事業を始めたばかりの方、会社を設立したばかりの方、源泉所得税の納付は適正に行っていますでしょうか。従業員を雇っているケースや税理士等に報酬を支払ったケースなど、毎月(又は半年に1度)源泉所得税の納付が必要となります。しかし、納付書の書き方が良く分からないという方も多いのではないでしょうか。


そこで当記事では、源泉所得税の納付書の書き方について、ポイントを解説します。なお、法人設立後に必要となる申請・届出の一覧や、青色申告のメリットについては下記リンクの記事で解説していますので、気になる方はぜひご覧ください。



源泉所得税の納付書(所得税徴収高計算書)の書き方

源泉所得税とは?

最初に確認として、源泉所得税について解説します。

源泉所得税とは、給与などから控除する所得税のことをいいます。例えば、法人が従業員に給与を支払った際、源泉所得税を控除し、残った部分(手取り)をその従業員に支給しますね。そしてこの源泉所得税は、上記の例の場合、給与を支払った月の翌月10日までに税務署等に納付しなければならないこととなっています。

例えば、給与を6月30日に支給したとすると、その給与から控除した源泉所得税は、7月10日までに納付する、という流れです。


このように、源泉所得税はシンプルではあるのですが、毎月の納付が面倒といえば面倒ですね。そこで活用できるのが、「源泉所得税の納期の特例」です。

本題に入る前に、この「納期の特例」についても解説しておきます。

源泉所得税の納期の特例とは?

源泉所得税の納期の特例とは、毎月納付しなければならない源泉所得税について、原則として年2回にまとめて納付できるという特例制度です。

毎月納付していたものが年2回で済むのですから、非常に便利ですね。この年2回の納付についてですが、具体的な時期は次の通りです。

1月から6月までに支払った所得(給与など)から源泉徴収をした所得税等・・・7月10日
7月から12月までに支払った所得(給与など)から源泉徴収をした所得税・・・翌年1月20日



つまり、給与でいえば、1月から6月までに支給した給与から控除した源泉所得税はまとめて7月10日に、7月から12月までに支給した給与から控除した源泉所得税はまとめて1月20日に納付する、という形式です。

このように、原則(毎月納付)と比べてメリットしかないように思われますが、この特例の適用を受けるには要件と手続があります。詳しくは割愛しますので、気になる方は下記リンク記事をご確認ください。




源泉所得税の納付書の書き方のポイント

源泉所得税の納付書には記入しなければならない箇所が複数ありますが、特に迷うことが多い箇所についてポイントを絞り解説します。

(1)「俸給・給料等」の欄
ここに、その期間に支払った給料と、その給料から控除した源泉所得税の金額を記載します。特に「税額」の欄は重要となりますので、書き間違いのないよう注意して下さい。
なお、「支払年月日」の欄は、給料を支払った年月日を記載しますが、上記で説明した納期の特例の適用を受けている場合には、1月1日~6月30日、または7月1日~12月31日の期間を記載することとなります。


(2)「納付の目的」の欄
ここには、対象となる源泉所得税に係る月を記入することとなりますが、税金を納付する月ではないことに注意が必要です。例えば、6月25日に給料を支払い、その給料から控除した源泉所得税を7月10日に納付するというケースでは、「6月」を記載することとなります。(あくまでも、「何月分の源泉所得税か」を記載するということです。)


(3)年末調整による不足税額・超過税額

年末調整の結果、源泉所得税の納付に過不足が生じてしまった場合に、翌月の納付の際にこの欄に過不足の金額を記載することとなります。したがって、1年を通して基本的には空欄となります。




以上、源泉所得税の納付書の書き方のポイントについて解説しました。納付書をよく読めば問題ない箇所も多いですが、上記の通り注意が必要な箇所もあります。
また、上記で説明したとおり、一口に源泉所得税の納付といっても納期の特例の活用なども検討でき、事業を始めたり法人を設立したりした後の手続は税務関係のものだけでも多岐にわたります。この中には、難しい手続や分かりづらい手続も存在します。我々税理士でも、これらの手続等を検討する際は、細心の注意を払って行っています。


この記事を読んだ方の中には、これら手続を行うのが難しかったり、手続をする時間がなかったりといった方も多いのではないかと思います。

もし、顧問税理士をお探しであったり、届出や申請についてご自分でのご判断や手続が難しい、時間がないという方は、我々税理士にお気軽にご相談いただければ幸甚です。顧問税理士として、上記届出・申請を行います。また、毎月の会計記帳や年度末の申告についても税理士が行います。
以下、当事務所にご依頼を頂いた場合の流れなどを説明します。


当事務所(税理士)へのご依頼について

資料のやりとりと記帳代行


当事務所は原則として、レシートや帳簿類を毎月ご送付いただき、それを基に毎月試算表を会社へ送付するという流れで業務を行っています。


したがって、いわゆる決算のみのご依頼というのは原則としてお受けしていません。決算のみのご依頼となると、決算前の会社の状態が分からないため税務相談に乗ることができないだけでなく、毎月処理すべき会計記帳などを1年分まとめて短期間のうちに処理しなければならないからです。ご理解下さい。(ごく小規模の事業者の方については例外もありますので、ご相談下さい。)

