・これからキッチンカーを初めてみたいと考えている方
・キッチンカーで開業したいが、どのように開業すればよいのか分からないという方
・手順が複雑で、開業に不安があるという方


この記事を読んでいる方は、上記のような考えや不安を持っているのではないでしょうか。キッチンカーの開業は、低コストかつ気軽に始められるという事もあり近年大変人気があります。また、感染症の蔓延などを理由として飲食店を避ける顧客が増えている中、注目されている営業形態です。一方で、様々な不安もあることかと存じます。

実際に、いざキッチンカーをはじめようと思ったときに最初に問題となるのが「営業許可」です。キッチンカーなど食料を取り扱うような営業形態の場合は、開業にあたり営業許可の申請が必要となります。
そこで当記事では、営業許可申請の専門家である行政書士が、キッチンカーを開業する上で避けては通れない「営業許可申請」について解説していきます。なお、キッチンカーの経営や補助金については下記のリンク記事をご覧ください。


キッチンカーの営業許可申請

営業許可申請とは

営業許可申請とは、飲食業などを開業するに当たって、保健所に対して行わなければならない申請手続きのことをいいます。

例えば、カフェやレストランを始めるにあたって、勝手にお店を構えて営業していく、というわけにはいきません。食べ物を提供する以上、一定以上の衛生管理がされているかなど、保健所の確認が必要なのです。その確認のための手続きが営業許可申請手続きだと思って頂ければと思います。

なお、営業許可申請にあたって、保健所職員のお店への立ち入り検査があります。この立ち入り検査については、こちらの記事をご確認ください。




このような営業許可の申請でまず重要となるのが、「どの区分の申請を行うか」です。営業許可は区分によって行わなければならない申請が変わるため、まずはご自分の営業(事業)の形態が何に該当するかを判断する必要があります。キッチンカーの場合は一般的な飲食店と異なり、「自動車での営業」(移動販売)と区分されています。さらにその中でも、次に説明するようにいくつかの区分に分けられています。


営業許可の区分(種類)

営業許可にはいくつかの区分(種類)があります。以下の図をご覧ください。


(この分類は東京23区のものとなりますので、お気を付けください。)
では、上図を改めて解説します。

調理営業

調理営業は、飲食店営業(自動車)、喫茶店営業(自動車)、菓子製造業(自動車)に区分されます。調理営業というだけあって、「車内で調理を行う場合にとるべき営業許可」だとお考え下さい。厳密には、次のような条件が規定されています。

・生ものは提供しないこと
・営業車内での調理加工は、小分け、盛り付け、加熱処理等の簡単なものに限ること


多くのキッチンカーは車内調理を行うかと思いますので、はじめに検討すべき営業許可の区分だといえます。

販売業


販売業は、食料品等販売業(自動車)、乳類販売業(自動車)、食肉販売業(自動車)、魚介類販売業(自動車)に区分されます。先ほどの調理営業と違い、車内では原則として調理をせず、そのまま売るだけといった場合にこの営業許可の区分での申請が必要となります。
厳密には、次のような規定がされています。

・営業車内で取り扱う食品は、あらかじめ包装されたものに限ること
・営業車内での調理加工は行わないこと


上記の規定を見て分かるように、予め作ってあるものをそのまま売るというイメージです。
※なお、魚介類販売業(自動車)のみ、上記規定の1つ目が「営業車内で取り扱う生食用魚介類は、あらかじめ包装されたものに限ること(ただし丸ものは除く。)」となります。)



以上、キッチンカーの営業許可の区分について解説しました。なんか細かくて難しそう…と思われるかもしれませんが、営業許可申請でまず重要なのがこの「営業許可申請の区分」です。自分がやりたいものがどれに当てはまるのか、しっかりと考えてみて下さい。

また、「分ったような分からないような…」という方は、以下のフローチャートもご参考にして頂ければと思います。

キッチンカー営業許可の分類フローチャート


繰り返しとなりますが、キッチンカー営業でポイントとなるのは、「車内調理の有無」です。
車内調理をする→調理営業(飲食店営業、喫茶店営業、菓子製造業)
車内調理をしない→販売業


このように区分が分かれてくることを知っておくと便利かと思います。なお、ここまで「営業」と何気なく書いていますが、営業許可申請における「営業」とは、「事業」のことだと思って下さい。「営業」というとセールスマンが商品を売り込んでいるようなイメージがあるかと思いますが、その意味とは全く異なりますので注意が必要です。

キッチンカー営業許可申請の注意点

キッチンカー営業で最も注意すべきは、施設・設備の要件です。

施設・設備の要件は、「調理営業」と「販売業」でそれぞれ分かれています。それぞれの基準について、一部を示すと以下のようになります。(東京都の場合)

【調理営業】

〇施設の基準

・営業車は、耐水性及び耐久性を有し、かつ、固定された屋根及び壁を有する自動車とし、じんあい、昆虫等の侵入を防止できる構造であること
・施設内は、使用目的等に応じて、区画すること
・調理加工を行う施設は、取扱品目及び取扱量に応じた、十分な面積が確保されていること
・施設内の床、内壁及び天井は、製造しやすい構造であること
(上記をはじめ、14項目程度あり)

〇公衆衛生上講ずべき措置の基準

・給水タンクは常に飲用適の水が供給されるよう、定期的に清掃し、清潔に保つこと
・営業開始の都度、給水タンクへの所定の量の給水を行い、営業終了後、給水タンク及び排水タンク内の水を廃棄すること
・器具等は、それぞれの使用区分に従って使用すること
(上記をはじめ、7項目程度あり)

