[サマリー]
・相関分析とは、相関分析とは、2つの変数間の関係を「相関係数」というもので表す分析手法である
・分析ツールを使った相関分析は、correl関数を使った分析に比べ、相関が予想できないときに活用すると有効である



以前、エクセルを用いた相関分析の活用例ということで、correl関数というものを紹介しました(詳しくはこちらの記事を確認ください)。

今回は、エクセルで相関分析をやる別の手段として、分析ツールを使ったものを紹介します。

その前にまず、相関分析についておさらいしましょう。詳しくは上のリンクから前回の記事をご確認ください。


エクセル分析ツールを使った相関分析

相関分析とは?

相関分析とは、相関分析とは、2つの変数間の関係を「相関係数」というもので表す分析手法でしたね。片方の変数が大きくなるともう片方も大きくなるケースは「正の相関」、片方の変数が大きくなるともう片方は小さくなるケースは「負の相関」といいました。グラフだとこのような形でした。

相関係数のグラフ

左のグラフが正の相関、右のグラフが負の相関です。

そしてこの相関分析ができるようになると、モノやサービスの特徴と顧客満足度の関係」「気温や気候と売上の関係」「職場環境や人事制度と社員満足度の関係」などが分析できる(示唆される)ようになるということでした。

目に見えづらい関係を定量的(数値的)に分析できるということで、この相関分析は非常に便利な手法なのです。

それでは、エクセルを使った相関分析のやり方を説明します。
前回は「correl関数」を使ったやり方を説明しました。今回は、エクセルの分析ツールというものを使ったやり方を紹介します。どちらも非常に簡単なので、ぜひマスターしてください。

エクセル分析ツールの準備

では、エクセルを使った相関係数の求め方を説明します。目的は、前回と同じくパン屋を例に考え、「パン」と「ジャム」「マーガリン」「傘」の売上個数の相関関係をさぐるというものです。

データ分析

では、エクセルを使って説明します。
まず、エクセルの「ファイル」→「オプション」→「アドイン」を選択して下さい。すると、こんな画面がでてきます。

エクセル分析ツール

少し見にくいですが、真ん中の赤で囲った「分析ツール」を選択し、「設定」→「分析ツール」にチェックを入れる→「OK」の順番にクリックしてください。

すると、エクセルの「データ」のタブの一番右に、「分析」という欄が出現します。これで準備は終了です。

相関係数の求め方

では、先ほどのデータを使って相関係数を求めてみましょう。

エクセル分析ツール

まず、「データ」→「データ分析」をクリックし、出現したウィンドウから「相関」というものをクリックし、OKを押してください。

すると、新しいウィンドウが出てきます。
この「入力範囲」のところに、先ほどのグラフの「パン」「ジャム」「マーガリン」「傘」の行(数字が入っているセル)を選択して下さい。

そして、「データ方向」に行を選択して、OKを押してください。パンなどのデータが右方向に並んでいるので、行にチェックということです。

その結果、こんな謎のデータが出現します。

エクセル相関分析

(本当はパンやジャムのデータを縦方向に並べていれば、先ほどのOKを押す前に「先頭行をラベルとして使用」にチェックを入れると、「行1」などではなく「パン」などと表示されます。前回の記事との関係で、今回はこのまま説明を進めます)

この行1は、先ほどのグラフの1行目、つまり「パン」を、行2は「ジャム」、行3は「マーガリン」、行4は「傘」を示しています。
そしてこの表のクロスした数値が、相関係数なのです。

例えば、行1と行3がクロスするところには、「0.98」の数値が表示されています。これは、「パンとマーガリンの相関係数は0.98です」という意味です。

同じように、パンとジャムの相関係数は0.83、パンと傘の相関係数は-0.72という結果になり、前回のcorrel関数による相関分析と全く同じ結果になりました。
(ちなみに、相関係数0.4以上は正の相関、-0.4以下は負の相関だと思ってください。詳しくは前回の記事を確認ください)。


では、correl関数と今回紹介した分析ツールを使った求め方、なにが違うんでしょうか。どちらかというと今回の方が前準備もあるため面倒だな…と思う方も多いかと思いますが、最大の違いは


特定の2つの変数以外の変数との相関も求めることができる



ということです。
先程の結果をもう一度見てみましょう。

エクセル相関分析

たしかに、例えば行2と行3の相関係数、つまりジャムとマーガリンの相関も同時に求めることができています。correl関数では「パンと何か」の相関しか求められなかったのに対し、大きな違いですね。
(「1」と表示されているのは、「パンとパンの相関」など、同じ変数の相関を求めている箇所です。全く同じ変化をするので、当然相関係数は1です)


つまり、エクセルの分析ツールを用いた相関係数の算出は多少面倒ですが、その分総洗い的に相関分析を行うことができるのです。

「パンとジャム」のようにある程度相関がありそうな要素が分かっている場合はあまり意味がありませんが、どの要素に相関がありそうかわからない状態で相関分析をするなら、断然この分析ツールを活用したやり方が優秀です。



以上、エクセルの分析ツールを使った相関分析の手法について、具体例を考えながら説明しました。ぜひ、自社自校の分析に活用して頂ければと思います。


[まとめ]
・相関分析とは、相関分析とは、2つの変数間の関係を「相関係数」というもので表す分析手法である
・分析ツールを使った相関分析は、correl関数を使った分析に比べ、相関が予想できないときに活用すると有効である


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