[まとめ]
・SWOT分析とは、「Strengths:強み」「Weaknesses:弱み」「Opportunities:機会」「Threats:脅威」に分け、企業の内部環境と外部環境を分析・整理するフレームワークである
・非常にわかりやすく、汎用性が高いフレームワークであるといえる
以前当ブログでは、企業・組織の内部的な経営資源を分析するフレームワークとして「VRIO分析」を説明しました。
今回は、フレームワークの中でも非常に汎用性の高い「SWOT分析」について説明します。(「フレームワーク」についての説明はこちらをご覧ください)
経営分析のフレームワーク:SWOT分析
SWOT分析とは
SWOT分析とは、「Strengths:強み」「Weaknesses:弱み」「Opportunities:機会」「Threats:脅威」に分け、企業の内部環境と外部環境を分析・整理するフレームワークです。それぞれの頭文字をとってSWOT分析と呼ばれています。
では、それぞれの要素について考えていきます。
SWOT分析の要素
それぞれの要素、用語はこのような意味です。
・Strengths 強み:自社の内部環境についてプラスに影響する要因のこと。
例えば、人材力、研究開発力、マーケティング力、資金力などが当てはまる。
・Weaknesses 弱み:自社の内部環境についてマイナスに影響する要因のこと。
強みと同様に、人材力、研究開発力、マーケティン力、資金力などが当てはまる。
・Opportunities 機会:自社にとっての外部環境についてプラスに影響する要因のこと。
政治、経済、社会などのマクロ環境(大きな環境)や、市場、流通などのミクロ環境(小さな環境)が当てはまる。
・Threats 脅威:自社にとっての外部環境についてマイナスに影響する要因のこと。
機会と同様に、政治、経済、社会などのマクロ環境(大きな環境)や、市場、流通などのミクロ環境(小さな環境)が当てはまる。
このような形になります。ここで大切なことは、「強み」「弱み」は内部環境、「機会」「脅威」は外部環境の要因であるということです。
学校におけるSWOT分析活用の具体例
学校でSWOT分析を考えてみます。例えば自校の近くに団地ができるとしましょう。当然、学齢期の子どもが増加することになりますので、自校にとってはプラスの要因であるといえます。これは、競合する他校に対して「強み」として考えていこう。というのは間違いになります。
団地が建設されるのは、自校にとっては外部環境です。自校にとっての内部的資源でもなければ、自校が建設の意思決定に関与できるわけでもありません。
したがって、近隣に団地が建設予定である、ということは「機会」に当てはまることになります。
つまり、SWOT分析をする際は、内部環境なのか外部環境なのか、つまり「強み」なのか「機会」なのか、「弱み」なのか「脅威」なのかをハッキリと区別することが大切です(「強み」と「弱み」の区別は簡単につくかと思います。プラスかマイナス要因かの違いですので)。
分析する際は、以下のような表を使うと便利でしょう。
このような表に箇条書きなどでまとめていくと便利です。
SWOT分析の汎用性
ちなみに私は、このSWOT分析をとてもよく仕事で使いっています。
理由は、(1)切り分け方や単語の意味が分かりやすく、経営者の方にとっても納得感の高い分析ツールであるから、(2)フレームワークをまとめるフレームワークとして有用であるから、の2点です。
(1)については、コンサルティングの実務において大きな効果を持ちます。企業分析や戦略立案を行い、それを経営者や管理職にプレゼンテーションする場(報告会といいます)において、分かりやすいという要素は非常に重要です。
例えば以前説明した「VRIO分析」や「5フォース分析」、これらのフレームワークは効果的であることはもちろんですが、初めて見る方にとっては理解しにくい一面もあります。実際、報告会の場で相手の表情を見ていると感じることが多いです。
しかしSWOT分析に関しては、「これはどういう意味でしょうか?」や「もう一度お願いします」といった意見を頂いたことはありません。強み、弱みなど単語自体が分かりやすく、表として綺麗にまとまるので、聞く側からしても好感度が高いように感じております。
もちろん、分かりやすい=効果的な分析 というわけではないので、話す相手や場所によって使い分けていくことも大切です。
ここまで、SWOT分析の基礎について説明しました。
次回は、SWOT分析後編ということで、実際に分析した例を使ってさらに説明していきたいと思います。先ほどの理由(2)についても、次回説明します。
[まとめ]
・SWOT分析とは、「Strengths:強み」「Weaknesses:弱み」「Opportunities:機会」「Threats:脅威」に分け、企業の内部環境と外部環境を分析・整理するフレームワークである
・非常にわかりやすく、汎用性が高いフレームワークであるといえる
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