営業許可の種類

事業を始めるに当たって、営業許可を取らなければならないケースがあります。例えば、レストランを始める場合には、基本的に飲食店営業の許可を取得する流れとなります。このように、飲食や食品に関わる事業を行う場合に営業許可を取ることとなりますが、その種類は非常に多く、複雑です。

今回は、これから飲食や食品に関わる事業を始めるという方へ向け、営業許可の種類を解説したいと思います。(東京都を例にしていますが、他の道府県で共通する部分も非常に多いため、参考にしてください)
また、この記事は令和3年5月以前の営業許可を中心として解説しています。令和3年6月以降の営業許可と共通する部分も多いですが、最新のものが知りたい場合は以下のリンク記事をご確認ください。




また、営業許可証の更新・期限切れについてや、申請代行については、以下のリンク記事を頂ければと思います。


営業許可の種類について

営業許可の分類

営業許可には、いくつかの分類があります。具体的には、「法的側面からの分類」と「業種の分類」です。

法的側面からの分類とは、営業許可が「法許可業種」なのか「条例許可業種」なのかという観点からの分類です。
条例許可業種は自治体によって異なってくるため、申請の際に注意が必要だといえます。法許可業種は全国一律に決定されています。

次に、業種面からの分類とは、「調理業」「製造業」「処理業」「販売業」のような営業の業種によった分類です。
「営業」というとプロモーションや広告などを思い浮かべる方も多いかと思いますが、営業とは事業のことです。営業許可も事業を始める上での許可という意味ですので、ご留意ください。


それでは、営業許可の分類を意識しつつ、その種類を確認してみたいと思います。

営業許可の種類

営業許可の種類は、以下のようになっています。

東京都の法許可業種と条例許可業種

営業許可の種類はこのようになっています。非常に種類が多いですね。それぞれの違いも難しい部分がありますので、業種の分類ごとに確認していきます。

調理業

【法許可業種】
・飲食店営業:一般食堂、料理店、すし屋、そば屋、旅館、仕出し屋、弁当屋、レストラン、カフェー、バー、キャバレーその他食品を調理し、又は設備を設けて客に飲食させる営業のこと
・喫茶店営業:喫茶店、サロンその他設備を設けて酒類以外の飲物又は茶菓を客に飲食させる営業のこと

製造業

【法許可業種】
・菓子製造業
・あん類製造業
・アイスクリーム類製造業
:アイスクリーム、アイスシャーベット、アイスキャンデー、その他液体食品又はこれに他の食品を混和したものを凍結させた食品を製造する営業のこと
・乳製品製造業
:粉乳、練乳、発酵乳、クリーム、バター、チーズ、その他乳を主原料とする食品(牛乳に類似する外観を有する乳飲料を除く。)を製造する営業のこと
・食肉製品製造業
:ハム、ソーセージ、ベーコン、その他これらに類するものを製造する営業のこと
・魚肉ねり製品製造業
:魚肉ねり製品を製造する営業のこと。(魚肉ハム、魚肉ソーセージ、鯨肉ベーコンその他これらに類するものを製造する営業を含む。)
・清涼飲料水製造業
・乳酸菌飲料製造業
・氷雪製造業
・食用油脂製造業
・マーガリン又はショートニング製造業
・みそ製造業
・醤油製造業
・ソース類製造業
:ウスターソース、果実ソース、果実ピューレー、ケチャップ又はマヨネーズを製造する営業のこと
・酒類製造業
・豆腐製造業
・納豆製造業
・めん類製造業
:めん類を製造する営業のこと
・そうざい製造業
:通常副食物として供される煮物(つくだ煮を含む。)、焼物(いため物を含む。)、揚物、蒸し物、酢の物又はあえ物を製造する営業をいい、食肉製品製造業、魚肉ねり製品製造業又は豆腐製造業を除く
・かん詰又はびん詰食品製造業:かん詰又はびん詰食品を製造する営業のこと。ただし、他の法許可業種(添加物製造業を除く。)の営業に該当するものを除く
・添加物製造業
:食品衛生法第11条第1項の規定により規格が定められた添加物を製造する営業のこと

