[サマリー]
・ドミナント戦略とは、ターゲットとする地域を絞り、その地域に対して店舗を集中して出店させる戦略である
・様々なメリットがある中、顧客の取り合いなど大きなデメリットも存在する

以前当ブログでは、学校や塾、教育業界の企業における戦略策定の理論として、ランチェスター戦略を説明しました(詳しい説明はこちらから)

今回は、同じように戦略策定の理論である「ドミナント戦略」について説明します。

戦略策定:ドミナント戦略のポイント

ドミナント戦略とは

ドミナント戦略とは、ターゲットとする地域を絞り、その地域に対して店舗を集中して出店させる戦略です。
この説明を見て思い出していただきたいのが、「ランチェスター戦略」です(詳しくはこちらの記事をご覧ください)。

ランチェスター戦略のポイントはこのようになっていました。

ランチェスター戦略


ドミナント戦略の基本的な考え方は、このランチェスター戦略の図でいうところの「局地戦」に当たります。企業や組織の経営資源は限られているため、広域に資源を投入しても全体的に手薄となってしまいます。経営資源が限られている企業が大企業に勝つためには、資源を集中特化させる必要があるという考え方でしたね。

イメージしてほしいのは、コンビニチェーンです。つい先日新宿のファミリーマートによった際、道路を挟んで反対側にもすぐファミリーマートがありました。新宿に限らず、コンビニではよくある光景ですよね。ファミリーマートだけでなく、セブンイレブンも同様のドミナント戦略を取っていることが知られています。

ではなぜドミナント戦略を採用するのか。代表的なメリットを説明します。

ドミナント戦略のメリット

①経営資源が集中できる

先程説明した通りです。局地戦で挑むことにより、自社・自店より規模が大きい競争相手に対しても有利に事業を展開することができます。

②認知度が高まる

これは①の結果でもありますが、近隣に多数の店舗があると、その分その地域における認知度は高まります。認知度が高まると、来店頻度の増加→売上向上につながってきます。

③配送効率が高まる

これは特に小売業で当てはまります。店舗間の距離が近いため、商品や材料を運ぶ効率が高くなります。
塾で考えると、人材のやりとりがメリットになります。塾の校舎間でモノをやりとりするということは少ないですが、講師の方が他の校舎にも行きやすくなり、授業のコマの設定に融通が利きなすくなります。


逆に、大きなデメリットも存在します。想像通りかと思いますが、店舗が近い分顧客の取り合いが起こるというデメリットです。「食い合い」ということで「カニバリゼーション」と呼ばれることもあります。



シンプルな例で考えてみます。
ある学習塾はA町に校舎を構えています。この校舎に通う生徒は50名です。そしてこの度事業拡大に合わせ、隣接するB町にも新しく校舎を構えることにしました。

B町校舎には、40名の入塾の応募が来ました。
これは順調な滑り出しだ!と思う前に、A町の校舎の様子を考えてみます。生徒数が50名のままなら問題ありませんが、例えば10名は自宅がB町にあるためA校舎からB校舎に移っただけということかもしれません。

それでも塾全体でみれば、事業拡大によって生徒数が50名→80名になっているため、規模拡大としては成功とも考えられます。
実際にこれを成功とみるかは、新しい塾の運営にかかる費用や設立に伴う機会費用などを計算することになります。


以上、ドミナント戦略のメリットとデメリットを説明しました。
学校においてはそう簡単に新校舎設立とはいきませんので、考え方を知っておくぐらいが良いかもしれません。その他教育業界企業にとっては、非常に重要な戦略理論となります。

次回は、引き続き戦略策定ということでSTP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)について説明します。


[まとめ]
・ドミナント戦略とは、ターゲットとする地域を絞り、その地域に対して店舗を集中して出店させる戦略である
・様々なメリットがある中、顧客の取り合いなど大きなデメリットも存在する



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