[サマリー]
・「ヒトからヒト」への浸透には限界がある!「モノからヒト」への浸透を活発化させるべき
・コストがほとんどかからない取り組みが多いので、まずは実施することが重要である



前回、経営理念浸透の具体策として、
①トップ層から管理職への浸透活動
②管理職から一般社員への浸透活動

について説明しました。今回は、③ということで「日常的に社員が経営理念に触れられる機会の作成」について説明します。

経営理念浸透の具体策

日常的に社員が経営理念に触れられる機会の作成

先程説明した①と②の浸透活動を継続するだけでも、ある程度の経営理念浸透効果が見込まれます。しかしながら①と②についてはあくまでも人から人への伝達であるため、頻度が限られてしまいます。したがって最後の③は、「モノからヒトへの経営理念浸透」の取り組みとなります。

具体的な取り組みを例示します。


理念に触れる機会作成の具体例

具体例①:ポスターや額縁の設置

1つ目は、会社の見えやすい場所に経営理念を記述した紙,ポスター,額縁を掲示するという方法です。

これはほとんどの会社がやっている取り組みだと思われます。私が勤めていた学校でも、このようなものがありました。しかし、明日出社した際、もう一度それを確認してみてください。

「見えづらいところに掲示されていないだろうか」「ホコリがかぶったり、汚れていないだろうか」「以前の経営理念のままになっていないだろうか」などです。これらが当てはまる企業、意外と多いです。そしてこれらに当てはまる場合、掲示していないほうがマシといえます。なぜなら汚れた理念や以前の理念の掲示を社員が日常的に眺めるにつれて、理念ってこんなものなのか…という意識が芽生えてしまうからです(経営理念の陳腐化です)

うちの社はしっかり掲示してるから大丈夫!と思った方も、もう一度明日確認してみてください。

具体例②:クレドカードを作成する

クレドとはラテン語で信条などの意味をあらわす言葉です。クレドカードとは会社の信条、つまり経営理念等を記述したカードのことをいいます。3つ折りなど持ち運べるサイズで作成されたもので、大会社では特に一般的です。インターネットで「クレドカード」と検索するとたくさんの画像が出てきますので、参考にしてください。

前述したように、これら「③日常的に社員が経営理念に触れられる機会の作成」最大のポイントは、「モノからヒトへの理念の浸透」です。クレドカードを作成することによって社員が日常的に経営理念に接することができ、効果的な浸透を図ることができるということです。くどいようですが、「ヒトからヒト」への浸透には限界があります。

しかし、クレドカードなんていきなり作るのは気が引ける…という方におすすめしたいのが、次の取り組みです。


具体例④:名刺に経営理念を印刷する

これだけです。表面にスペースがない場合は、裏面に印刷しましょう。非常に簡単にできますし、大きな効果が見込めます。ここでいう効果とは、社内に向けた経営理念浸透だけではありません。社外に向けて当社の信条を示すことができるという効果まで見込むことができるのです。

名刺の性質上、必ず社外の方の手に渡ることになります。その際に経営理念を確認してもらうことで、当社の想いを知ってもらうことができ、場合によっては当社への好感度を高めてもらうこともできます。
(このような場面で、社外に知ってもらって効果のある理念は「社会貢献」「地域貢献」「社員満足」などです!利益一面的な理念の場合、再考してみてください)


学校における経営理念浸透活動

最後に、学校における上記の取り組みを確認してみましょう。

・紙,ポスター,額縁の掲示
やっている学校は多いと思います。しかし、汚れや更新状態など、先ほど説明したことを確認してください。

・クレドカードの作成
名刺よりハードルが高く、やっている学校は非常に少ないと思われます。しかし、作成による校内教員向け効果は名刺以上に大きいです。大きな予算も伴わないため、ぜひ実施・作成をおすすめします。

・名刺への印刷
手軽かつほぼノーコスト、さらに校外に向けた効果は非常に大きいです。印刷している学校法人を見たことがないので、名刺交換をした際の大きなインパクトにもなります。
しかし、管理職以外の教員は名刺交換の機会が少ないため、校外に向けた効果は制限されてしまう可能性もあります。それでも、本人への理念浸透には効果を果たすので、ぜひ実施してほしいと思います。



以上、経営理念浸透の具体策について説明しました。
次回は、学校法人が掲げるべき経営理念について考えたいと思います。

[サマリー]
・「ヒトからヒト」への浸透には限界がある!「モノからヒト」への浸透を活発化させるべき
・コストがほとんどかからない取り組みが多いので、まずは実施することが重要である



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