【条例許可業種】
・つけ物製造業:塩漬け及びぬか漬け以外の漬物を製造する営業のこと。(塩漬け及びぬか漬けの製造は報告対象営業となります)
・製菓材料等製造業
:生種、いり種、コーンカップ、アンゼリカ、フォンダント、フラワーペースト、その他の製菓材料並びにジャム及びマーマレード類を製造する営業のこと
・粉末食品製造業
:粉末ジュース、インスタントコーヒー、みそ汁のもと、ふりかけ類、ドーナツのもと、その他の粉末食品を製造する営業のこと
・そう菜半製品等製造業
:ギョウザ、コロッケ、ハンバーグその他のそう菜の半製品、こんにゃく、ちくわぶその他のそう菜材料及びしそ巻、たいみそその他のそう菜類似食品を製造する営業のこと
・調味料等製造業
:チャーハンのもと、だしのもと、カレールーその他の調味料及び七味唐辛子、カレー粉、さんしょう粉その他の香辛料を製造する営業のこと
・魚介類加工業
・液卵製造業
:鶏の液卵(鶏の殻付き卵から卵殻を取り除いたものをいう。)を製造する営業のこと

処理業

【法許可業種】
・乳処理業:牛乳(脱脂乳その他牛乳に類似する外観を有する乳飲料を含む。)又は山羊乳を処理し、又は製造する営業のこと
・特別牛乳さく取処理業
:牛乳を搾取し、殺菌しないか、又は低温殺菌の方法によって、これを厚生労働省令で定める成分規格を有する牛乳に処理する営業のこと
・集乳業
:生牛乳又は生山羊乳を集荷し、これを保存する営業のこと
・食肉処理業
:食用に供する目的で食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律(平成2年法律第70号)第2条第1号に規定する食鳥以外の鳥若しくはと畜場法(昭和28年法律第114号)第3条第1項に規定する獣畜以外の獣畜をとさつし、若しくは解体し、又は解体された鳥獣の肉、内臓等を分割し、若しくは細切する営業のこと
・食品の冷凍又は冷蔵業
・食品の放射線照射業

販売業

【法許可業種】
・乳類販売業:直接飲用に供される牛乳、山羊乳若しくは乳飲料(保存性のある容器に入れ、摂氏百十五度以上で十五分間以上加熱殺菌したものを除く。)又は乳を主要原料とするクリームを販売する営業のこと
・食肉販売業
・魚介類販売業
:店舗を設け、鮮魚介類を販売する営業のこと(魚介類を生きているまま販売する営業及び魚介類せり売営業に該当する営業を除きます)
・魚介類せり売営業
:鮮魚介類を魚介類市場においてせりの方法で販売する営業のこと
・氷雪販売業

【条例許可業種】
・食料品等販売業:弁当類、そう菜類、乳製品、食肉製品、魚介類加工品その他の調理加工を要しないで直接摂食できる食品を販売する営業のこと



このような分類になっています。営業許可申請をする上では、このような区分を理解することが重要です。

しかし、実際にはこのような区分以外にも、申請において注意しなければならないことが多々あります。続いて、申請の注意点について解説したいと思います。



飲食店営業許可申請の注意点

施設・設備基準

飲食店営業で最も注意すべきは、施設・設備の要件です。

施設・設備の要件には2種類あり、全ての営業に対して適用される「共通基準」と、該当する業種に対して適用される「特定基準」があります。この施設・設備の基準が複雑であることが、飲食店営業許可の申請のハードルを上げている要因とも言えます。

それぞれの基準について、一部を示すと以下のようになります。(東京都の場合)


