[サマリー]
・3C分析とは、「Company:自社」「Customer:顧客」「Competitor:競合」に分け、企業・組織とそれを取り巻く環境とを分析・整理するフレームワークである
・学校法人においては、特に「競合」について考えることが重要である



今回は「3C分析」について説明したいと思います。
3C分析とは、企業・組織とそれを取り巻く環境を分析・整理するフレームワークです。

フレームワークについての説明は、学校における経営戦略策定に向けた分析「フレームワーク」のページをご覧ください。

学校における3C分析の活用

3C分析とは

3C分析とは、「Company:自社」「Customer:顧客」「Competitor:競合」に分け、企業・組織とそれを取り巻く環境とを分析・整理するフレームワークです。
ここで、「自社」は企業・組織の内部を、「顧客」「競合」は企業の外部(利害関係者)を表しています。
このように、企業やその関係者をいっぺんに考えるのではなく、切り分けて考えていくことに、フレームワークを使用する意義があります。

それでは、一般企業を例にして、3C分析を行ってみましょう。


3C分析の例:一般企業の場合

一般企業(ここでは小売業とします)について3C分析をする際の項目を考えてみましょう。

Company:自社

・売上高の推移について
・市場シェアの推移について
・店舗数の推移について

Consumer:顧客

・顧客の属性について(年齢、性別、嗜好、購買プロセスなど)
・購買頻度について
・市場の成長性について
・周辺地域の人口について

Competiter:競合

・競合の売上高、店舗数、市場シェアの推移について
・近隣の競合店舗数について
・競合店舗の特徴について

このような形です。非常に簡略化していますが、具体的に自社と自社を取り巻く環境の分析を行うことができます。
しかしあくまで、3C分析は分析に過ぎないことに注意が必要です。3C分析などの分析をしっかりと行った後、その結果から経営戦略を策定していくことが重要となります。

ちなみに、「自社」「顧客」「競合」という分け方について、何か感じることはないでしょうか。
実はこの切り分け方は「MECE」と呼ばれており、モレやダブりのない切り分け方として知られています。
逆に言えば、切り口がMECEであることから、フレームワークは優秀であるともいえるのです。

この「MECE」については、また別の機会に説明したいと思います。


続いて、学校において3C分析を行ってみたいと思います(塾や教育業界企業においても考え方は同じです)。


学校法人における3C分析

Company:自社

・生徒数の推移について
・入学希望者数の推移について
・市場シェアの推移について(専門的分析が必要です。詳しくはお問い合わせください)
・教員や職員の勤務状態について(仕事量のバラツキ、残業時間など)

Consumer:顧客

・生徒の属性について(志望理由、志望決定プロセスなど)
・保護者の属性について(学校への関心度、行事参加度など)
・周辺地域の就学年齢人口について
・地域住民や団体からの要望について

Competiter:競合

・近隣他校の入学希望者人数、倍率の推移について
・近隣他校の学校数について
・近隣以外の他校について(離れていても、部活や学力等の特色により十分競合になり得ます)
・競合他校の特徴について

いかがでしょうか。ぜひ、自分の学校についても3C分析を実施してもらえればと思います。
分析結果としては当たり前に感じることも多いかと思いますが、このような切り口で分けて考えるということだけでも大きな意味があります。

特に学校法人においては「競合」という観点が欠けているケースが多いので、競合についてはしっかりと分析・整理してもらいたいと思います。

具体的に競合に対してどのような戦略を打つか、分析の後なにをしていくかについては、「経営戦略」のカテゴリーで述べますのでそちらを参照ください。


以上、企業・組織とそれを取り巻く環境について分析整理する「3C分析」について説明しました。
次回は、別のフレームワークである「経営資源分析」について説明したいと思います。

[まとめ]
・3C分析とは、「Company:自社」「Customer:顧客」「Competitor:競合」に分け、企業・組織とそれを取り巻く環境とを分析・整理するフレームワークである
・学校法人においては、特に「競合」について考えることが重要である



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