昨今、食品衛生法の改正や飲食店向けの協力金・給付金などにより、営業許可への関心が高まっています。ここで重要となるのが、「営業許可の期限切れへの対応」です。せっかく協力金をもらおうと思ったのに、期限が切れていてもらえない。食品衛生法の改正に伴い営業許可を更新しようとしたが、期限が切れていて更新できない。このような事態に直面している事業者の方もいらっしゃるかと思います。

当記事では、このような営業許可の失効への対応について、許認可の専門家(国家資格者)である行政書士として解説をしていきたいと思います。
なお、営業許可の種類については以下の記事をご確認ください。

営業許可の期限切れ対応

そもそも営業許可申請とは?

営業許可申請とは、飲食店や喫茶店など、特定の事業を始める際に行わなければならない申請手続きのことです。

「営業許可申請」というと保健所への手続きとなりますが、広い意味では警察署(居酒屋等を始める際)や税務署(お酒の販売を始める際)が必要になるケースもあります。どのような申請が必要になるかはこちらのページでフローチャートで解説しておりますので、ご参考にしてください。
営業許可申請の区分フローチャート


飲食店を営んでいる事業者の方が行う申請は、「飲食店営業許可」という申請に該当します。お店を開業する際、申請をされたことを覚えていらっしゃいますでしょうか。この営業許可申請によって交付される「営業許可証」には更新期限があるため、うっかりすると更新を忘れてしまい、営業許可を失効させることとなってしまうのです。

ちなみに、営業許可には以下のような種類があります。(令和3年1月時点での種類)

東京都の法許可業種と条例許可業種


非常に数が多いので、そんなものなんだな、程度に思って頂ければ問題ありません。ちなみに、特に重要(申請数が多い)となるのは、最上段にある飲食店営業です。したがいまして、ここからは飲食店の営業許可の期限切れを念頭に、解説していきます。

営業許可の期限

飲食店営業許可の期限は、5~6年程度のケースがほとんどです。

なぜ「ケースが」という言い方をしているかというと、飲食店営業許可の期限は自治体(都道府県や市町村)によって異なるからです。ちなみに、営業許可の種類によっても異なります。

飲食店営業許可の更新期限でよくあるケースとしては、新規5年、更新6年というものです。つまり、
・最初の営業許可更新は5年後に行う
・2回目以降の更新は6年後に行う

という形式です。

しかし、先ほど説明したように自治体によって年数は様々ですので、営業許可証の下部分に書かれている更新期限を確認するのが、最も確実な方法だといえます。

そして問題は、更新を忘れてしまった時(期限が切れてしまった時)の対応についてです。この記事を読まれている方は、更新を忘れてしまったため迷われていることかと存じます。

ここで、最も多く質問を受けるのが、「遡って更新することはできるのか」というものです。もし遡って更新をすることができれば、営業許可証が失効していた期間の給付金や補助金を受け取ることができるということになります。これについて、詳しく解説していきます。

営業許可の期限が切れてしまった場合

結論からいうと、営業許可の期限が切れてしまった場合、「遡って更新する」ということはできません。営業許可の期限が切れてしまえば、その営業許可は効力を失うため、「更新」という概念がなくなってしまうからです。

つまり、営業許可の期限が切れてしまった場合には、「新たに取り直す」つまり新しく営業許可申請を行う以外に道はないのです。

そしてもう一つ重要なのは、期限切れに関する罰則についてです。この罰則について、解説していきます。

営業許可の期限切れの罰則

厳密にいうと、期限切れになったから必ず罰則が生じるというわけではありません。期限がきれても、その後飲食店などを営業していなかったのであれば、当然罰則は科されません。問題となるのは、期限切れになった後も今まで通り営業を続けてしまっていた場合です。

このような場合、つまり営業許可証の更新を忘れてしまった場合には、無許可営業ということになってしまいます。

大変ショッキングな表現となりますが、営業許可の更新を忘れて営業をしてしまうと、そのお店は無許可営業ということになります。無許可営業の罰則は厳しく、食品衛生法違反による2年以下の懲役または200万円以下の罰金の可能性があります。(罰則については、詳しくはこちらのサイトをご確認ください

ここで、更新を忘れてしまった場合に取るべき手段は2つ考えられます。

(1)更新忘れをそのままにし、バレないように営業を続ける
(2)ただちに営業許可の申請をする


「どうせ給付金や協力金ももらえないし」「バレないし」ほっとけばいいや、と考える方、絶対におすすめしません。保健所の職員は覆面で無許可営業の取り締まりもやっていますし、こちらから何もアクションを起こさずに無許可営業がバレた場合、大変なこととなります。そしてお金の面についても、給付金・協力金は今後また新たなものが支給される可能性が非常に高く、今回のものはタイミング上受け取れなくても、次回を受け取るためになるべく早急に営業許可証を手に入れるべきです。

期限切れの場合は専門家へ相談を

上記で解説した通り、現在更新忘れにより無許可営業になってしまっていても、とにかく早く保健所へ新規申請の手続をすべきだといえます。もちろん、罰金等の罰則が適用される可能性はありますが、早期に手続を行うことで、その重さを少なくすることができるでしょう。


なお、私たち行政書士に営業許可申請の代理のご依頼を頂ければ、このような保健所への連絡など、全ての手続を代理して行います。事業者の方が自ら保健所へ現状を伝えるより、専門家がその経緯などを合わせて伝えつつ手続を行うことにより、リスクを最小限に抑えることができる可能性があります。



営業許可の期限切れは行政書士にお任せ下さい

以上、営業許可証の更新期限や期限切れへの対応について説明しました。営業許可の期限切れへの対応は、罰則の重さを考えると非常に繊細な手続きとなります。場合によっては、事業者の方の事業の継続に関わってきてしまいます。

飲食店などの営業許可の期限切れでお悩みの方は、当事務所にぜひご相談ください。

当事務所は「飲食店の営業許可申請」と「店舗経営」を専門として業務を行っております。特に飲食店などをはじめとして、営業許可の申請手続や期限切れへの対応手続には高い専門性を有すると自負しております。

例えば、営業許可申請における当事務所の特徴は以下の通りです。

レストラン(飲食店)の営業許可申請の特徴

このように、専門的知見と経験を活かし、丁寧かつ迅速な営業許可申請代行に当たっております。
当然ながら、営業許可が失効している(期限が切れている)場合には、現状を踏まえた上で、丁寧かつ迅速に新たな営業許可の取得を行います。


飲食店の廃業率が非常に高い日本の現状を変えるべく、その一助となるためにこのような専門性を磨き、日々業務に当たっております。飲食店や接待店などの営業許可申請の代行は、ぜひ当事務所にお任せ下さい。
ご相談・ご依頼は、以下のお問い合わせフォームからお待ちしております。

お問い合わせをお待ちしております。


事務所代表プロフィール

氏名:木村 成(きむら じょう)

保有資格:
・税理士 ・行政書士(行政手続、法律書類作成の国家資格者)
・中小企業診断士(経営コンサルタントの国家資格者)
・日商簿記1級
・認定経営コンサルタント
・1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)

業務内容:
首都圏を中心に、中小企業・小規模事業者の方の支援を業務として行う。行政書士としては、営業許認可取得の代理や会社設立の代理を中心に活動。経営コンサルタントとしては、販路開拓や補助金申請、創業融資支援などを中心に活動。行政書士・中小企業診断士の2つの資格を活用して、法務面と経営面の2つの視点から、依頼者の方の事業拡大を業務として行っている。