また、当事務所は、法人の申告とセットで記帳代行を基本としています。
記帳代行とは、複式簿記による会計帳簿を、会社ではなく当事務所で行うというものです。この記帳代行については、一切引き受けない税理士事務所も存在するなど、税理士が敬遠するケースも多いですが、むしろ当事務所はこの記帳代行を原則としてます。記帳を通して会社の現状を理解することができ、申告や税務相談に良い影響があると考えるからです。

したがって、「自分で会計処理を行っているので、決算だけお願いしたい」というようなご依頼は基本的にお受けしていません。会社の会計処理を当事務所で確認・修正するのに同等以上の手間や時間がかかるためですので、ご理解下さい。なお、従業員が相当数いる会社であったり、経理部がきちんとしている会社など、会社ご自身で会計記帳を行っていただいて何ら問題ないケース(すなわち自計化の方がよいケース)もありますので、ご相談下さい。


ご依頼いただいた場合の毎月の流れ

①月初の資料のご送付

前月1か月分のレシートや、売上台帳などの帳簿、通帳などの資料を当事務所にご送付いただきます。ご送付は、紙媒体の他、電子データのメール送付などでもお受けしています。

②当事務所での記帳処理

①でご送付いただいたデータを基に、当事務所にて会計記帳を行います。

③試算表の送付

②の当事務所での記帳処理が完了し次第、試算表(収益、費用、利益、資産、負債の現況や推移をまとめた表)を会社へ送付します。

④決算と申告

①から③を1年分繰り返したのち、当事務所にて決算処理及び申告を行います。


このように、依頼者の方(会社)とのやりとりを密に1年の作業を進めていきます。

当事務所に法人に関する申告や記帳代行等を依頼するメリット

当事務所に法人に関する申告や記帳代行をご依頼・ご相談される場合、自力でこれらを行う場合と比較して、以下のようなメリット・特徴があります。

専門家たる税理士として検討・申告を行うこと

当方は、税金に関する計算や手続の専門家たる税理士として活動しています。したがって、法人に関する申告や届出等の税務について、丁寧かつ適格に計算や手続の遂行を行うことが可能です。

中小企業診断士として経営の観点を有すること

当方は、経営コンサルタントの国家資格者たる中小企業診断士の資格も活用して業務を行っているので、事業に関する経営面から知見から、相談等に対応することが可能です。

行政書士として各種許認可に関する相談にも乗ることもできること

当方は上記資格に加え、各種許認可申請の専門家たる行政書士としても活動しております。したがって、開業や新規事業に当たって必要となる許認可などの相談にも専門的知見からご相談に乗ることができます。
依頼者の方が抱えられている不安を少しでも解決できればと、その一助になれればと思っております。


大きくこの3点が、当事務所に法人に関する申告や記帳代行等を依頼するメリットだと自負しております。

当事務所へご依頼いただいた場合の料金

当事務所は、法人に関する申告や記帳代行として、次の通り料金を頂いています。

1.基本料金
以下、毎月の記帳代行や決算申告の料金となります。なお、会社規模や取引規模に応じて増額しますので、詳細につてはご相談下さい。
・毎月:2万円~
・決算及び申告:毎月の料金の5か月分

2.その他料金
・法定調書、償却資産税申告:1件あたり1.5万円
・年末調整:1人あたり3000円


なお、給与計算、税務調査立会など、その他業務については実態に応じて金額を検討しますので、ご相談下さい。


法人・個人に関する申告や記帳代行は当事務所にご相談ください


以上、消費税の簡易課税制度や、当事務所にご依頼いただいた場合の流れや料金等について説明いたしました。

当方は、税務の専門家たる税理士の資格を中心として、中小企業診断士や行政書士など各種分野の専門家たる資格を活用して業務を行っております。また、依頼者の方とのコミュニケーションを重視して業務を遂行しています。
一般的に、税理士への法人に関する依頼となると、長い付き合いとなることも多く、初めてのご相談やご依頼には不安も大きいと思われますが、どうぞ安心してご相談・ご依頼頂ければと思っています。


申告や記帳代行など、法人の税務に関するご依頼はぜひ当事務所にお任せ下さい。


業務のご依頼やご相談は、下記お問い合わせフォームからお待ちしております。

お問合せをお待ちしています。

事務所代表プロフィール

氏名:木村 成(きむら じょう)

保有資格:
・税理士
・行政書士(行政手続、法律書類作成の国家資格者)
・中小企業診断士(経営コンサルタントの国家資格者)
・1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)
・気象予報士


業務内容:
首都圏を中心に、中小企業・小規模事業者の方の支援を業務として行っております。税理士としては法人や個人の申告代理、相続関連業務など、行政書士としては告訴状作成、会社設立に係る定款作成認証や営業許認可申請の代理など、中小企業診断士としては経営コンサルティングを中心に活動しております。税理士・行政書士・中小企業診断士の3つの資格を活用して、税務面・法務面・経営面の3つの視点から、依頼者の方の支援を行っております。

誠心誠意、迅速かつ丁寧な対応をモットーに活動しております。
皆様のご相談、ご依頼をお待ちしております。