[サマリー]
・競争地位別戦略とは、市場におけるシェア順位やターゲット市場によって、とるべき戦略を決定する理論のことである
・リーダー企業なら同質化戦略、チャレジャー企業なら差別化戦略など、自社のポジションによって取るべき戦略が見えてくる



学校や塾においても、他社との競争という意識は非常に重要です。
今回は他社や他校を強く意識した差別化戦略の理論として、「競争地位別戦略」を説明します。


戦略策定:競争地位別戦略のポイント

競争地位別戦略とは

競争地位別戦略とは、市場におけるシェア順位やターゲット市場によって、とるべき戦略を決定する理論のことです。トップシェアの企業とシェア2番手の企業では当然戦略も変わってくるし、2番手企業でも目指すべき方向性によって戦略も変わってくる、という考え方を表しています。

まず、下のフローチャートをご覧ください。

競争地位別戦略


・競争地位別戦略において、トップシェアの企業は「リーダー」と呼ばれます
・それ以外の企業で、トップシェアを目指している企業は「チャレンジャー」と呼ばれます
・それ以外の企業で、独自のターゲット市場(生存領域)を持っている企業は「ニッチャー」と呼ばれます
・それ以外の企業は、「フォロワー」と呼ばれます



ほとんど名前の通りです。リーダーに挑戦する企業がチェレンジャーであり、挑戦せず独自領域で生きる企業がニッチャーであり、挑戦せず独自領域もない(つまり模倣する)企業がフォロワーです。ちなみにニッチャーとは「ニッチ」の意味であり、日本語で言えば隙間という意味です。


では具体的に、競争地位別にどのような戦略を取るべきかを考えてみましょう。

地位別にとるべき戦略

・リーダーの戦略①:フルライン戦略

 リーダー企業の持つ金銭的・人的資源を最大限活用し、様々な商品やサービスを市場に投入する戦略です。知名度の向上や広い分野でのシェア獲得を狙える上、資源が少ないシェア2番手以降の企業には真似しづらい戦略となります。


・リーダーの戦略②:同質化

 チャレンジャーがリーダーに対抗するには、規模で勝てないため差別化した商品やサービスを提供するのが定石です。これに対して、リーダーはその商品やサービスを真似する(同質化する)ことによって、チャレンジャーの差別化を無力化することができます。

・チャレンジャーの戦略:差別化戦略

 金銭的・人的資源でリーダーに勝てないチャレンジャー企業は、差別化でリーダー企業に対抗していきます。商品やサービス品質の差別化だけでなく、システムの差別化など様々な軸での差別化が検討されます(差別化の軸についてはこちらの記事を参照してください)。

・ニッチャーの戦略:ニッチ戦略

市場を広げたり、商品アイテムのラインを広げると、リーダー企業などとの競争に巻き込まれてしまいます。ニッチャーはそれを避けるため、特定市場に集中特化して、その中での需要を拡大して生き残ります。リーダー企業はこのような小さな市場へは採算の観点から参入することが難しく、ニッチャー企業の生存領域となります。

・フォロワーの戦略:模倣追随戦略

リーダー企業がとる戦略(商品やサービスなど)を模倣することによって、リーダーのおこぼれを拾う戦略です。例えば棚にリーダー企業の人気商品と似たような商品が並んでいれば、人気商品ほどではないしても少しは手に取ってもらえるだろうというイメージです。


これが、4つの競争地位別の戦略です。一般企業で置き換えてみましょう。
ここでは、コンビニを例に取って考えてみます。

・リーダー:セブンイレブン。
売上高や店舗数など他企業と比較して、コンビニ業界のリーダー企業といえる。
・チャレンジャー:ファミリーマート。
業界2位の企業としてセブンイレブンを追いかけている。
・ニッチャー:デイリーヤマザキ、ミニストップ。
独自の品揃え(レジ前の出来立て和菓子や豊富なアイスクリームなど)で、強みに集中特化した戦略をとっている。
・フォロワー:ローソン。
1,2位とは売上高で大きな差があるが、一般的なコンビニの品ぞろえとして安定的な地位を維持している。


このように、競争地位別戦略は自社のポジションを明確化し、ポジションにあった戦略を展開するためのツール・理論です。

基本的な考え方の説明は以上です。
次回は、学校や塾、教育業界企業における競争地位別戦略の考え方について説明します。


[まとめ]
・競争地位別戦略とは、市場におけるシェア順位やターゲット市場によって、とるべき戦略を決定する理論のことである
・リーダー企業なら同質化戦略、チャレジャー企業なら差別化戦略など、自社のポジションによって取るべき戦略が見えてくる


 チャレンジャーがリーダーに対抗するには、規模で勝てないため差別化した商品やサービスを提供するのが定石です。これに対して、リーダーはその商品やサービスを真似する(同質化する)ことによって、チャレンジャーの差別化を無力化することができます。

・チャレンジャーの戦略:差別化戦略

 金銭的・人的資源でリーダーに勝てないチャレンジャー企業は、差別化でリーダー企業に対抗していきます。商品やサービス品質の差別化だけでなく、システムの差別化など様々な軸での差別化が検討されます(差別化の軸についてはこちらの記事を参照してください)。

・ニッチャーの戦略:ニッチ戦略

 市場を広げたり、商品アイテムのラインを広げると、リーダー企業などとの競争に巻き込まれてしまいます。ニッチャーはそれを避けるため、特定市場に集中特化して、その中での需要を拡大して生き残ります。リーダー企業はこのような小さな市場へは採算の観点から参入することが難しく、ニッチャー企業の生存領域となります。

・フォロワーの戦略:模倣追随戦略

 リーダー企業がとる戦略(商品やサービスなど)を模倣することによって、リーダーのおこぼれを拾う戦略です。例えば棚にリーダー企業の人気商品と似たような商品が並んでいれば、人気商品ほどではないしても少しは手に取ってもらえるだろうというイメージです。


これが、4つの競争地位別の戦略です。一般企業で置き換えてみましょう。
ここでは、コンビニを例に取って考えてみます。

・リーダー:セブンイレブン。
売上高や店舗数など他企業と比較して、コンビニ業界のリーダー企業といえる。
・チャレンジャー:ファミリーマート。
業界2位の企業としてセブンイレブンを追いかけている。
・ニッチャー:デイリーヤマザキ、ミニストップ。
独自の品揃え(レジ前の出来立て和菓子や豊富なアイスクリームなど)で、強みに集中特化した戦略をとっている。
・フォロワー:ローソン。
1,2位とは売上高で大きな差があるが、一般的なコンビニの品ぞろえとして安定的な地位を維持している。


このように、競争地位別戦略は自社のポジションを明確化し、ポジションにあった戦略を展開するためのツール・理論です。

基本的な考え方の説明は以上です。
次回は、学校や塾、教育業界企業における競争地位別戦略の考え方について説明します。


[まとめ]
・競争地位別戦略とは、市場におけるシェア順位やターゲット市場によって、とるべき戦略を決定する理論のことである
・リーダー企業なら同質化戦略、チャレジャー企業なら差別化戦略など、自社のポジションによって取るべき戦略が見えてくる



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