[サマリー]
・定量的評価マトリクスとは、複数の選択肢に対する複数項目のインパクトをクロスする形で定量的に分析するツールである
・各案の重要性に応じて得点差をつけることができ、より実態に即した戦略立案ができる



以前当ブログで、学校や塾における企画力アップ・戦略立案のツールとして、「マトリクス法」というものを紹介しました(詳しくはこちらの記事を参照ください)。

この記事でも軽く存在は触れましたが、今回はマトリクス法を定量化した「定量的評価マトリクス」について、活用方法を具体例を通して説明したいと思います。


戦略立案ツール「定量的評価マトリクス」の活用

定量的評価マトリクスとは

定量的評価マトリクスとは、複数の選択肢に対する複数項目のインパクトをクロスする形で分析するツールです。つまり、以前紹介したマトリクス法を用いた分析と大方同じなのですが、最大の違いは定量的に分析するという点です。今回の記事では、この定量化する分析方法を紹介します(定量化とは、数値化することだと思っていただければ大丈夫です)。


では、ある学習塾を想定して考えてみましょう。

学習塾における活用例

この学習塾は生徒数の増加に悩んでいるため、新しく広告戦略を立案することになりました。戦略の大筋を決める上で、広告媒体を決めなければいけません。

そこで、以前説明した「〇△×で分析するマトリックス法」を用いると、このような結果になりました。

評価マトリクス

結果として、最も評価の高いネット広告で宣伝すべきだ、ということになりますね。もちろん、評価の要素は生徒・保護者・地域以外でもかまいません。今回は一例としてこの3つで分けています。

この〇△×で分析するマトリクス法は非常にシンプルで短時間でできるというメリットがありますが、


・生徒や保護者など各要素の重要性が考慮されていない
・分析が大雑把であり、重要な戦略立案に適していない



などの問題点があります。
それを解決するのが、定量的な評価マトリクスです。

さっそく、先ほどと同じ意思決定のシーンを想定して、定量的な評価マトリクスを活用してみましょう。

定量評価マトリクスの活用


こんな形になりました。先ほどと違って数値評価されているのが分かるかと思いますが、何より「重要度」の項目が新設されています。

対象とする生徒の年齢にもよりますが、
「塾によっては志望生徒より保護者にはたらきかけたほうが有効であり、また地域への宣伝は比較的効果が薄い」という実情をこの重要度で表現するのです。


あとは、合計欄に「重要度×評価の値」を計算・記入するだけです(Excelで作成して関数を入れておけば、計算・記入の手間もいりませんね)。


この具体例の場合ですと、以前紹介した〇△×のマトリクスと同じ結果になっています。しかしながら、他の項目との点数の差などを確認することができますね。また、対象項目が生徒や保護者ではなく、「金銭的コスト」「時間的コスト」のような数字でイメージがつくものの場合、この定量的な評価マトリクスはさらに活用しやすいものになります。


終わりに

以上、学校や塾における戦略立案のツールとして、定量的評価マトリクスを説明しました。ぜひ、活用して頂ければと思います。また、実務において業務改善を進めていく上では、専門家の協力も重要となります。お悩みの際は、お気軽にご相談ください。

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[まとめ]
・定量的評価マトリクスとは、複数の選択肢に対する複数項目のインパクトをクロスする形で定量的に分析するツールである
・各案の重要性に応じて得点差をつけることができ、より実態に即した戦略立案ができる