かりにくいかと思いますので、重要な指標を色付けしました。


・黄色→収益性に関する指標
・水色→効率性に関する指標
・緑色→安全性に関する指標


となっております。これらの指標のみ抜粋したのが、以下の表です。

総資本経常利益率 :-0.8
売上高総利益率:64.8
売上高営業利益率:-1.4
売上高経常利益率:-0.4
従業者1人当たり売上高: 9,226千円
従業者1人当たり人件費:2,924千円
流動比率:171.1
自己資本比率: -42.2
損益分岐点比率: 103.9


最低限、この数値を抑えておけば大丈夫です。キッチンカーの経営をされており、ご自分で財務分析が出来るという方は、ご自分のキッチンカーのこれら指標の数値がどのような値なのか、上記の平均指標と比べて高いのか低いのかを確認してみて下さい。

もしご自分のキッチンカーの経営状態(財務状態)が気になる、という方がいらっしゃいましたら、本記事の下部のお問い合わせフォームから御連絡いただけばと思います。

収益シミュレーション

ここまで開設したように、キッチンカー経営は他の飲食店と比べて特殊な点が多く、開業するに当たっては周到な準備と戦略が必要となります。そこで重要となるのが、「収益シミュレーション」です。

収益シミュレーションとは、競合の存在や売上・経費などの財務構造を分析予測し、開業した場合における月間・年間の利益を算出することをいいます。

このシミュレーションをすることにより、赤字となるリスクを抑え、順調な開業の滑り出しを見込むことができるのです。よく、商店街にある小規模カフェなどで、お客さんが満員になったとしても黒字にならない構造となっているようなお店を見かけます。そうならないためにも、収益シミュレーションは非常に重要なのです。

今回は、収益シミュレーションの例として、とあるテレビ番組で紹介されたこれから開業するケーキ屋を題材に、シミュレーションの方法などを簡単に紹介します。詳しくは、以下の記事もご覧ください。


シミュレーション店舗の概要

シミュレーション店舗の概要は以下の通りです。

・ケーキ店を個人で開業する
・開業する町の人口はおよそ500人
・観光名所が近く、外国人観光客が一定数訪れる
・開業資金は650万円


この情報を基に経営分析・見込み財務分析を行うと、以下のようになります。
※実際に御依頼を頂いた場合は、依頼者の方が開業する・開業されているキッチンカーに合わせ、ここで紹介するより詳細な分析を行いますので、ご安心頂ければと思います。

収益の分析

総務省「家計消費状況調査」調査データより、1年間あたりの洋菓子への支出金額(日本国民が洋菓子を食べる金額)は、1人当たりおよそ6,558円であることが示唆されます。

そしてこの町の人口はおよそ500人ですので、この店舗の年間売上はおよそ328万円であると算出されます。


繁華街などでしたら商圏分析という顧客数調査を行うのですが、この事例の場合は山奥の小さな町ですので、簡略化しております。

費用の分析

費用の分析は、特に重要な費用である「人件費」「家賃」「原材料費」「支払利息」「水道光熱費・修繕費・広告宣伝費」の5つに絞り試算してみます。

①人件費

個人での開業であり、従業員も雇わない模様であるため、人件費負担はありません。

②家賃

店舗は賃貸物件であり、本事例の場合、月当たりの賃借料は22,000円程度でした。したがって、1年あたりの家賃は264,000円となります。

③原材料費

一般的な飲食店の原価率(原価額÷売価)は30%程度です。したがって、このお店の原材料費は、売上×30% という計算で算出することができます。

④支払利息

この事例の場合、融資を日本政策金融公庫から受けているとのことでしたので、日本政策金融公庫の担保不要融資基準金利である2.16%(記事作成当時のもの)を採用することとします。(詳細はこちら

650万円の借入額を10年で返済する場合の支払利息を概算すると、1年あたりの支払利息はおよそ77,000円となります。

⑤水道光熱費・修繕費・広告宣伝費

ケーキ屋、山奥に立地という2点を踏まえ、月当たり合計で3万円程度発生するものと想定します。

シミュレーション結果

ここまでの試算を基にしたシミュレーション結果は、以下のようになります。なお、「損益計算書」とは、1年間の売上と費用をまとめ、利益を表示した計算書のことをいいます。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 図4.jpg



この表から分かる通り、借入金返済後の利益はおよそ1年間で94万円であると試算されたことになります。

では、この94万円というのは開業としてせいこうなのでしょうか。

結論から述べると、厳しい開業であると言わざるを得ません。

借入金返済後の利益額はおよそ94万円であり、1か月あたりの処分可能利益は7.8万円ということになります。このシミュレーションは税金を省いて計算しているため、実際はさらに低い額になることが想定されます。これだけの利益しか捻出できないのであれば、ケーキの製造に使っている機械が1つ壊れればアウト、というような状況にもなりかねません。


このように、開業前に収益・費用・利益をシミュレーションすることによって、

・他の立地に店を構えた方がよいのではないか
・他店と差別化するために、宣伝や内装を考えた方が良いのではないか
・このまま開業しても大きな利益が見込めるので、安心である


など、様々な対策を立案したり、満を持して開業に臨んだりすることができるのです。繰り返しになりますが、キッチンカーの経営は他の飲食店と比べて特殊であり、成功失敗が大きく分かれやすいといえます。また、前述の「1時間当たり利益」や「損益分岐点売上高」を考慮せず経営をすると、長時間かけて働いているのに全然利益が出ない、といった状況にもなりかねません。そのリスクを少しでも軽減するためには、開業前の段階から収益シミュレーションをするべきだといえます。
(開業後でも、収益シミュレーションを応用した商圏分析・顧客分析を行うことで、利益向上を見込むことができます)

