[サマリー]
・職能資格制度とは、職能によって等級を決定するという等級制度のことです。
・職務遂行能力は目に見えないため、職能資格制度は年功的運用になりやすいといえる




職能資格制度とは、人事制度の中でも等級制度といわれるものの代表例です。そして、しばしば論点となるのが、職能資格制度と年功の関係です。

今回は、職能資格制度の概要と、年功との関連について解説したいと思います。

職能資格制度と年功

職能資格制度とは?

職能資格制度とは、職能によって等級を決定するという等級制度のことです。

そもそも「職能」とは、職務遂行能力のことです。この職務遂行能力をレベル化し、等級で区切ったものが職能資格制度です。「等級って何?」と思った方は、こちらの記事をご確認ください。



等級制度を一言で説明すると、何らかの基準によって職員のレベルを決定する制度のことです。そして、その決定基準は「職員の能力」であったり、「職員が受け持つ仕事」であったりします。職能資格制度は、職員の能力によって等級を決定するという制度なのです。


逆に言えば、職能等級制度は

受け持っている仕事や役職など必ず一致するわけではない


という点を押さえておいてください。これが、年功との関係に大きくからんできます。

職能資格制度は年功的運用になりやすい

先に結論を書いてしまいましたが、職能資格制度は年功的運用になりやすいのです。

なぜそうなるのか、先ほどの「受け持つ仕事や役職と等級が必ずしも一致しない」という点を思い出して下さい。

まず、仕事を基準にして等級を決定する制度を職務等級制度、役割を基準にして等級を決定する制度を役割等級制度といいます。これらの等級制度は等級の決定が非常にシンプルで、「この仕事をやっているなら3等級」「部長なら4等級」というような決定方法になります。

一方、職能資格制度はどうでしょうか。
職能資格制度はなにを基準に等級を決定するかというと、「職務遂行能力」です。この職務遂行能力の最大の問題は、目に見えないという点です。

仕事内容や役職は目に見えるので、シンプルに等級決定ができます。
一方、職員の能力を基準に等級を決定しようとした場合、等級決定が難しいのです。もちろん、仕事ができるできない程度なら簡単にわかりますが、同じようなレベルの職員のどちらを昇格(等級を上げる)させるかとなったときに、納得感のある説明が難しいですよね。


その結果なにが起きるかというと、「勤続年数が長い人は能力も高いだろう」という推定がはたらいてしまうのです。


基本的には仕事経験が長くなるほど能力も高くなるだろうということで、勤続年数が長い人ほど高い等級になりやすくなります。一方で、能力が高くても勤続年数が短い人(若手や転入者)はなかなか等級が上がりにくくなってしまいがちなのです。

この「年功的運用になりやすい」というのが、職能資格制度の最大のデメリットなのです。



職能資格制度の機能的運用に向けて

先程挙げたような問題を解消し、等級制度を有効に運用していくためには、管理職教育や意識改革が必要となります。

目に見えない職務遂行能力を評価するためには、評価者(管理職)にも相応の訓練が必要なのです。また、被考課者(評価される側)に評価結果を納得してもらうには、公平性の高い評価が必要です。そのためには、考課基準の明確化や細分化、オープン化などが重要となります。


小規模の会社が拡大するにあたって、まず問題となるのは人事制度です。人事制度が旧態のままでは、会社拡大に職員が置いて行かれてしまい、離職率の増加や人手不足の深刻化につながります。

もしお悩みの際は、我々中小企業診断士など専門家にご相談頂ければと思います。

人事制度にお悩みの経営者や管理職の方、こちらのホームページからのご相談お待ちしております。
「木村税理士・行政書士事務所」

[まとめ]
・職能資格制度とは、職能によって等級を決定するという等級制度のことです。
・職務遂行能力は目に見えないため、職能資格制度は年功的運用になりやすいといえる