これから開業される方、または開業して間もない方にとって、資金力というのは非常に重要です。少しでもお金の負担を軽減し、開業資金や事業拡大資金に回したいところですよね。

そういった方の強い味方が「補助金」です。しかし、補助金は採択率が低いものや、もらえる金額が少ないものなど、手間やリスクが割に合わないというものも多々あることが知られています。

そこで当記事では、「2020年1月以降に開業した方」または「これから開業される方」のみに対象に絞り、オススメの補助金を解説したいと思います。


なお、「補助金申請代行を依頼するメリット」については、以下のリンク記事をご確認ください。

新規開業にオススメの補助金

補助金とは?

補助金とは、国などが事業者に対して、原則として返済不要の資金を支給してくれる制度です。


「原則返済不要」という部分が補助金の大きな特徴となります。つまり、貸してもらえるのではなく、もらえるということです。この点が、銀行借入などの融資と大きく異なるところです。

代表的な補助金としては記事冒頭で挙げたように、「小規模事業者持続化補助金
」「ものづくり補助金」「IT導入補助金」「事業承継補助金」 などがあります。それぞれ、もらえる金額や採択率(もらえる確率)が異なるため、どの補助金を選べばいいか難しい所ですよね。

新規開業にオススメの補助金

先程あげたように、補助金にはたくさんの種類があります。実際に補助金申請をしたいと思っても、これから開業する・最近開業された皆さんにとってどの補助金が最適化は判断しきれない部分も大きいかと思います。

そこで、ズバリ、言い切りたいと思います。「2020年1月以降に開業した方」「これから開業される方」にとって、今、最適な補助金は、「小規模事業者持続化補助金」この一択となります。

小規模事業者持続化補助金とは?

小規模事業者持続化補助金とは、「小規模事業者が自らの経営を見つめ直し、事業の持続的な発展に向けて経営計画を作成して販路開拓等に取り組む際の経費の一部を補助する」という商工会議所の取り組み・制度です。

定義は少し長いので気にしないでも大丈夫です。要は、補助金という名前の通り採択されることによって経費の一部を補助してもらうことができます。

支給額

どれくらいの金額を補助してもらえるかというと、原則的には以下のようになっています。

・補助上限:50万円
・補助率:2/3以内

このような形です。ここで、「50万円ってちょっと少ないような…」と思った方、おっしゃる通りかもしれません。しかし、この補助金ですが、「2020年1月以降に開業した方」「これから開業される方」は補助上限が100万円に倍増するというオプションがあるのです。これが、この補助金をオススメする大きな理由となります。


一方、補助上限とは別に書いてある「補助率」という言葉にピンとこない方もいらっしゃるかもしれません。そこで、具体例で説明したいと思います。

例えば、小規模事業者持続化補助金の申請に際して、30万円の経費が生じるというような計画内容にしたとしましょう。すると、実際に30万円の経費が発生したとして、もらえる補助金は20万円となります。補助率とは、発生した経費の何割を補助するかという割合のことなのです。

つまり、この小規模事業者持続化補助金は、
「150万円の経費支出を計画した場合に100万円補助金を受け取れる」
というものなのです。もちろん、これより小さい経費金額でも補助金が受け取れますが、上記が最大のケースとなります。最大100万円受け取れるというのは大変魅力的ですよね。

対象となる経費

次に重要となるのが、対象となる経費です。

結論から言うと、小規模事業者持続化補助金の対象となる経費は非常に広いです。ほとんどの経費が対象となるといっても過言ではないほどです。

対象経費の定義としては、

①販路開拓等のための取組
②業務効率化(生産性向上)のための取組


これらに伴って発生する経費となります。この販路開拓や業務効率化というと非常に幅が広いため、結果的に多くの経費が対象となるのです。

例えば、
・新商品を陳列するための棚の購入費(販路開拓関係)
・新たな販促用チラシの作成費(販路開拓関係)
・店舗改装費(販路開拓関係)
・業務改善の専門家からの指導費(業務効率化関係)
・POSレジ導入費(業務効率化関係)