キッチンカーの経営相談は経営コンサルタントにお任せ下さい

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 726104e482357424403961948cc8de7f_s-1.jpg

ここまで、キッチンカーの経営について重要なポイントを解説しました。
・キッチンカーを開業したいが、不安が大きい
・開業したが、思うように利益が上がらない
・キッチンカーの内装工事費や宣伝費について、補助金をもらいたい


このようなお悩みやご要望がある方は、ぜひ我々専門家に御相談ください。当事務所は、以下のような業務を行っております。

支援業務①:収益シミュレーション

開業前の段階で、依頼者の方の事業の採算がとれるのか(成功可能性がどの程度あるのか)についてシミュレーションを行います。先ほど説明した実例でのシミュレーションは簡略化したもので、実際は以下のような分析を行います。

・外部環境分析:対象となる事業の国内全体の動向、競合店舗の実態など、お店を取り巻く外部環境を分析します
・商圏分析:見込み顧客の人数や年齢層ごとの分布、獲得シェア見込みを分析します
・顧客購買量分析:顧客がどれだけ自店舗の商品を買い、どれだけの売上が見込まれるか分析します
・損益分岐点販売数分析:何人顧客が来店すれば、商品を何個売れば黒字になるのか、具体的に分析します
・長期業績分析:3年後、5年後に売上、費用、利益がどのような推移をたどるのか、シミュレー
ションを行います

このような分析によって、依頼者の方の事業の成功可能性の判断を行います。具体的なアウトプット(依頼者の方に提供するもの)は、上記分析の結果をまとめた紙媒体の資料となります。スライドとしてまとめているため、結果は1時間程度の報告会という形で依頼者の方にご報告いたします。スライドは全体で20枚程度となります。分析のみでなく、取るべき対策や方向性についても1枚程度で簡単にまとめた内容となっておりますので、開業・起業に大いに役立つとのお声を頂いております。

当業務についての料金は、1つの事業につき15万円(税抜)となっております。(詳細はこちら)

開業・起業前の15万円は大きな出費であり、もったいないと思われる方もいらっしゃるかもしれません。実際に、キッチンカーをこれから開業するという方にとっての15万円は、ほかの内装工事費や宣伝費に回したいと思われる方もいらっしゃると思います。
しかし、このような分析を専門家へ依頼することで、事業の経営上のポイントを知ることができ、なにより黒字化が見込めない事業を踏みとどまることができます。
絶対に失敗できない開業・起業であるからこそ、専門的知見からの分析・シミュレーション結果を参考にすることにより失敗リスクを低減すべきであると考えております。

また、開業後の売上・利益拡大についても、この収益シミュレーションを応用することができますので、既にキッチンカーを開業されているという方でも、お気軽にご相談ください。

支援業務②:補助金申請の代行

現在、国や自治体をはじめとしてたくさんの補助金や助成金が制度化されています。受け取れる金額は、50万円~500万円ほどのものまでさまざまです。そして、補助金の対象となる経費は非常に幅広いため、「知らない人が損をする」ような制度となっているといえるでしょう。

例えば、補助金の対象となる経費は以下の通りです。

・キッチンカーの改装工事費
・チラシや看板作成などの広告宣伝費
・ホームページ作成費
・機械、備品購入
・コンサルティング費用


などです。補助金は返済不要の資金であるため、銀行融資と違って「借りる」のではなく「もらえる」お金なのです。そのため、新しく事業を始める方にとって非常に強力な制度であることが知られています。
一方で、補助金申請には事業計画書の作成が必須であり、さらに採択率(補助金が実際にもらえる確率)も20~70%程度であるため、質の高い事業計画書を作成しなければ補助金をもらうことはできません。

当事務所は、依頼者の方に代わって、補助金申請に関する書類の作成・申請の代理業務を行っております。料金は、完全成功報酬制で20%を頂いております。
完全成功報酬なので、着手金などはございません。補助金が採択されなかった場合(つまり、依頼者の方が補助金を貰えなかった場合)は、一切の料金を頂きません。安心してご依頼いただけるかと存じます。
詳しくは、以下のページもご確認頂けると幸いです。


以上、キッチンカーの経営に必要となるポイント、収益シミュレーションや補助金申請について簡単に説明しました。皆様の事業の成功を心より願っております。

当事務所の業務に関するご質問、ご相談やご依頼は、以下のお問い合わせフォームからお待ちしております。


当事務所について

代表氏名:木村 成(きむら じょう)

保有資格:
・中小企業診断士(経営コンサルタントの国家資格者)
・行政書士(行政手続、法律書類作成の国家資格者)
・日商簿記1級
・認定経営コンサルタント
・ファイナンシャルプランニング技能士2級

業務内容:
首都圏を中心に、中小企業・小規模事業者の方の支援を業務として行っております。経営コンサルタントとしては、販路開拓や補助金申請、創業融資支援などを中心に活動。行政書士としては、会社設立の代理や営業許認可取得の代理を中心に活動しております。中小企業診断士・行政書士の2つの資格を活用して、経営面と法務面の2つの視点から、依頼者の方の事業拡大を業務として行っております。