[サマリー]
・差別化戦略の3つのパターンとして、「商品軸」「手軽軸」「密着軸」の3つがあるといわれている
・ある1つの軸で負けていても、ほかの軸で他校を圧倒できれば、十分差別化戦略として成立する



以前当ブログでは、差別化戦略を考えていく上での理論として、「ポーターの差別化戦略」を考えました(詳しい説明はこちらから)。

今回は、差別化戦略を考える上での別の切り口である差別化のパターンを説明します。

戦略策定:差別化のコツ

差別化の3つのパターン

差別化戦略の3つのパターンとして、「商品軸」「手軽軸」「密着軸」の3つがあるといわれています。

「商品軸」とは、商品やサービスの品質や技術の高さによって、他社と比較した競争優位を作り出す方向性のことです。

「手軽軸」とは、商品やサービスの利便性の良さや価格の低さによって、他社と比較した競争優位を作り出す方向性のことです。

「密着軸」とは、顧客に寄り添うサービスや商品によって、他社と比較した競争優位を作り出す方向性のことです。

図表で表すと、下のような形になります。

差別化のパターン

差別化のパターンの例として、コーヒーショップを考えてみます。

差別化のパターンの具体例

例えば、商品軸で差別化しているコーヒーショップはタリーズなどです。高品質は豆や食事を提供することで、商品の良さによって他社と差別化を図っています。

手軽軸で差別化しているコーヒーショップはドトールやベローチェなどです。
商品自体が安く、また必要以上の接客もないため、気軽に来店することができます。

密着軸で差別化しているコーヒーショップは、いわゆる昔ながらの喫茶店などです。メニューを言わなくても、「いつもの」でマスターに通じてしまうように、顧客に密着したサービスで他店と差別化を図っています。

学校における差別化のパターンとは

では、学校法人で差別化のパターンを考えてみましょう。

商品軸による差別化とは、県内進学実績NO.1とか、〇〇部インターハイ出場のように他校が持っていない商品(実績やサービスなど)を持っている学校の戦略です。学校法人が目指す方向として、最も一般的なものかと思います。

手軽軸による差別化とは、私立学校でいえば入学金や学費面での安さ、公立学校などでいえば校則の自由さ(緩さ)などが当てはまっていきます。校則による差別化を図るのは一歩間違えると学校崩壊の危機ですが、適切に行えば十分差別化になり得ます。

密着軸による差別化とは、徹底的な地域密着活動や、保護者との連携・サービスが当てはまっていきます。学校においては、商品軸による差別化の次に一般的な差別化の考え方になります。


このように、自校が現状どういった差別化戦略のパターンをとっているか、または何もとっていないのかを分析することは非常に重要です。

そして差別化のポイントは、「他社(他校)と比べて」という点です。いくら進学面で実績を出していても、近隣に自校を上回る実績を出している学校があれば、差別化要素にはなりません。

そういったとき、その競合校の他の差別化の軸を分析し、「商品軸で負けているので、密着軸で差別化しよう」といったような戦略策定を行うことが重要です。



以上、差別化の3つのパターンについて説明しました。
次回から、学校法人や塾において非常に大切な考え方である、競争地位別戦略について考えます。


[まとめ]
・差別化戦略の3つのパターンとして、「商品軸」「手軽軸」「密着軸」の3つがあるといわれている
・ある1つの軸で負けていても、ほかの軸で他校を圧倒できれば、十分差別化戦略として成立する



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