[サマリー]
・学校がパブリシティを考える際は、「記事が教育問題に特化していないこと」「1校単位の取り組みを記事にしていること」を満たすニュースサイト等をターゲットにするべきである
・パブリシティの内容は、「特色ある取り組みか」「他校と差別化されているか」を意識して厳選する



ここまで、マーケティング・ミックスに関する基本的な考え方を抑えた上で、前回は学校や塾における「人的販売」戦略について説明しました(マーケティング・ミックスについてはこちらの記事を、人的販売戦略についてはこちらの記事をご確認ください)。

そもそも「人的販売」戦略とは、マーケティング・ミックスの4Pのうち「Promotion:販促戦略」の1つの項目でしたね。「広告」「販売促進」人的販売」「パブリシティ」「口コミ」に分かれていました。このあたりは少し複雑なので、忘れた方はこちらの記事をご確認ください。


では、本題に移ります。

学校におけるパブリシティ戦略について

パブリシティのおさらい



おさらいですが、パブリシティとは新聞や雑誌など公的メディアに記事を掲載してもらい、情報を発信するプロモーション手法でした。お金を払って載せるのが「広告」であるのに対し、パブリシティはこちらはお金を払わないイメージです。

では、学校においてはどのような観点からパブリシティを行っていくべきか考えてみます。本記事では学校について紹介し、次回の記事で塾について関g萎えたいと思います。

学校におけるパブリシティ

まず、どの媒体に着目するかから考えます。新聞や雑誌など紙媒体のメディアへの掲載ももちろん考えられますが、ここではネットニュースに絞って考えます。
なぜなら、生徒や保護者が学校を検討する際、まず間違いなくネットで学校名を検索するからです。検索する目的は、「学校のホームページ」「学校の偏差値」「学校の口コミ」などですが、当然学校名を入れて検索するため、ネット上に記事として自校が取り上げられていれば、そういった検索をした際に記事が目に留まる可能性があります。

では、どのネットニュースをターゲットするか考えます。

googleで「学校 ニュース」と検索した際、上位に表示されるサイトを評価してみます。


・ライブドアニュース

パブリシティ

検索最上位に表示されたのがライブドアニュースです。学校教育に関する記事がほぼ毎日掲載されています。

ですが、このサイトはパブリシティの対象外です。


実際に上の画像を見てもらうと、「日本の学校のぞうきんがけは懲罰?」「ひっ算の線に定規…疑問相次ぐ」など、教育問題をメインに取り上げているサイトであることが分かります。

このようなサイトに「自校の取り組みを掲載してほしい」と交渉しても、まず厳しいでしょう。



朝日新聞デジタル

パブリシティ

検索2番目に表示されたのがこちらのサイトです。先ほどと比べ教育問題に特化したサイトではないことが分かります。

ですが、内容の規模が大きく、こちらもパブリシティの対象外になります。


「外国人児童生徒2万人が不就学」「インフルエンザ流行開始 34校が休業に」など、都道府県もしくは全国規模の内容が記事になっているケースが多いようです。

1学校の取り組みを紹介してもらうには、非常に特異な取り組みである必要があるといえます。

スクールニュース

こちらのサイトは、上記2つのサイトとは大きな違いがあります。
それは、

「記事が教育問題に特化していないこと」「1校単位の取り組みを記事にしていること」の2点です。

例えば1週間前の記事には、「豊島区立〇〇中学校の施設見学会を実施」というものがありました。改築に合わせてということではあると思いますが、先ほどまでのニュースと比べると規模感が違うことが分かります。



このように、パブリシティにおいては、どの媒体なら掲載してもらえる可能性が高いかということを考えることが重要です。どんなに上手くアプローチをしても、売り込み先によっては見向きもしてもらえない可能性があります。


アプローチとしては、自校の特色ある取り組み(地域やボランティア活動、生徒の体験活動など)を記事にしてまとめ、紹介するような形でサイトの運営者等にコンタクトを取っていきます。もし編集者にツテがあれば、まず編集者に記事を紹介しましょう。
この時、「どのような点で特徴的な取り組みなのか」「他校はやっていないのか」ということをしっかりと説明します。特に、自校だけの取り組み出れば効果が高いです(というより、他校がやっていない取り組みに絞ってパブリシティを狙うべきです)。



以上、学校におけるパブリシティの活用例と戦略を説明しました。
次回の記事では、塾におけるパブリシティの活用例と戦略を考えます。



[まとめ]
・学校がパブリシティを考える際は、「記事が教育問題に特化していないこと」「1校単位の取り組みを記事にしていること」を満たすニュースサイト等をターゲットにするべきである
・パブリシティの内容は、「特色ある取り組みか」「他校と差別化されているか」を意識して厳選する


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