[サマリー]
・予備知識や経験がない場合、会社設立には数週間~数か月程度かかる可能性が高いといえる
・知識や経験が一定以上あるのであれば、2週間強での手続き完了も目指すことはできるといえる

個人事業主として事業を行っている方の中には、そろそろ会社を設立しよう、法人化しようと考えている方もいらっしゃるかと思います。個人事業から法人になることにより、節税面や信用面で大きなメリットがあるからです。
一方、会社設立・法人化は手続きが複雑そうだったり、長い時間がかかったりというイメージもあるのではないでしょうか。

今回は、会社設立・法人化の流れを簡単に説明するとともに、一連の手続きにかなる期間を説明します。

会社設立・法人化の流れと期間

会社設立・法人化の流れの概要

会社設立・法人化の流れを簡単にまとめると、以下のようになります。

会社設立・法人化の流れと期間

①基礎事項の決定と調査
②定款の作成と認証
③資本金の払い込み
④設立登記申請
⑤設立完了


おおまかにこのような流れです。それでは、それぞれの項目について内容と期間を説明していきます。


①基礎事項の決定と調査

会社設立・法人化を行うにあたり、事前に決めておくべきことがあります。例としては、以下のような点です。

・どのような商号にするか
・その商号は使用することができるか
・法人の事業目的はなにか
・どのタイミングで法人化するべきか
・資本金はいくらとして設定するか
・会社の機関はどのようにするか


などです。この段階でしっかりと内容を決めておかないと、一度手続きを始めても途中で悩むことになり、会社設立・法人化にかかる期間が長引いてしまいます。また、定款に記載する事項などは変更に手数料がかかることになるため、必要事項を始めに決めておくべきだといえます。

このステップでかかる期間はケースによって本当に様々です。ある程度会社設立や会社法などの知識がある方であれば、2,3日で終わるようなケースもあります。一方、全く知識がない状態から考えるとなると数週間は見ておいた方がよいでしょう。

②定款の作成と認証

①で基本事項を決定したのち、定款を作成し公証役場にて認証を受けます。

そもそも定款とは、会社の根本的な規則を定めた文書のことです。
会社の目的や商号、本店の所在地などが記載されます。以前は紙媒体での作成が必要でしたが、現在はデータで作成することもできます(ただしPDF編集ソフト等が必要となります)。


①でしっかりと基本事項が決まっていれば、それに基づいて書類を作成するだけですので、数日で終わる作業となります。

③資本金の払い込み

会社の元手ともいえる資本金の払い込みを行います。

株主が数名いる会社であれば資本金の払い込みもイメージしやすいと思いますが、1人会社(従業員が自分1人というようばケース)だと、会社設立時は個人のお金=会社のお金 というイメージがあり、資本金の払い込みの意味が分かりづらいかもしれません。このような1人会社の場合なら、資本金の払い込みは自分の資金力の証明としての意味合いを持っていると思って下さい。

実際に、資本金の払い込みには「払い込みのあったことを証する書面」が必要となりますが、上記ケースであれば自分名義の口座に資本金額を入金もしくは振込することで、書面の要件を満たすことができます。

このように小規模の会社であれば、1日で終わる作業だといえます。

④設立登記申請

最後に、法務局に登記の申請を行います。登記に必要な書類は例えば以下のようなものです。

・登記申請書
・定款
・発起人決議書
・払い込みのあったことを証する書面



会社の機関によっても必要書類が大きく異なるため注意が必要です。登記についてはパソコンから行うこともできるようになったため、手続の利便性が格段に向上しました。ここまでにしっかりと書類を準備することができれいれば、すぐに終わる作業となります。

一方、申請が終わってから完了が下りるまでは1週間程度かかります。
この1週間は待っているだけで大丈夫ですが、経営上の理由などで急いでいる場合は注意が必要です。自分が書類を作成したり、申請を行ったりという手続きと違い短縮することができないので、あらかじめこの期間を考慮した上で早めの手続きが求められます。

会社設立・法人化にかかる期間

ここまでそれぞれのステップで会社設立・法人化にかかる期間を説明しましたが、最後にまとめてみたいと思います。大まかに期間をまとめると、以下のような形です。

会社設立・法人化の期間


会社設立の知識や経験がない場合:数週間~数か月程度
知識経験がある場合、専門家に任せる場合:2週間程度



このような形です。会社設立・法人化は必ずしも専門家に任せなくても、ある程度の知識や経験があれば短期間での手続きが可能です。一方、知識や経験がない状態で手続きを行うと、長い期間がかかったり、設立後に税金面や経営面で損や不備が生じるケースもあります。

終わりに

以上、会社設立・法人化の流れとおおまかな期間を解説しました。会社設立は会社経営のスタートそのものであり、会社として事業を行っていく上で非常に重要な手続きとなります。手続きを自分で進めることももちろん可能ですが、不安がある場合は専門家に依頼することも選択肢の一つです。専門家に依頼すれば短期間で確実な法人化ができるだけでなく、法人化周辺の相談も行うこともできます。

会社設立・法人でお悩みの方がいらっしゃいましたら、ぜひご相談頂ければと思います。ご相談は、こちらのホームページからお待ちしております。
行政書士「木村税理士・行政書士事務所」
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[まとめ]
・予備知識や経験がない場合、会社設立には数週間~数か月程度かかる可能性が高いといえる
・知識や経験が一定以上あるのであれば、2週間強での手続き完了も目指すことはできるといえる