[サマリー]
・ポジショニング法とは、商品やサービスの訴求ポイントやどのような便益を顧客に与えられるか等を明らかにするため、2つの軸を使って見える化する手法である
・ポジショニング法は経営戦略策定ツールとしてだけでなく、新商品や新サービスの企画ツールとしても活用することができる
以前当ブログでは、学校や塾における企画力アップのツールとして「SCAMPER」を紹介しました(詳しくはこちらの記事を確認ください)。
今回は、同じく学校や塾における企画力アップのツールとして「ポジショニング法」を説明します。
ポジショニング法による企画力アップの手法
ポジショニング法とは
ポジショニング法とは、商品やサービスの訴求ポイントやどのような便益を顧客に与えられるか等を明らかにするため、2つの軸を使って見える化する手法です。
以前、学校経営戦略の記事で「STP」の「P」として説明したことがあったかと思います。あのポジショニング法は企画ツールとしても活用することができるのです(STPについてはこちらの記事を、Pについてはこちらの記事を確認ください)。
では、実際にどのような軸で分けて考えるか、例を挙げてみます。
ポジショニング法の活用例
学校における事例
例えば以前の記事で経営戦略のツールとしてポジショニング法を活用したのが、以下のグラフです。
とある都立高校と、その商圏内にある都立・私立高校をポジショニング法を使ってグラフに落とし込みました。ここでは「学力」の軸と「校風」の軸で切ったものです。このようにポジショニング法を行うことで、「自校がどのように生徒や保護者から見られているのか」や「自校と他校の違いは何か」を考えることができます。
経営戦略としてはこの後自校がどの空白地帯に進み他校と差別化していくべきかというところまで考えることになります。しかし企画ツールとしてポジショニング法を用いる場合は、このグラフでいう「自校」のポジションがありませんので、どこに進んでいくかというよりは、どこに商品・サービスを投入するかというイメージで活用することになります。
(ちなみにこのポジショニング法は、センターが学校管理職を評価する上でも使用することがあります。軸は「管理力」などの能力です)
では、次に塾においてポジショニング法を使ってみます。
塾における事例
例えばある地域に塾を進出させようと考えているときに、その地域の商圏内にA,B,C,Dの4つの競合になり得そうな塾があるとして、ポジショニング法を使いました。軸は、「授業スタイル(集団・個別)」「授業対象(対象学年の広さ)」で切り分けました。
A塾などは集団授業かつ幅広い学年に授業を提供しているということで、典型的なリーダー企業であることが分かります。リーダー企業に対する戦略は、こちらの記事を確認ください。
このようなポジショニングができたとすれば、オレンジ色の点線で囲った「個別」「対象特化」型の塾として進出することが有効な手段の1つとして考えることができますね。
ここでは塾全体のポジショニングを行っていますが、例えば自校自社が提供するサービスのみでポジショニングを行うのも有効です。自校自社内でサービスが重なると顧客の食い合いが起きますので、重ならないようポジショニングを行った上で新サービスを提供することも重要です。
このように、ポジショニング法は経営戦略策定ツールとしてだけでなく、新商品や新サービスの企画ツールとしても活用することができるのです。
終わりに
以上、学校や塾における企画力アップのツールとして「ポジショニング法」を説明しました。
次回は、以前紹介したマーケティングの4Pの補足として、4Cという概念を紹介します。
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[まとめ]
・ポジショニング法とは、商品やサービスの訴求ポイントやどのような便益を顧客に与えられるか等を明らかにするため、2つの軸を使って見える化する手法である
・ポジショニング法は経営戦略策定ツールとしてだけでなく、新商品や新サービスの企画ツールとしても活用することができる