など、様々な経費が対象となります。小規模事業者持続化補助金の最大の特徴が、この対象経費の広さだといえます。

採択率

ここまで、「支給額」「対象経費」について解説しました。そして、これらと並んで重要となるのが「採択率」です。

採択率とは、「補助金申請したとして、どれくらいの確率で申請が通るか」という確率です。


例えば、採択率50%の場合、せっかく手間をかけて申請書を作成し申請したのに、補助金がもらえなかった…という事態が50%の確率で起こることになります。そして、補助金の中には採択率が30%のものなど50%を切るようなものがザラにあるのです。

つまり、採択率は高いに越したことがないといえます。小規模事業者持続化補助金は、採択率が他の補助金に比べて非常に高く、毎回変動はあるものの60~80%程度となることが通例です。


以上より、小規模事業者持続化補助金をオススメする理由は、
・支給額が100万円と高いこと
・対象となる経費が非常に広いこと
・採択率が高いこと

この3つとなります。いかがでしょうか。ぜひ、「2020年1月以降に開業した方」「これから開業される方」は、この小規模事業者持続化補助金の申請を検討して頂ければと思います。


ここまで、小規模事業者持続化補助金の概要について説明しました。ここまで記事を読まれた方の中には、ぜひ小規模事業者持続化補助金の採択を受けたいという方もいらっしゃるかと思います。採択を受けるには、申請書を作成し提出する必要があります。

ここからは、申請書の書式について解説したいと思います。

小規模事業者持続化補助金の申請書の書き方

申請書の書き方については、補助金事務局が公開している見本を中心に解説していきたいと思います。

企業概要

企業概要には、自社・自事業の沿革、提供する商品やサービス、顧客などについて記載します。大切なポイントは、「自分の会社・事業のことを知らない人に分かってもらうために書いている」ということを意識することです。

記載例は、以下の通りです。(例というだけあって、かなりシンプルな例になっています)

当社株式会社△△は、地域の人口減少などの環境の変化もあり 2016年から喫茶部門を立ち上げ、地域内外のお客様へのサービスを開始した。2018年には、地元の老舗ホテル内にカフェを出店し、全国から観光目的で来訪されたお客様にもご利用いただいている。

営業時間 11:3 0~19:00  週6日営業 木曜 休業
役員 1名、正社員3名、パート4名

平日ランチは上記のメニューが人気。午後2時からはデザートと紅茶のセットが女性客に人気。

(小規模事業者持続化補助金HPより)


顧客ニーズと市場の動向

顧客ニーズと市場の動向には、来店するお客さんの嗜好や購買の特徴、近隣地域(商圏)の需要などを記載します。

記載例は、以下の通りです。(こちらもだいぶシンプルな例になっています。)

景色の良い、ゆったりとした環境にある山小屋風の店舗が女性客に人気。平日のランチは平均1000円程度。午後は3時前後をピークに紅茶とケーキのセットが主力となるが、価格帯は700円前後となる。全国的なカフェブームのためか若い女性客が多い。インスタグラムを中心としたSNSへの投稿も盛んに行われていることから、今後もカフェ人気は継続するものと思われる。
カフェの店舗が自然の中にあるため、冬場は日が早くなり客足も減少する。新型コロナウイルスの影響から人込みを避ける人々が増えることが予想されるため、人里離れた自然の中にあるカフェの存在意義は高まるものと思われる。

(小規模事業者持続化補助金HPより)


自社や自社の提供する商品・サービスの強み

自社や自社の提供する商品・サービスの強みには、文字通り強みを記載していきます。

補助金事務局に記載されている例は以下の通りですが、「強み」とは異なる表現になっているように感じます…笑 実際には、「サービス力」「商品力」「価格」「人材」「専門性」「設備」などについて、他社と比べてどのような点で優位なのかについて記載していくのが王道です。

当店は、高速道路のインターチェンジから車で5分程度の立地にあり、他県から車で訪れる客も増加している。また、県内の農家と専売契約を結んでおり、地元の野菜を使ったメニューが地域紙にも取り上げられ、ローカル放送で紹介されたことから、客足も増えていた。

