[サマリー]
・口コミとは、生活者・消費者のネットワーク上での情報提供や情報伝達全体のことであり、これをマーケティングとして活用するのがバズマーケティングである
・悪い噂は良い噂以上に拡散力が強いため、バズマーケティングは慎重に行う必要がある



以前当ブログでは、学校や塾におけるプロモーション戦略として、「パブリシティ」について説明しました(詳しくは、学校編塾編 の記事をご確認ください)。

今回は、プロモーション・ミックスのフレームワークで考えた際、最後の1つである「口コミ」バズマーケティングについて説明します。
(プロモーション・ミックスについてはこちらの記事をご確認ください)。

口コミ・バズマーケティングについて

口コミ・バズマーケティングとは

口コミとは、生活者・消費者のネットワーク上での情報提供や情報伝達全体のことを指します。そして、この口コミを活用してマーケティングを行おうというのが「バズマーケティング」です。バズとは「ガヤ、口コミ」という意味で、TwitterやInstagramなどで「バズる」という言葉もこのバズからきています。

※バズマーケティングに似た言葉としてバイラルマーケティングというものがあります。このバイラルマーケティングも現状同じ意味として考えてほぼ問題ありませんが、原義としてはバイラルマーケティングはネットを使った手法であることなど、細かい違いがあります。ここでは、「バズマーケティング」に表記を統一して説明していきます。


この口コミ・バズマーケティングが近年重要視されている要因は主に3つあります。

①口コミは、店員の説明と違ってメリットもデメリットも含んでいるため、心理的に信頼しやすい

②情報が溢れることで新聞やテレビニュースの心理的な信頼性が低下しており、口コミの信頼性が相対的に高まっている

③スマートフォンやSNSの普及により口コミを投稿するプラットフォームが整備され、様々な人の目に留まるようになった


このような点から、バズマーケティングの重要性が高まってきたと言えます。実際に、SNSを使っている方は、リツイートやお気に入り(いいね等)が物凄い数ついた投稿を日ごろから目にしているかと思います。


このバズマーケティングですが、安易に自社・自校の取り組みをSNSを使って拡散しようとするのは大変危険です。
なぜなら、

悪い噂は、良い噂以上に拡散してしまうから


です。これについて、ある研究事例を参考に考えます。


口コミの研究事例「良い噂と悪い噂」

例えば、ある人がラーメン店に入って食事をしたとします。
もしその食事の中で、「ラーメンがとても美味しかった」「店員の接客が非常に心地よかった」「店内が非常に清潔で安心して食事ができた」など、良い経験をしたとしましょう。
さて、この人が食事を終え店外に出た後、この良い経験を何人の人に伝えるかというと、一般的に4人前後に伝えるといわれています。

逆に、この食事の中で「ラーメンがマズかった」「店員の接客が横暴だった」「店内が汚く嫌な気持ちになった」など、悪い経験をしたとしましょう。
すると、この人はこの悪い経験を何人の人に伝えるでしょうか。

なんと、8人前後の人に伝えるといわれています。
つまり、悪い噂は良い噂に比べて2倍程度広まってしまうのです。

確かに、誰かに良いお店を紹介するときは余程良い店しか紹介しませんが、悪い店はすぐに誰かに伝えたくなるような気もしますよね。人間は愚痴が好きな生き物であり、必然的に悪い噂のほうが誰かに伝えたくなるという結果です。



話を戻します。
バズマーケティングを慎重に行わなければならない理由は、このように悪い噂の拡散力にあります。企業や学校が特色や強みだと思うような活動をSNSなどで安易に拡散する場合、大変な注意を要します。上手く拡散されれば問題ありませんが、こちらと違う意図で拡散されてしまった場合、取り返しのつかないことになり、ブランド毀損・収益低下などの悪影響に直結します(いわゆる炎上です)。



以上が、口コミ・バスマーケティングの基本的な考え方でした。
適切に活用できれば心強いマーケティング手法ですが、実行には入念な準備が必要です。

次回、学校や塾においてどのようにバズマーケティングを行っていくべきか説明します


[まとめ]
・口コミとは、生活者・消費者のネットワーク上での情報提供や情報伝達全体のことであり、これをマーケティングとして活用するのがバズマーケティングである
・悪い噂は良い噂以上に拡散力が強いため、バズマーケティングは慎重に行う必要がある


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