[サマリー]
・教員の営業の質を高めるには、営業ツールの作成と営業マニュアルの作成が必要不可欠である
・営業ツールやマニュアルを作成する際は徹底的に相手の立場になり、どうやったら担当生徒に自校を紹介してもらえるかを考えるのが重要である




以前当ブログでは、学校における販売促進戦略として学校説明会でのポイントや塾への営業について説明しました(詳しくはこちらの記事をご確認ください)。

今回は、塾や中学校へ実際に営業に行く際のポイント「人的販売戦略」について説明します。人的販売戦略についてはこちらの記事を参照ください。

人的販売戦略のコツ

学校における人的販売戦略とは

今回は、塾や中学校への営業に絞って考えます。どのようにして塾や中学校の先生方に自校を売り込み、生徒に紹介してもらえるようにするか。具体的に、2つのポイントとコツを紹介します。
それは、「営業ツールの作成」と「営業マニュアルの作成」です。

(1)学校教員の営業における営業ツール

営業ツールとは、文字通り営業を行う際の道具です。これがないと、余程営業力のある先生でなければ、営業活動は失敗に終わります。

なぜなら、自校の特徴を自分の言葉のみで説明しなければいけないからです。


これは2つの意味で難しいといえます。
1つは、単純に自分の記憶と経験だけで自校を全て説明するというのはほぼ不可能だからです。管理職なら可能な場合もあると思いますが、一般的な教員であればまず不可能です。
そしてもう1つは、教員ごとに説明のバラツキがでるということです。特に昨年度の進学実績についてなど、数字がからむような部分は教員もイメージで話してしまうことがあり、説明にバラツキが生じます。例えば「国公立30人出しました」というような説明を受けた後で、その中学校の先生が高校のホームページを確認して国公立の進学人数が15人だった場合、騙されたと感じてしまいます。
(ホームページ作成のポイントについてはこちらの記事をご覧ください)


したがって、営業ツールの作成は重要です。学校であれば、パンフレットを作ることが一般的でしょう。パンフレットもホームページと同じく、自校の一番の強みを表紙の背景写真に使用します。

現状、学校パンフレットの表紙は「校舎+生徒4,5名」のパターンが非常に多いですが、そうやって作れというルールはどこにもありません。
(「それっぽさ」は非常に出ますが………)


もし「体育祭の応援合戦が自校一番の魅力だ!」というのであれば、パンフレットとは別で写真を持ってきましょう。タブレットがあるならば1分程度の動画を持参するのも良いです。
このような営業ツールを作成する際も、営業相手の気持ちになって考えます。
中学校の先生が自分のクラスや担当する生徒に自校をオススメしてくれるには、なにが必要でしょうか。一番効果的なのは実体験です。しかし、中学校の先生がわざわざ自校の体育祭を見に来ることは考えられません。
そこで、動画を見せるのです。動画を見せることで、実際の体育祭の雰囲気や生徒の息遣いを感じることができ、「〇〇高校の応援合戦は迫力がある」「先生も驚いたよ」というようなリアルな感想をクラス・担当の生徒に伝えてくれる可能性が高まります。

さらに、パンフレットや動画などの営業ツールがあると目線をそこに向けることができるので、面と向かった説明よりやりやすいという効果もあります。


(2)営業マニュアルの作成

(1)を参考に、パンフレットと動画を作成したとします(素晴らしいです)。ただ、単純にそれを教員に持たせて営業に行かせても、ほぼ失敗に終わります。

なぜなら、先生方は説明のやり方を教わっていないからです。


つまり営業ツールを持たされただけでは、「どこらから説明するべきか」「なにを強調して伝えるべきか」「動画はいつ見せるべきか」といったことまで分かっていないのです。先生方は非常に多忙であり、管理職が職員会議等で営業ツールの使い方を口頭で説明するような場合、逆に反発が起きるケースも想像されます(実際、職員会議時間内で研修などを行うと内職される先生方も多くいらっしゃいます)。

したがって、営業ツールをどのように使うかという営業マニュアルが必要なのです。もっといえば、マニュアルにはツールの使い方だけでなく、アポからの流れまでしっかりと記述するべきです。

営業マニュアルにツールの使い方が書いてあれば、ほとんどの教員はそのマニュアル通りに説明を行うはずです。「まずはその中学校から自校に進学した生徒の近況報告でアイスブレイクをとり」「自校最大の強みである体育祭を重点的に説明し」「その流れで1分間動画を紹介する」というように、効果的な営業を全教員が画一的に行うことができます。



以上、学校における人的販売戦略ということで、営業ツールの作成と営業マニュアルの作成、営業のコツについて説明しました。
次回は、学校におけるパブリシティの戦略について考えます。


[まとめ]
・教員の営業の質を高めるには、営業ツールの作成と営業マニュアルの作成が必要不可欠である
・営業ツールやマニュアルを作成する際は徹底的に相手の立場になり、どうやったら担当生徒に自校を紹介してもらえるかを考えるのが重要である


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