[サマリー]
・オズボーンのチェックリストとは、9つの質問に対して回答を考えることによって、新しいアイディアを想像していく手法である
・全くもって新しいアイディアは生まれないが、既存のアイディアを発展させるため失敗するリスクが抑えられる手法であるといえる



以前当ブログでは、学校や塾における企画力アップのツールとして「グルーピング法(KJ法)」を紹介しました(詳しくはこちらの記事を参照ください)。

今回も同じく、学校や塾における企画力アップのツールとして「オズボーンのチェックリスト」というものを説明します。

オズボーンのチェックリストの活用による企画力アップ

オズボーンのチェックリストとは


オズボーンのチェックリストとは、9つの質問に対して回答を考えることによって、新しいアイディアを想像していく手法です。オズボーン氏が考えたのでオズボーンのチェックリストといいます(ちなみに、このオズボーン氏は以前紹介したブレインストーミング法の発案者でもあり、非常に有名な方です)。

この9つの質問というのは、「別用途、応用、変更、拡大、縮小、代用、置換、逆転、結合」です。それぞれの意味をまとめていきます。

オズボーンのチェックリスト 9つの質問


・別用途:他の使い方はできないか
・応用:応用はできないか
・変更:変えることはできないか
・拡大:大きくできないか
・縮小:小さくできないか
・代用:代用できないか
・置換:入れ替えられないか
・逆転:逆にできないか
・結合:組み合わせられないか


このようにして、1つのモノやサービスに対し質問を投げかけ、考えていきます。つまり、ブレインストーミングのようにゼロベースで新しいアイディアを生み出すツールというよりは、既存のモノやサービスを改善・派生するために問いかけていくような進め方といえます。


では、実際に事例で考えてみましょう。

学校におけるオズボーンのチェックリスト活用の具体例

ここでは学校や塾における「授業」を例に挙げてオズボーンのチェックリストに回答してみます。


・別用途:生徒ではなく会社員へ向けた講義
・応用:海外の教育方法の導入
・変更:板書をやめ、ICTによるスライド形式の授業へ
・拡大:大学式の90分拡大授業、2クラス合同授業
・縮小:30分授業、少人数授業
・代用:映像講義
・置換:講義→まとめ のスタイルから、まとめ→講義 のスタイルへ
・逆転:授業者が教えたいことを好きに選べる授業
・結合:数学と理科クラスを組み合わせた2クラス合同,教員2人体制授業


例えばこのような形で進めていきます。実現可能性は高い低い分かれますが、9つの視点から強制的に思考を進めていくことができるため、非常にアイディアが出しやすいのです。


ここで繰り返しになりますが、オズボーンのチェックリストはあくまで阿古のモノやサービスを起点としてアイディアを出していく方法です。したがって、構想発想が全く新しいアイディアというのは、これに沿って考えを進めていく限りでは出てこないと言えます

しかし、既存製品や既存サービスの発展というのは非常に重要です。
なぜなら、ある程度成功を収めているモノやサービスから展開していくことで、失敗するリスクをある程度抑えることができるからです。
これは以前説明した、「成長ベクトル論」と同じ考え方ですね。全くもって新しいモノやサービスというのは、当然失敗するリスクも高いのです。


終わりに

以上、学校や塾における企画力アップのツールとして「オズボーンのチェックリスト」を説明しました。

次回は、オズボーンのチェックリストをさらに発展させたツールといわれている「SCAMPER」について説明したいと思います。

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[まとめ]
・オズボーンのチェックリストとは、9つの質問に対して回答を考えることによって、新しいアイディアを想像していく手法である
・全くもって新しいアイディアは生まれないが、既存のアイディアを発展させるため失敗するリスクが抑えられる手法であるといえる