[サマリー]
・人事には、「確保」「活用」「処遇」「代謝」4つの機能がある
・昨今の法制度や経済環境の変化により、特に中小企業には4つの機能への早急な対策が求められている




最近、「人事」という言葉をよく耳にするようになりました。CMでも毎日のように人事管理ソフトやモチベーション管理のシステムなど、人事に関するサービスを宣伝しています。

今回は、そもそもこの「人事」が持つ機能について考えていきます。

人事の持つ機能について

人事とは

人事という言葉を辞書で引くと、企業等の組織における職員の処遇などの決定に関する業務、というような訳が出てきます。たしかに、その通りですね。ここでいう「企業等」には、株式会社だけでなく法人化していない団体など幅広い意味が含まれます。もちろん、学校も含まれています。

次に「処遇などの決定に関する業務」という部分ですが、ここが少し大雑把に感じますよね。では、この「処遇など」という部分について説明していきます。

人事の持つ機能

人事の持つ機能は非常に幅広いですが、カテゴリーに分けるとこのような形になっています。

人事の持つ機能

この「確保」→「活用」→「処遇」→「代謝」の一連の流れが、人事の持つ機能です。

それでは、それぞれの機能について順番に説明していきます。

人事の持つ機能その①:確保

「確保」の機能とは、人材や労働力を確保する機能のことです。最も代表的なものは、採用の業務ですね。

他にも、確保の機能には、

・人材外注
・離職防止


なども含まれています。人事の持つ機能の中で、スタートにあたる部分です。

人事の持つ機能その②:活用

活用の機能とは、人材や労働力を活用する機能です。代表的なものとして、

・人事異動の決定
・目標管理の設定
・職務配分の決定


などが含まれています。「確保」のステップで企業・団体に入ってきた人材をどのように生かしていくかという、非常に重要な機能です。

人事の持つ機能その③:処遇

処遇の機能は、企業や団体内の人材に対し、そのような処遇を与えるか決定する機能です。代表的なものは、

・賃金の決定
・福利厚生の決定
・ワークライフバランスの設定


などです。特に最近は働き方改革や男女の労働の観点から、ワークライフバランスの観点が重要視されてきていますね。

人事の持つ機能その④:代謝

代謝の機能とは、企業・団体内の人材を代謝する(円満にやめさせる)機能です。代表的なものとして、

・退職(解雇や定年制度なども含む)
・退職金の決定


などが含まれます。企業や団体において入り口となる「確保」が重要な制度であるということは、同じように出口に当たる「代謝」の機能も重要となります。

なぜ今、「人事」なのか

では、なぜ今人事という言葉が叫ばれているのでしょうか。
それは、労働環境や法制度、さらに言えば日本社会の変化により、先ほど説明した4つの機能が変化してきているからなのです。そして、特に中小企業はその変化への対応が遅れているのです。

例えば、先ほど「確保」について説明しました。以前の日本は新卒一括採用など確保の制度も一本道だったのに対し、現在は中途採用や転職が当たり前になっています。こららへの対応の遅れにより、中小企業は人材の確保が非常に大きな問題になっているのです。

「活用」についても同様ですね。労働時間問題(ブラック企業が代表です)や社員評価の重要性の向上に対応しきれず、活用に困っている企業は多数あります。


このように、人事の持つ「確保」「活用」「処遇」「代謝」4つの機能について、今日変化が求められているということです。


以上、人事の持つ機能について、問題点なども含めて説明しました。人事は企業や組織を支える、そして中核をなす機能ですので、重要課題として認識していくことが重要といえます。


[まとめ]
・人事には、「確保」「活用」「処遇」「代謝」4つの機能がある
・昨今の法制度や経済環境の変化により、特に中小企業には4つの機能への早急な対策が求められている


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