【共通基準】
・場所:清潔な場所を選ぶ
・建物:鉄骨、鉄筋コンクリート、木造造りなど十分な耐久性を有する構造
・区画:使用目的に応じて、壁、板などにより区画する
・面積:取扱量に応じた広さ
・床:タイル、コンクリートなどの耐水性材料で排水がよく、清掃しやすい構造
・内壁:床から1メートルまで耐水性で清掃しやすい構
・天井:清掃しやすい構造
・明るさ:50ルクス以上
・換気:ばい煙、蒸気等の排除設備(換気扇等)
・周囲の構造:周囲の地面は、耐水性材料で舗装し、排水がよく、清掃しやすい
・ねずみ族、昆虫等の防除:ねずみや昆虫などの防除設備
・洗浄設備:原材料、食品や器具等を洗うための流水式洗浄設備、従業者専用の流水受槽式手洗い設備と手指の消毒装
・更衣室:清潔な更衣室又は更衣箱を作業場外に設ける
(上記は営業施設の構造に関するものです。他に、【食品取扱設備】【給水及び汚物処理】などの共通基準が設けられています)

【特定基準】(一般的な飲食店の場合。態様に合わせて別途基準あり)
・冷蔵設備:食品を保存するために、十分な大きさを有する冷蔵設備を 設けること。
・洗浄設備:洗浄槽は、2槽以上とすること。ただし、自動洗浄設備の ある場合は、この限りでない。
・給湯設備:洗浄及び消毒のための給湯設備を設けること。
・客席:客室及び客席には、換気設備を設けること。客室及び客席の明るさは、10ルクス以上とすること。また、食品の調理のみを行い、客に飲食させない営業については、客室及び客席を必要としない。なお、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律又は旅館業法の適用を受ける営業を除く。
・客用便所 :客の使用する便所があること。ただし、客に飲食させない営業については、客用便所を必要としない。なお、客の使用する便所は、調理場に影響のない位置及び構造とし、使用に便利なもので、ねずみ族、昆虫等の侵入を防止する設備を設けること。また、専用の流水受槽式手洗い設備があること


以上が、東京都で飲食店の営業を行う場合の施設・設備基準の一部となります。営業の形態によって「菓子製造業」や「乳類販売業」といった申請も行う場合、これに加えてそれぞれの特定基準に合った施設・設備が求められることになります。

ここに記載したものはざっと一部のみですが、飲食店の営業に求められる要件は複雑となっています。
お店を開こうと思った段階で、これらの要件を確認しておく必要があります。もし、お店を作ってからこのような基準に合致していないことが判明しますと、内装や設備の作り直しが必要となることにもなりかねません。そうなれば、追加経費発生や営業開始時期の遅れは避けることができません。


早めの段階から専門家による調査やアドバイスを受けることで、正確かつスムーズに営業を開始することができます。

飲食店経営の視点

飲食店の経営において特に重要となるのは、①立地戦略、②客席回転率、③FLR比率 この3点です。

①立地戦略

飲食店の来店顧客数は立地に大きく依存します。顧客流入の起点となる場所(駅や商業施設など)の上流に競合店が開業すると、対策をしなければ売上は大きく落ち込むケースがほとんどです。そして、こういった立地は、開業を決めた段階でほぼ決定します。大型店が撤退することなどはほとんどないため、一度お店を構えてしまえば、立地の構図が変わることはまずないのです。

したがって、自店の商圏(顧客が来店する地理的範囲)を踏まえた立地戦略立案が重要となります。

②客席回転率

客席回転率とは、お客さんがどれだけ出入りするかという指標の事です。例えば、時間当たり回転率でしたら、
「時間当たり客席回転率=1時間あたりの来店客数÷客席数」
となります。もし、20席のお店に1時間当たり10人のお客さんが来店すれば、10÷20=0.5となり、客席回転率は0.5回転となります。

