[サマリー]
・学校法人とは、私立学校を設置運営する主体のことをいい、私立学校法で規定されている
・学校法人の設立は定款認証ではなく、寄附行為による

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一般的に会話で学校を呼ぶときは、中学や高校・大学という風に呼びますが、これらの総称として「学校法人」という言葉があります。しかし、いわゆる学校の全てが学校法人に該当するわけではありません。

今回は、この学校法人について、どのようなものなのかや法律上の位置付けなどについて説明していきます。

学校法人を簡単に解説

学校法人とは?

学校法人とは、私立学校を設置運営する主体のことをいいます。私立学校に限定されているということもあり、学校法人の設置について規定されている法律は私立学校法で規定されています。

このように、学校法人は私立学校に限定されるという規定のためほとんどは民間が設置していますが、ごく一部民間以外が設置している(別法律により設置)学校法人もあります。

学校法人の設立

一般的に、会社の設立は定款の認証によって行われます。一方、学校法人は全く異なる手続きによって設立が行われます。

学校法人設立の手続きは、寄附行為によります


この寄附行為において必要事項を定めた上、文部科学省の定める手続きに従い所轄庁の認可を受けます。ここで所轄庁とは、文部科学大臣もしくは都道府県知事です。

ここで「寄附行為」という言葉が気になりますが、寄附行為とは「学校法人の根本規則たるべきものであって法人の現在及び将来の在り方を規制するもの」と規定されています。つまり、会社設立における定款と位置付けは似ていることがわかります。さらに、寄附行為には法令の規定に違反しない限り任意的な事項を定めることができることも、定款でいうところの任意的記載事項にあたり、定款と寄附行為が似ているということがお分かりいただけるかと思います。


学校法人の運営

学校法人の運営には、理事5人以上、監事2人以上を置かなければいけないとされています。

一方、株式会社は最低限取締役1人(+株主総会)で設立できますので、このような人数の制限も株式会社とは異なる規定だということが分かります。

ちなみに、学校法人は位置付けとしては財団法人ですが、財団法人にも理事5人・監事2人以上という規定はないため、学校法人特有の規定だと言えます。



準学校法人とは?

学校法人と似ている言葉として、準学校法人というものがあります。

準学校法人とは簡単にいえば、専修学校などのことを指します。(具体的には、私立学校法64条第4項に規定されている法人です)。
専修学校とは、専門課程や高等課程などを置く学校であり、医療系や美容系、ファッション系の専修学校が代表的です。

専修学校は学校教育法第一条という「学校(一条学校)」が定義されている法律に規定されていないため、他の学校とは異なる名称で呼ばれています。


このような準学校法人は学校法人とは区別されていますが、特定の認可を受けた場合は学校法人となることができます。


終わりに

以上、学校法人について法律上の位置付けや運営について説明しました。学校法人は一般的な会社と異なる点が非常に多く、また財団法人とも異なる点が多々あります。設立などを考えている場合は、ささいなことでも御相談されることをおすすめいたします。
また、学校法人が従うべき会計に学校法人会計基準がありますが、こちらについて知りたいとい方は以下の記事もご確認ください。
学校法人会計基準とは?わかりやすく解説

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事務所代表プロフィール

名前:木村 成(きむら じょう)

保有資格:
・中小企業診断士(経営コンサルタントの国家資格者)
・税理士 ・行政書士(行政手続、法律書類作成の国家資格者)
・日商簿記1級
・認定経営コンサルタント
・1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)
・中学、高等学校一種教員免許(元高校教員)

業務内容:
首都圏を中心に、学校や教育関連企業等の中小企業支援を業務として行っている。経営コンサルタントとしては、教育現場の業務改善や販路開拓のコンサルティングなどを中心に活動。行政書士としては、会社設立の代理や営業許認可取得の代理を中心に活動している。中小企業診断士・行政書士の2つの資格を活用して、経営面と法務面の2つの視点から、組織・事業の業務改善と拡大支援に励む。





[まとめ]
・ 学校法人とは、私立学校を設置運営する主体のことをいい、私立学校法で規定されている
・学校法人の設立は定款認証ではなく、寄附行為による