[サマリー]
・業務調査表とは字の通り、業務の内容・種類とそれにかかる時間を調査するものである
・「授業」「授業の内容準備」にかかる時間は必要、それ以外にかかる時間は改善対象になりうる



今回は、学校における業務改善のアイデアとして、業務調査表というものを、事例を考えながら紹介していきます。

業務調査表による学校業務改善

業務調査表とは

業務調査表とは字の通り、業務の内容・種類とそれにかかる時間を調査するものです。よく、業務改善を進めていきましょう、残業時間を減らしましょうというような言葉を聞きますが、


実態を把握しなければ効果的業務改善を成功させることは絶対にできません


これは断言できます。たしかに、莫大な予算をかけて成績管理の新しいソフトウェアや最新式のコピー機を導入すれば、少なくとも業務改善にはなるでしょう。しかし、それが効果的といえるためには、現状成績管理やコピー業務に大量の時間を奪われていたり、煩雑さが生じていたりすることが前提となります。


莫大な資金を投入してそれらを導入しても、他にもっと改善すべき点があるというケースは非常によくあり、その一番のネックを解消できなければ「効果的な」業務改善とはいえませんね。
そのために、現状分析が重要になるのです。そしてその現状分析で使用するツールが、「業務調査表」です。

業務調査表の活用例

実物を簡略化したのが下のものです。

業務調査表


左の列が業務名、右の列がその業務をどの時間帯にこなしたかです。ここで、業務名は思いつく限りの業務を書き込んでいってください。

この業務調査表を活用することで、現状どの業務にどれだけの時間がかかっているのかを見える化することができます。


では、学校において業務調査表を活用するケースを事例で考えてみます。
ある学級担任を例にして業務調査表を記入してみましょう。

業務調査表の活用事例


このような形です。実際は全ての業務を記入しますが、ここでは7つ程度にして簡単に説明します。また、左側の「大分類」「中分類」は集計の際にラクになりますので、できる限り設定・記入をおすすめします(大分類1は授業関係、など決めるだけです)。


これをできれば1か月程度、少なくとも2週間程度、教員・職員の方に毎日記入してもらいます。1日を振り返って記入するだけですので、「業務改善に活用したい」という目的をしっかりと伝えておけば、協力して頂けるかと思います。
ちなみに、「授業時間」については、記入してもらう必要はありません。授業時間は教員ごとに確定しており、また削減すべきものでもありませんので、授業時間以外について記入してもらってください。


これが終わったら集計にはいります。
先程の業務調査表はExcelで作成しておりますので、カンタンに並び替えと集計を行うことができます(この作業があるので、紙ベースの入力は絶対にやめてください。紙をデータに入力し直す手間が非常に大きいです)。


集計の結果、どの業務が最も時間がかかっているかを確認しましょう。
基本的に、「授業内容の準備」にかかる時間は大きくなりますが、これについてはあるべき姿でると考えます。一方、「授業プリント印刷」や「出欠管理入力」などに多くの時間がさかれている場合、業務改善の対象候補となります。



いかがでしょうか。
ただ闇雲に業務改善を進めていくということでは、効果的な業務改善にはなりません。まず現状をしっかりと分析した上で、何を業務改善のターゲットとしていくべきが考えるというのが重要だと言えます。

終わりに

以上、学校における業務改善のアイデアということで、業務調査表について事例を考えながら説明しました。ぜひご活用いただければ幸いです。また、実務において業務改善を進めていく上では、専門家の協力も重要となります。お悩みの際は、お気軽にご相談ください。

学校の業務改善にお悩みの校長や管理職の方、こちらのホームページからのご相談お待ちしております。
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[まとめ]
・業務調査表とは字の通り、業務の内容・種類とそれにかかる時間を調査するものである
・「授業」「授業の内容準備」にかかる時間は必要、それ以外にかかる時間は改善対象になりうる