[サマリー]
・経営理念浸透活動は、縦の流れを意識することが重要である
・まずは、管理職への浸透をしっかりと行うべき




前回、経営理念の浸透は会社収益向上を始め様々なメリットがあるということを説明しました。そこで、具体的にどのようにして経営理念を浸透させるかが重要となってきます。

経営理念浸透活動の重要性

理念浸透の具体的取り組み

経営理念の浸透において重要なのは、

①トップ層から管理職への浸透活動
②管理職から一般社員への浸透活動
③日常的に社員が経営理念に触れられる機会の作成

です。順番に説明していきます。


①トップ層から管理職への浸透活動

経営理念は基本的に、トップ層が作成するものです。トップ層が思っている企業や集団の在り方等を明文化したものが経営理念だからです。例えば学校でも、理念は校長が作成されていると思います(このため、公立学校の場合校長交代と共に理念が変わるため、理念変更のスパンが短いという特徴があります)。

経営理念の浸透活動について、最も重要なのがこの「①トップ層から管理職への浸透活動」です。
企業内では社員のほとんどが非トップ層かつ非管理職、つまり一般社員です。そして一般社員がトップ層と接する機会は少なく、身近な上司は管理職となります。
つまり、管理職に経営理念を浸透させることで、管理職が一般社員に向けて経営理念を浸透させてくれることになります。

これを学校で考えてみましょう。主幹や分掌主任でない教員が好調と接する機会は朝会や職員会議のみです。その限られた時間で校長から教員へ経営理念浸透の取り組みを継続するのは不可能に近いです。朝会は非常に時間が限られており、職員会議は議題が多数挙がるため、どちらも経営理念の話をしっかりと行えるような場ではありません。

このように、経営理念浸透活動においては、トップ層→管理職→一般社員 という縦の流れを意識して、それぞれの情報の流れに対して取り組みを行うことが重要です。

例えば、トップ層から管理職へ経営理念を浸透させる取り組みとして、
・トップ層と管理職の会議の場で、経営理念浸透活動を始めるということを改めて宣言する(キックオフミーティング)
・トップ層から管理職に対し、経営理念浸透の重要性を説明する
(内容はこちらから)

などが挙げられます。


②管理職から一般職員への浸透活動

①の取り組みを継続すれば、管理職に対してはある程度経営理念が浸透した状態になっているはずです。続いて、管理職が一般社員へ向けて理念浸透活動を行うステップに入ります。

このステップのポイントは、管理職と一般社員が接する機会は非常に多いという点です。日常的な業務ではもちろん、週ごとの会議などもあることが多く、接する頻度は非常に高いといえます。そのような性質(単純接触効果といいます)から、管理職に対する一般社員の信頼は非常に厚いケースも多く、理念浸透活動の効果が発揮されやすいといえます。私自身、分掌主任の先生方への信頼は大きく、自分の中で必ずしも納得できていなくとも、そういった方々がおっしゃった事なら仕方ない、というような意識が当時はありました。


例えば、管理職から一般社員へ経営理念を浸透させる取り組みとして、
・定例会議の場で、管理職から一般社員に対し、経営理念に関する訓話をする(最近の行動で、経営理念に合致した部分についての話など)
・部や課の行動指針として経営理念を掲げる(必ずしも明示的である必要はありません)など、一般社員が理念に接する場を増やす


などが挙げられます。

最後に、③日常的に社員が経営理念に触れられる機会の作成、についてですが、次回説明したいと思います。


[まとめ]
・経営理念浸透活動は、縦の流れを意識することが重要である
・まずは、管理職への浸透をしっかりと行うべき



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