(小規模事業者持続化補助金HPより)


経営方針・目標と今後のプラン

今後の目標やプランには、現段階で考えている今後の経営展開について記載します。

補助金事務局が公表している記載例は以下の通りですが、具体的な数字を用いて書く(売上高、来店客数、従業員数、商品数など)とより説得力のあるものとなります。

新型コロナウイルスの影響から、来客が減少し売り上げにも大きく影響が出ている。今後は、下記の項目に力を入れ、立て直しを図ることとしたい。

① 新型コロナウイルスの影響で近くの山でのピクニック・キャンプ客が増えている。そうした客に向けたオリジナルテイクアウト用のメニューを開発する。メニューが完成したら○月中にはホームページにもメニューを掲載し、PRする。
② 店舗外 の空いたスペースにもカフェ席を設置し、広々とした環境で風通しも良く景色も楽しめる屋外カフェとして客を呼び込みたい。涼しくなり、外で食事が楽しめる 10 月までには店舗外設備を整える。また、立地を生かした絶景カフェとしてホームぺージ等でPR し、県外客にもアピールして地域外の客を呼び込む。

(小規模事業者持続化補助金HPより)


補助事業で行う事業名

補助事業で行う事業名には、補助金をもらって行う事業のタイトルを書きます。

記載例は以下の通りです。

ピクニック用テイクアウトメニュー の開発および販路開拓

(小規模事業者持続化補助金HPより)


販路開拓等の取組内容

販路開拓等の取組内容には、補助金を使ってどのような販路開拓の取組をするのかについて、具体的に記載します。

販路開拓の取り組みとは、「顧客数を増やす取り組み」=「売上向上の取り組み」だと思っていただけると分かりやすいかと思います。
記載例は以下の通りです。

ピクニック用のテイクアウトメニューの開発。屋外で食べることを前提として、ピクニック・キャンプに向けたメニューを開発。近くの山にキャンプ・ピクニックへ向かう客に購入いただくことを想定。他県からの客が多くなることが見込まれるため、基本的にはホームページにメニューを掲載しPRする他、キャンプ場にチラシを置いてもらい、キャンプ客への認知度を上げる。

屋外カフェ席を新たに設置し、室内のカフェ利用をためらう客を呼び込む。来店客に口コミでPRする他、席の設置が完了したら景色とあわせてSNSにも投稿して女性客にPRする。

(小規模事業者持続化補助金HPより)


業務効率化の取組内容

業務効率化の取り組み内容には、補助金を使うことによってどのように業務が効率化されるのかについて記載します。

ですが、この項目は任意記載項目であるため、取組が特になければ記載する必要はありません(記載しないからといって、減点対象にもなりません)。実際に、記載例も空欄となっています。


補助事業の効果

補助事業の効果については、補助金を使うことによってどんな効果が生じるのかについて記載します。

ここで意識するのは、「必ず数字を使用すること」です。そもそも効果というのは将来のことですので、どのようにして内容に説得力を持たせるかが重要となります。そこで、数字を使うことによって信頼性を高めるのです。具体的には、「売上高」「来店客数」などについて、「〇か月後に〇増加」のように計画を記載する形がよいでしょう。

事務局が公開している記載例は以下の通りです。(個人的には、少し数値の記載が薄いように感じます。)

山に向かう客に向けたテイクアウトメニューを PR し、 SNS 等での口コミによる影響を含め、テイクアウト用メニューで1 か月15万円程度の売上増加を図る。テイクアウト事業の実施にあたっては、テイクアウト用にサイズを変えた調理器具の導入や、パッケージの開発にかかる費用で40万円程度の初期投資(補助対象経費含む)が発生する。

また、屋外のカフェ席を設置することで、店内スペースも広く使用することができ、十分な感染対策を行った上で客を呼ぶことができる。屋外用の座席・テーブル等の設備で 20 万円程度かかる見込みであるが 、テイクアウトメニューの売上も増えることから 1 年程度で回収できるものと見込んでいる。

