[サマリー]
・5フォース分析は、「売り手」「買い手」「競合」「代替品の脅威」「新規参入」に分け、企業・組織を取り巻く外部環境を分析するフレームワークである
・学校において5フォース分析を行うのは少し特殊だが、分析する価値は十分にあるといえる
以前当ブログでは、企業内部の経営資源を分析するためのフレームワークとして「経営資源分析」を紹介しました。
今回は、企業外部の分析をするためのフレームワーク「5フォース分析」を説明します。(「フレームワーク」についての説明はこちらをご覧ください)
学校における5フォース分析の活用
5フォース分析とは
5フォース分析(ファイブフォースと読みます。Five forcesなど書き方は様々です)とは、シンプルに言うと外部環境を分析するためのフレームワークです。つまり、前回の経営資源分析(内部環境の分析をするツール)とは全く異なるものということになります。
企業・組織を取り巻く外部環境は、大きく分けて5つです。
「売り手」「買い手」「競合」「代替品の脅威」「新規参入」の5つです。順番に説明していきます。
・売り手:物やサービスを提供してくる存在のこと。小売業でいえば卸売業者など。
・買い手:物やサービスを購入する存在のこと。小売業でいえば購入する消費者など。
・競合:競合他社のこと。小売業でいえば近隣他店舗など。
・代替品の脅威:自社の物やサービスにとって代わる存在のこと。店舗販売を行う小売業であれば、ネット販売事業者など。
・新規参入:新たに参入してくる存在のこと。小売業でいえば他新店舗など。
こういったイメージとなります。下のような図を使ってまとめると、視覚的にわかりやすいと思います。
(それぞれの枠の中に情報を書き込んでいきます。新規参入と代替品の枠が小さいですね…笑)
学校における活用例
この5フォース分析ですが、学校で当てはめようとすると少し難しいことも多いと思われます。分析例としては、以下のようなものになります。
・売り手:学校設備,備品,サービス(模試,セミナーなど)提供者など
・買い手:生徒や保護者など
・競合:近隣の学校や、特色を同じくする学校(偏差値、部活、行事、校則など)
・代替品の脅威:最近ですと、ネット形式でオンライン登校する学校などが参入してきています(名前は伏せます)。実校舎を持つ学校からすると十分脅威になり得ます。
・新規参入:新しく学校が設立されるケースは少ないので、ここは当てはまらないことも多いと思われます。
このように挙げた項目について、なにがどのくらい脅威なのか、なぜ脅威なのかを書き込み、分析します。一般企業に比べて学校については5フォース分析が難しいですが、その分やる価値や十分にあります。塾や教育業界企業については、一般企業と同じくシンプルに5フォース分析をやることができます。
以上、5フォース分析を説明しました。
次回は、同じく外部環境分析のフレームワークである「PEST分析」について説明します。
[まとめ]
・5フォース分析は、「売り手」「買い手」「競合」「代替品の脅威」「新規参入」に分け、企業・組織を取り巻く外部環境を分析するフレームワークである
・学校において5フォース分析を行うのは少し特殊だが、分析する価値は十分にあるといえる
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