[サマリー]
・ポジショニングとはシンプルにいうと、自社のポジションを市場において見出すことである
・ポジショニングマップを活用することで、自社と競合他社とのポジションの違いをカンタンに可視化することができる
以前当ブログでは、学校や塾における経営戦略策定として「STP」の「T」にあたるターゲティングについて説明しました(詳しくはこちらの記事をご覧ください)。
今回は「STP」の総仕上げである「P」ポジショニングについて説明します。
戦略策定:ポジショニング活用のポイント
ポジショニングとは
ポジショニングとはシンプルにいうと、自社のポジションを市場において見出すことです。このポジションは、自社の経営者や社員の視点で見出しても意味がありません。商品やサービスを使用・消費する顧客の目線で考える、つまり顧客にとってどう見えるかという点が重要です。
そしてこのポジショニングにおいて便利なツールが、ポジショニングマップです。
例えば、あるコンビニがポジショングを考えてみることを想定します。
どんな視点でポジションを迷った末、「商品品質」と「品揃え」で考えてみることにしました。このコンビニは独自の商品を取り揃えており商品品質は高めですが、大手コンビニチェーンと比べると品揃えでは大きく劣っているとします。
そう行った時、競合のA店やB店、C店とどのように比べるかが問題になります。
1つずつ要素を箇条書きにしていっても、かなりの文量になりそうです。
……というときに、ポジショニングマップを使った整理が便利です!
ポジショニングマップの活用
ポジショニングマップを使うと、このようにまとめることができます。
これがポジショニングマップです。
「品質」「商品の品揃え」に関する当社と他社の違いを可視化することができます。
この例で行くと、大手チェーンはB社などが当てはまる中、地元密着型のB社は当社と生存領域が重なっていることが分かってきます。重なっているということは、顧客を奪われている可能性が高いということです。
このような分析ができたならば、あとはB社に対してどのように差別化戦略をしかけるかということになります。非常にシンプルに考えるならば、商品・サービス品質を向上させることでB社と差別化することができます(場合によっては品揃えが多少悪くなっても問題ないという考え方もできます)。
ポジショニングマップで表すと、このようになります。
点線が元の自社のポジション、実線の網掛けが移行するべき当社のポジションです。
現状から品ぞろえを増やすと王手チェーンのB社にポジションが接近し、激しい競争に巻き込まれる恐れがあるため、品ぞろえではなく商品品質向上を図るという戦略を立てることができました。
いかがでしょうか。ポジショニングは競合との違いをカンタンに見える化できるため、分かりやすく強力な経営戦略策定ツールであるといえます。
ポジショニングの軸(グラフ上の軸)としては、「品質」「顧客年齢」「顧客性別」「便益(顧客が求める要素)」「品揃え」「価格」などが代表例として挙げられます。
ここで一番言いたいのは、「学校においてこそこのポジショニングの考え方が重要である」ことです!学校は他校との競争を強く意識しているケースが少なく、していたとしても「競合校」というレベル感での意識に留まるケースが多いです。
どのような軸で考えたとき競合なのか、逆にどのような軸で考えると競合ではないのか、差別化要因はなんなのかといったことを考えるツールとして、ぜひこのポジショニングマップを活用して頂きたいのです。
以上、ポジショニングとその実践としてポジショニングマップの基本的な考え方を説明しました。
次回は、学校のポジショニングによる経営戦略策定について考えます。
[まとめ]
・ポジショニングとはシンプルにいうと、自社のポジションを市場において見出すことである
・ポジショニングマップを活用することで、自社と競合他社とのポジションの違いをカンタンに可視化することができる
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