[サマリー]
・問題とは「あるべき姿」と「現状」の間にギャップがある状態のこと
・課題とは「問題を解決するための方向性」のこと




よく、職員会議や分掌会議などで「問題」と「課題」という言葉を耳にします。この問題と課題ですが、しっかりと意味を区別して使っている方は意外と少ないです。ごっちゃに使う中で、なんとなく「問題」という表現は角が立ちそうだから「課題」と言っておこう、みたいな方もいらっしゃいます。


今回は、この「問題」と「課題」の違いをしっかりと抑えた上で、学校や塾ではどのように使い分けるべきかということを考えたいと思います。

「問題」と「課題」の違いとは

「問題」の意味について

まず、問題とは「あるべき姿」と「現状」の間にギャップがある状態を指します。イメージするならば、以下の図です。

問題とは


こんな感じです。そして、あるべき姿=現状 という企業・組織はないはずです。つまり、

どんな組織にも問題はある


ということになります。もし現状が完璧な状態だという組織でも、将来的なリスクに備えて問題を設定する必要があるため、問題は必ず発生するはずです。

「課題」について

では、課題とはなんでしょうか。

結論からいうと、課題とは「問題を解決するための方向性」のことを指します。
つまり、先ほどのイメージ図でいえば、ギャップをどのように埋めるかという方向性のことをいうのです。


こんな感じですね。これからどのようにして「現状」=「あるべき姿」にしていく、つまりギャップを解消していくか、そのための方向性が課題です。


イメージできましたでしょうか。
では、具体的な例で「問題」と「課題」の違いを確認していきます。

問題と課題の具体例

では、問題と課題の違いについて、例を見ながら考えてみます。

(1)学校における事例

一番ありがちな例が、課題を聞かれているのに問題を答えてしまうケースです。
例えば学校において、校長が進路部主幹教諭に対して、「本校の課題は何だろうか」と質問したとします。

これに対して、「本校の課題は国公立進学者数が少ないことです」というような返答をしてしまうケースです。身に覚えはありませんでしょうか。

これは、課題を聞かれているにも関わらず、「進学者数が少ない」というあるべき姿と現状のギャップを説明しているだけであり、問題を説明しているだけなのです。


もし、「本校の課題は何だろうか」と聞かれた際、進路部主幹の先生であれば「2学年秋までの段階における進路指導を徹底し、国公立志望者を増やすことです」というような返答をするべきでしょう。

先程のイメージ図で表すとこんな感じです。

学校における問題と課題


(2)塾における事例

同じように考えてみます。塾長から講師に対し、「本校の課題は何だろう」と聞かれた際、「生徒数が少ないことです」と答えてしまうと、課題の質問に対し問題を答えてしまっていることになります。もうお分かりですよね。

したがって、「本校の課題はなんだろう」という質問に対しては、例えば「プロモーション戦略の強化により生徒数を増加することです」のように答えるのが正解です。

これも、イメージ図で表してみましょう。

塾における問題と課題


このような形になります。


終わりに

以上、「問題」と「課題」の違いについて、例を交えながら説明しました。
特に大人数の会議(職員会議等)では言葉の意味など意思疎通をスムーズに行うことが重要ですので、注意して使い分けて頂ければと思います。

[まとめ]
・問題とは「あるべき姿」と「現状」の間にギャップがある状態のこと
・課題とは「問題を解決するための方向性」のこと


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