飲食店にとって、この客席回転率は非常に重要です。

イメージして下さい。例えば、豆にこだわった高級なコーヒーを提供するカフェであればお客さんはゆったりと長居するでしょうし、安いコーヒーを提供するカフェであれば、お客さんは飲み終われば退店するはずです。これならいいのですが、「価格帯は安いのに客席回転率が低い(お客さんが長居する)」ということになってしまうと、お店の収益性は一気に悪化することとなります。

逆に言えば、料理の単価を決める(=必要売上高を決定する)ことにより、客席回転率の目標値を求めることができますので、これに合わせたイスやテーブル設計などを行うことも必要となってきます。

③FLR比率

飲食店の財務(お金)面での特徴として有名なものに、「FLRコスト」があります。
FLRコストとは、「food(材料費)」「labor(人件費)」「rent(家賃)」の頭文字を取ったもので、飲食業にかかる3大コストのことを表します。


飲食店を経営するに当たっては、このコストの「率」を管理することが重要となります。(「額」は、お店の規模によって異なって当たり前のため、あまり重要ではありません)

このFLRコストの売上高に対する比率を、FLR比率と言います。計算式は、
(材料費+人件費+家賃)÷売上高×100
です。そしてこの比率が70%を超えると、廃業せざるを得ないような危機的状況だといえます。具体的には、Fコスト(材料費)が35%以内、Lコスト(人件費)が20%以内、Rコスト(家賃)が15%以内でないと、厳しいといった状況です。特に居酒屋やカフェなどの場合、「Fコスト」をいかに削っていくかというのがポイントとなってきます。

なお、材料費は料理品質やロス率、人件費は業務効率性、家賃は立地で決まるものですので、FLR比率が高いようでしたらこれらを改善する必要があると言えます。


営業許可申請代行は行政書士にお任せ下さい

以上、営業許可申請の種類ついて説明しました。率直な所、非常に細かく難しいという印象かと思います。また、実際にお店を始める場合には、そもそも取得すべきが営業許可なのか深夜酒類提供飲食店営業なのかなど、営業許可の種類以外にも悩むことは山ほどあります。

営業許可申請は、お店のスタートを切る大切な申請です。申請書の作成自体は問題なく進んでも、他の準備書類や店舗設備の要件などでお困りの方もいらっしゃることかと思います。


飲食店や販売業など、営業許可申請でお悩みの方は、当事務所にぜひご相談ください。


当事務所は、営業許可申請に関するご相談から実際の営業許可取得まで、依頼者の方の代理人して全ての業務にあたります。依頼者の方は最小限の労力でお店をスタートさせることができます。
また、当事務所は「飲食店等の営業許可申請」と「店舗経営」を専門として業務を行っておりますので、飲食店等の経営支援には大きな自信があります。

営業許可申請における当事務所の特徴は以下の通りです。

レストラン(飲食店)の営業許可申請の特徴


このように、専門的知見と経験を活かし、丁寧かつ迅速な営業許可申請代行に当たっております。

飲食店の廃業率が非常に高い日本の現状を変えるべく、その一助となるためにこのような専門性を磨き、日々業務に当たっております。飲食店や販売業、接待店などの営業許可申請の代行は、ぜひ当事務所にお任せ下さい。

ご相談・ご依頼は、以下のお問い合わせフォームからお待ちしております。

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お問い合わせをお待ちしております。


事務所代表プロフィール

名前:木村 成(きむら じょう)

保有資格:
・行政書士(行政手続、法律書類作成の国家資格者)
・中小企業診断士(経営コンサルタントの国家資格者)
・日商簿記1級
・認定経営コンサルタント
・ファイナンシャルプランニング技能士2級

業務内容:
首都圏を中心に、中小企業・小規模事業者の方の支援を業務として行う。行政書士としては、営業許認可取得の代理や会社設立の代理を中心に活動。経営コンサルタントとしては、販路開拓や補助金申請、創業融資支援などを中心に活動。行政書士・中小企業診断士の2つの資格を活用して、法務面と経営面の2つの視点から、依頼者の方の事業拡大を業務として行っている。

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