[サマリー]
・学校や塾も余程の経営資源がない限り、「集中的マーケティング」によるタゲティングを最初に検討すべき
・学校におけるターゲティングは、校種や公立私立によって活用方法が異なり、校内向けのターゲティングと校外向けのターゲティングに大別される




以前当ブログでは、ターゲティングに関する基本的な考え方について説明しました(こちらの記事をご覧ください)。

今回は、学校におけるターゲティングというものを考えてみたいと思います。

戦略策定:ターゲティング活用のポイント

ターゲティングで意識すべきこと

基本的な考え方としては、「集中的マーケティング」で考えるべきだということです。余程規模が大きい学校や、大企業である学習塾などを除き、金銭的資源や人的資源は限られています(逆に、大企業であれば差別的マーケティングで攻めるべきです)。限られた資源を分散投資したようでは、十分な効果は発揮されません。

では、どのように集中的マーケティングをしていくか。もっといえば、ターゲティングのためにどのようにセグメンテーションするかということになります。

この時便利なのが、ピラミッド分類です。

ターゲティングのコツ:ピラミッド構造とは

ここでは、学校や塾・教育業界企業で最も一般的であるといえる学力でセグメンテーションしてみました。このようにピラミッド構造で考えると順番に項目を検討できるので、ヌケやモレのない市場区分がやりやすくなるといえます。


そしてターゲットは仮に「上位層」としました(1つだけ選ぶのが集中的マーケティングのポイントです)。
私の勤務校(高校)もこの偏差値帯でしたが、学習に対する意欲は高いものの、姿勢のムラやブレが大きいタイプも多いですよね。学習塾でこの層をターゲットにするならば、徹底的な学習指導に加えて、モチベーチョンを高める指導が必要となります。モチベーションについては別の機会に詳細に説明します。
このターゲティングの考え方は教育業界の企業でも同様に活用できます。


学校は少し特殊なので、詳しく説明します。

学校におけるターゲティングとは


・公立中学校の場合、学校そのものがターゲットとする顧客(生徒)というよりは、校内の生徒に向けたターゲティングだと考えてください。例えば学習指導や生活指導を行う際、どの層に向けたサービスなのかということを考えるツールとして、上図を活用することができます。


・公立高校の場合、公立中学校と同じ使い方に加えて、学生募集対策に向けたターゲティングとして活用することができます。上の図でいうところの上位層の学校が要支援層に向けた宣伝を行うということは当然考えにくいので、最上位層をターゲットとするか中堅層をターゲットとするかという具合です。


この際、市場規模について考えることも非常に重要です。
地域によっては最上位層が少なく、中堅層が圧倒的に多いような場所もあります。そういった地域では中堅層の市場規模が大きいですが、当然他校も中堅層にあった偏差値帯の学校であることが予想されます。

こういった場合、逆に最上位に向けたターゲティングを他校がやっていないならば、市場規模は小さくても市場利益を独占できるチャンスですので、ターゲットとする価値は大いにあります。


・私立学校の場合、中学も高校も学生募集対策がとても重要となりますので、最初に説明した校内生徒へのターゲティングに加え、学生募集対策に向けたターゲティングもやるべきです。



今回は「学力」でターゲティングを行いましたが、当然他にもターゲティングは無数に存在します。例えば部活動が盛んである学校は、「部活」「学習指導」「就職支援」など生徒が求めるニーズに沿ったセグメンテーション→ターゲティングをするべきです。
セグメンテーションの例についてはこちらの記事で紹介していますので、参考にしていただければと思います。

次回は、「STP」の「P」にあたるポジショニングについて説明します。



[まとめ]
・学校や塾も余程の経営資源がない限り、「集中的マーケティング」によるタゲティングを最初に検討すべき
・学校におけるターゲティングは、校種や公立私立によって活用方法が異なり、校内向けのターゲティングと校外向けのターゲティングに大別される



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