[まとめ]
・VRIO分析とは、「Value:経済価値」「Rarity:希少性」「Imitability:模倣困難性」「Organization:組織」に分け、企業・組織の経営資源やそれを活用する能力を分析するフレームワークである
・保有する経営資源の本源的価値を分析・整理するのに便利である




以前当ブログでは、外部環境分析のフレームワークとして「PEST分析」を説明しました。
今回は、内部環境(要因)の分析ツールである「VRIO分析」について説明します。(「フレームワーク」についての説明はこちらをご覧ください)


VRIO分析による経営分析の手法

VRIO分析とは

VRIO分析とは、「Value:経済価値」「Rarity:希少性」「Imitability:模倣困難性」「Organization:組織」に分け、企業・組織の経営資源やそれを活用する能力を分析するフレームワークです。

つまり、以前に説明した「5フォース分析」や「PEST分析」が企業や組織を取り巻く外部環境の分析であったのに対し、VRIO分析は主に目線を内部に絞って分析するフレームワークとなります。


ここまで読んで、取っつきづらさを感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。模倣困難性や希少性という言葉が使われており、今まで説明してきたフレームワークの中で最もわかりづらいものかもしれません。

しかしながら、言葉が取っつきづらいだけで切り分けて考えるというプロセス自体は今までのフレームワークと何も変わりませんのでご安心ください。

ここから、項目について具体的に説明します。

VRIO分析の詳細

経済価値Value:保有する経営資源が持つ価値のこと。
例として学校法人でいうと、様々ですが〇〇推進校などの指定も大きな価値であるといえます。


希少性Rarity:その経営資源を保有している企業は少数であるかということ。
例として学校法人でいうと、珍しい行事文化や、珍しい部活動(私の勤務校には希少な武道の部活動がありました)など。


模倣困難性Imitability:現在その経営資源を保有していない他の企業がその経営資源を保有するために、多大なるコストが生じるか否か。
例として上で挙げた〇〇推進校や希少な部活動などは、簡単に模倣できるものではなく、模倣困難性が非常に高いといえます。


組織Organization:その経営資源を十分に使いこなす(活用する)だけの組織が出来上がっているかということ。
例として学校法人では特に、一部の業務が主幹教諭等に集中し、その人しかできなかったり分からなかったりする状態(これを属人化といいます)になっていることが多いといえます。



このような形で分析するのがVRIO分析になります。
ポイントは、「R」や「I」をしっかりと切り分けて考えることです。

上の例をパッとみると、価値があれば希少で、希少なら模倣困難だろう、このフレームワークは意味がないなと思ってしまうかもしれませんが、これは違います。

例えば、価値があっても希少でないものって山ほどありますよね。飲食店でなにか価値のある設備投資をしても、余程のものでなければ他の店でも入れていたり、入れることができてしまいます。

そして、希少であっても模倣困難でないものもあります。IT業界など技術革新が速い業界だとして、技術が生まれた当初は希少であっても、瞬く間に他企業が真似していく例(キャッチアップや同質化とも呼ばれます)は山ほどあります。つまり、希少だからと言って必ずしもも模倣困難であるとは言えないのです。



このように、VRIO分析は企業・組織が持つ経営資源の本源的な価値を、様々な角度から分析・整理することができるフレームワークなのです。
この機会に、ぜひ自社・自校について一度VRIO分析をしてみてはいかがでしょうか。



[まとめ]
・VRIO分析とは、「Value:経済価値」「Rarity:希少性」「Imitability:模倣困難性」「Organization:組織」に分け、企業・組織の経営資源やそれを活用する能力を分析するフレームワークである
・保有する経営資源の本源的価値を分析・整理するのに便利である



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