これらに加え、調理営業を行う営業車の設置に関する規定があります。


【販売業】

〇施設の基準
・営業車は、耐水性及び耐久性を有し、かつ、固定された屋根及び壁を有する自動車とし、じんあい、昆虫等の侵入を防止できる構造であること
・施設内は、使用目的等に応じて、区画すること
・調理加工を行う施設は、取扱品目及び取扱量に応じた、十分な面積が確保されていること
・施設内の床、内壁及び天井は、製造しやすい構造であること
(上記をはじめ11項目程度あり。さらに販売業の種類により特定事項が定められている)

〇公衆衛生上講ずべき措置の基準
・給水タンクは常に飲用適の水が供給されるよう、定期的に清掃し、清潔に保つこと
・営業開始の都度、給水タンクへの所定の量の給水を行い、営業終了後、給水タンク及び排水タンク内の水を廃棄すること
・食品の保存は、法の基準に従い、常に適正に行うこと
(上記をはじめ、5項目あり)

これらに加え、販売を行う営業車の設置に関する規定があります。

以上が、東京都でキッチンカーの営業を行う場合の施設・設備基準の一部となります。施設・設備の要件も「調理営業」と「販売業」でそれぞれ分かれていることから、まずはご自分が開業したいキッチンカーの形態を考えることが重要といえます。その上で、施設・設備の要件を慎重に検討していく流れとなります。


このように、キッチンカー営業に求められる要件は複雑となっています。
ここには代表的な確認項目のみを示しましたが、実際は衛生管理者の資格なども含め、準備・検討しなければならない事項は多岐にわたります。キッチンカーを入手し内装を作ってから、営業許可を取ろうと思ってから施設・設備要件を確認したり、その他の調査を行ったりでは時間もかかりますし、何よりリスクが非常に大きくなります。


最後に、営業許可申請書の書き方につき簡単に説明します。


申請書の書き方

以下は、申請書の一例になります。(自治体によって一部異なります。また、この例は飲食店営業許可の申請書ですのでご注意ください。)

営業許可申請書の見本


注意点としては、
・本人の住所は住民票上の住所を記載する
・営業許可番号は、新規の場合は空欄
・申請者の欠格事項は、該当がなければ「なし」と記載


このあたりだと思われます。少し細かい項目もありますので、書き方については以下の記事で詳しく解説しておりますので、参考にして下さい。



なお、営業許可申請のおいて重要なことは、体裁の正しい申請書を書くことではありません。体裁が正しく、申請書が通ったとしても、キッチンカーが所定の設備、状態等を有していなければ、実地検査により営業許可が下りないこととなります。申請書の作成はあくまでも形式だけであるという事を認識して頂ければと思います。


以上、キッチンカーを始める場合の営業許可の区分や申請書の書き方について説明しました。実際は、保健所との協議や立ち入り検査という様々なステップを踏んで、はじめて営業許可証が交付されることとなります。開業の段階から非常に時間や手間・ストレスがかかる作業となりますので、我々専門家への御依頼もご検討いただければと思います。

キッチンカーの営業許可申請の代行は行政書士にお任せ下さい

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繰り返しになりますが、実際の申請では、自分が開業しようとする設備、業態などの要件が該当するのか、うまく申請できるかなど心配事は絶えないかと思います。営業許可申請をするにあたり、自力で申請をするか専門家へ依頼するかは大きな選択の1つです。じっくりと検討された上で、方向を決めて頂ければと思います。

また、もし専門家へ依頼される際は、ぜひ当事務所にお任せ頂ければと思います。
当事務所は、1車両あたり6万円で営業許可申請書の作成および申請手続の代理を行っております。
申請書の作成だけでなく保健所とのやりとりなども代理しますので、依頼者の方は最小限の手間だけで開業をすることができます。

料金などの詳細はこちらのホームページ(画像をクリック)でご覧いただけます。

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今まで、法律書類作成と申請手続きの専門家である行政書士として、たくさんの営業許可申請の代理を行って参りました。「依頼者の方に寄り添い、責任をもって業務を遂行する」という点においては、モットーでありながら、自信を持っております。

また、当事務所最大の特徴は、経営コンサルタントの国家資格である「中小企業診断士」も保有しているため、事業経営の専門家でもあるということです。申請手続きだけでなく、事業に対する経営面全般のご相談に乗れるため、依頼者の方のニーズに幅広く対応することが可能です。


みなさまのキッチンカーの開業の一助となれるよう、迅速・丁寧な補助金申請代理を遂行いたします。

どうぞお気軽に御相談ご相談ください。ご相談・ご依頼は以下のお問い合わせフォームからお願い致します。


事務所代表プロフィール

代表氏名:木村 成(きむら じょう)

保有資格:
・税理士 ・行政書士(行政手続、法律書類作成の国家資格者)
・中小企業診断士(経営コンサルタントの国家資格者)・日商簿記1級
・認定経営コンサルタント
・1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)

業務内容:
首都圏を中心に、中小企業・小規模事業者の方の支援を業務として行っております。経営コンサルタントとしては、販路開拓や補助金申請、創業融資支援などを中心に活動。行政書士としては、会社設立の代理や営業許認可取得の代理を中心に活動しております。中小企業診断士・行政書士の2つの資格を活用して、経営面と法務面の2つの視点から、依頼者の方の事業拡大を業務として行っております。

誠心誠意、迅速かつ丁寧な対応をモットーに活動しております。
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