(小規模事業者持続化補助金HPより)


申請のポイント

以上、申請書の書き方について解説しました。申請書作成のポイントは、以下の3点です。

(1)初めて読む人のことを意識して書くこと(専門用語などを避ける)
(2)話の流れを意識すること(前段で生じている問題を書き、後半で解決策のための経費支出を書く)
(3)上記1・2により、クオリティの高い申請書を目指す


以上となります。何より、記事冒頭でも説明した通り、補助金には採択率というものがあるため、申請が全て通るというものではありません。クオリティの高い申請書から順番に採択されます。つまり、しっかりと申請書を書き上げることが必要不可欠なのです。(読んでいて感じられたと思いますが、事務局が公開している例のようなシンプルすぎる申請書では、不採択になる可能性が非常に高いです。)


いかがでしたでしょうか。重ねてとなりますが、小規模事業者持続化補助金の採択のポイントは、様式2の「計画の内容」これにつきます。これ以外の部分は決まったことを書いていくだけですが、計画の内容については考えて書かなければなりません。つまり、他の申請者と大きく差が付く部分なのです。

申請の際は、余裕を持って早めに申請書作成にとりかかりましょう。また、申請書を作成するに当たって、
・自分で作成するのは少し難しそうである
・本業が忙しく、作成の時間がとれない
・高品質な申請書で、なるべく確実に補助金がもらいたい

などに当てはまる方は、ぜひ当事務所へご相談頂ければと思います。

補助金申請の代行は当事務所にお任せ下さい

ここまで、小規模事業者持続化補助金の申請書の書き方などについて解説しました。実際の申請では、なにが対象経費となるのか、当店の場合どうなのかなど、悩むポイントがたくさんあります。何より、市場分析や補助金活用による効果試算など、一定以上の品質の申請書を作成しなければ補助金が採択されることはありません。そこで、補助金申請の代行依頼を考えていらっしゃる方も多いと思います。補助金を申請するにあたり、自力で作成するか専門家へ依頼するかは大きな選択の1つです。じっくりと検討された上で、方向を決めて頂ければと思います。


また、もし専門家へ依頼される際は、ぜひ当事務所にお任せ頂ければと思います。当事務所は、
着手金ゼロ、完全成功報酬20%(他手数料は一切なし)
で申請書作成代行を行っております。成功報酬のため、もし補助金が採択されなかった場合には、代金を一切頂きませんので、安心してご依頼いただけます。


企業経営の専門家である中小企業診断士としての経営コンサルティング経験を活用し、今までも小規模事業者持続化補助金に限らず様々な補助金の申請書作成を行ってまいりました。「採択される申請書を書く」という点には大きな自信を持っております。また、補助金申請書作成だけでなく事業に対する経営面全般のご相談に乗れるため、依頼者の方のニーズに幅広く対応することが可能です。


また当事務所最大の特徴は、行政書士資格も保有しているため、法律書類作成の専門家でもあるということです。


どうぞお気軽に御相談ご相談ください。
補助金の申請代行ついてのご相談・ご依頼は以下のお問い合わせフォームからお願い致します。

お問い合わせをお待ちしております。


事務所代表プロフィール

代表氏名:木村 成(きむら じょう)

保有資格:
・中小企業診断士(経営コンサルタントの国家資格者)
・税理士 ・行政書士(行政手続、法律書類作成の国家資格者)
・日商簿記1級
・認定経営コンサルタント
・1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)

業務内容:
首都圏を中心に、中小企業・小規模事業者の方の支援を業務として行っております。経営コンサルタントとしては、販路開拓や補助金申請、創業融資支援などを中心に活動。行政書士としては、会社設立の代理や営業許認可取得の代理を中心に活動しております。中小企業診断士・行政書士の2つの資格を活用して、経営面と法務面の2つの視点から、依頼者の方の事業拡大を業務として行っております。

誠心誠意、迅速かつ丁寧な対応をモットーに活動しております。
開業・起業を考えていらっしゃる皆様のご相談、ご依頼をお待ちしております。