[まとめ]
・競争地位別戦略は、公立学校、私立学校、専門学校、塾を問わず学生募集対策などを考えていく上で重要な考え方である
・生徒が通学するという特性から、どの競争地位にあたるか考えるときは商圏内の他校と比較するようにする


以前当ブログで、競争地位別戦略の基本的な考え方について説明しました(競争地位別戦略についてはこちらをご覧ください)。

今回は、この競争地位別戦略を学校や塾において考えていきたいと思います。

学校や塾における競争地位別戦略

競争地位別戦略の重要性(おさらい)

競争地位別戦略は、学校や塾において非常に重要な理論です。なぜなら、公立学校や都立学校、専門学校を問わず学生募集対策の立案などに直結してくるからです。学生募集対策は学校が継続していく上で非常に大切であり、重要です。同様に塾においても学生募集対策は重要であり、自校の地位に沿った対策を立案していく上で、競争地位別戦略を活用していくことになります。


まず、こちらの図で競争地位別戦略のおさらいをします。

競争地位別戦略


競争地位別戦略とは、上の質問のように業界シェアやターゲット層によって、自社の競争上の地位を4つに分類し、戦略を考えるというものでした。
そして、リーダーにはリーダーの、チャレンジャーにはチャレンジャーの戦略があるということを説明しました。


学校における競争地位別戦略の具体例

では、学校における競争地位別戦略を考えてみます。
まず、「業界トップシェアか」という質問は、「商圏内でトップシェアか」と読み替えてください。商圏とは、対象とする顧客がいるエリアのことです。
学校の場合、通学時間1時間程度の圏内が商圏となるため、業界でトップシェアの学校と比べても意味がありません(例えば圧倒的に人気の学校があっても、距離がかなり離れていれば競合にはなりません。商品が全国展開できる小売業などとは違うのです)。


つまり、まず想像すべきは地域トップ校の存在です。もしそういった学校があれば、その学校がリーダーになります。余程の特色があれば地域ではなく広域で考えなければなりませんが、レアケースといえます(例:都内に3校しかない部活を有している)。


次に、「トップを目指しているか」の質問です。これはそのまま当てはめて考えてください。

最後に、独自のターゲット市場を持っているかの質問です。この質問も、最初の質問と同じく自校の商圏内の他校と比べて考えます。
検討できる要素は、進学支援(上位層、下位層)、行事、校則、部活、学科、就業支援、資格取得支援、学費などです。これらの要素がどういった生徒をターゲットとしているか考えてみてください。公立、都立、専門学校など学校法人全般で同じように考えることができます。

もちろん、塾においても同じように質問を検討してください。同じくポイントは、業界内で比較するのではなく、商圏内で比較するという点です(商圏の分析についてはこのブログでも記事にしたいと思っていますが、お問い合わせいただいても結構です)。


そして、競争上の地位が決まったところで、戦略策定を行います。
競争地位別の代表的な戦略は、前回の記事でやりましたね。あのような戦略を参考に、自校の戦略方向を考えていきます。
重ねてになりますが、リーダー校を倒す!というのだけが戦略ではありません。これはチャレンジャーの戦略ですので、自校の経営資源やポジションを考えた上で、適切な戦略の策定が重要となります。特にまず策定すべきは、学生募集対策の戦略や広報の戦略になると思います。




以上、学校や塾における競争地位別戦略について説明しました。
次回は、ランチェスター戦略について考えたいと思います。


[まとめ]
・競争地位別戦略は、公立学校、私立学校、専門学校、塾を問わず学生募集対策などを考えていく上で重要な考え方である
・生徒が通学するという特性から、どの競争地位にあたるか考えるときは商圏内の他校と比較するようにする



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