個人として事業を始める上では各種行政機関や税務署に様々な届出・申請が必要となりますが、その中でも迷っている方が多いと思われるのが「青色申告承認申請」です。

この申請をすることによって青色申告をすることができるようになるわけですが、青色申告の方が白色申告より手間がかかるのではないか、あまりメリットがないのではないか等々、判断に困っている方もいるのではないかと思います。


当記事では、個人として事業を行う方にとって、青色申告の適用を受けるべきか、それとも白色申告のまま申告すべきであるのか等について解説します。なお、青色申告承認申請書の提出期限や、青色申告55万円控除・65万円控除の要件については、下記リンク記事にまとめていますので、そちらをご確認ください。



白色申告と青色申告の違い

白色申告とは?

白色申告とは、青色申告の適用を受けない場合の申告・記帳の制度です。

具体的には、売上などの収入金額、仕入れや経費に関する事項について、取引の年月日、売上先・仕入先などの名称、金額などを帳簿に記載するような方法で記帳を行います。また、記帳に当たっては、一つ一つの取引ごとではなく日々の合計金額をまとめて記載するなど、簡易な方法で記載してもよいことになっています。

そして、上記にて作成した帳簿書類については、その種類に応じて5~7年間保管することが必要となります。


これだけだと比較が難しいので、青色申告の内容を先に確認してしまいましょう。

青色申告とは?

青色申告は、記帳や申告について一定の要件に沿った方法を採ることによって、税務上の特典を受けることができる申告・記帳の制度です。


国税庁のホームページには、次のように記載されています。(No.2070 青色申告制度|国税庁

収入金額や必要経費に関する日々の取引の状況を帳簿に記帳し、取引に伴い作成したり受け取ったりした書類を保存しておく必要があります。ところで、一定水準の記帳をし、その記帳に基づいて正しい申告をする方については、所得金額の計算などについて有利な取扱いが受けられる青色申告の制度があります。



後半の、「ところで…」については青色申告の特典を説明していることが分かりますが、前半についてはいかがでしょうか。取引の帳簿への記帳や書類の保存など、白色申告の場合の記帳や保存方法と同じようなことが書かれていると思いませんか?

それもそのはずで、青色申告には「10万円控除」「55万円控除」「65万円控除」という3種類がありますが、この中でも最も要件が軽い10万円控除については、白色申告の場合と記帳方法や保存などと遜色がないのです。

どういうことかというと、「55万円控除」「65万円控除」については、確定申告の際に貸借対照表と損益計算書という書類を提出する必要があり、これらの作成には複式簿記という記帳方法が必須であるため、白色申告の場合と比較して記帳が難しくなります。しかし、青色申告でも「10万円控除」については、貸借対照表の提出の必要がないため、必ずしも複式簿記によって記帳する必要がなく、結果として白色申告の場合の記帳方法と同様でも特段問題ないといえるのです。

しかも、青色申告の場合と同様に、白色申告の場合でも帳簿書類の保存は求められるため、「記帳」「帳簿書類の保存」という両面から考えても、白色申告と青色申告(10万円控除)では事務処理に基本的に差がないといえるのです。にもかかわらず、青色申告の場合は白色申告にはない税務上のメリット(例えば上記のような10万円控除など)がありますので、結論としては「白色申告はもったいない」ということになります。

※以前は白色申告は青色申告より記帳・帳簿書類の保存などで青色申告より手間が少なかったため、白色申告を採用するメリットはありました。しかし、現在は上記のような規定のため、白色申告のメリットがほとんどなくなってしまった、ということになります。





以上、白色申告と青色申告の違いを説明しました。ここで、青色申告の適用を受けるための要件として解説した「青色申告承認申請」をはじめとして、設立後の手続は税務関係のものだけでも多岐にわたり、難しいかと存じますが、青色申告の承認申請を行い、承認を受けることによって、このような各種メリットを享受することができます。

一方で、個人事業を新しく始めたり、法人を新しく設立したりした場合に提出する書類は青色申告承認申請書だけでなく、多岐にわたります。その中でも消費税課税事業者選択届出や適格請求書発行事業者の登録申請(インボイス登録申請)については制度を理解するだけでも非常に難解であり、申請・届出にリスクが伴うものでもあります。我々税理士でも、これらの届出・申請を検討する際は、細心の注意を払って行っています。
また、青色申告を行う上で必要となる「複式簿記による帳簿記録・保管」についても、難解な取引の処理などは神経を使う作業です。

この記事を読んだ方の中には、これら手続を行うのが難しかったり、手続をする時間がなかったりといった方も多いのではないかと思います。

もし、顧問税理士をお探しであったり、届出や申請についてご自分でのご判断や手続が難しい、時間がないという方は、我々税理士にお気軽にご相談いただければ幸甚です。顧問税理士として、上記届出・申請を行います。また、毎月の会計記帳や年度末の申告についても税理士が行います。
以下、当事務所にご依頼を頂いた場合の流れなどを説明します。



当事務所(税理士)へのご依頼について

資料のやりとりと記帳代行


当事務所は原則として、レシートや帳簿類を毎月ご送付いただき、それを基に毎月試算表を会社へ送付するという流れで業務を行っています。


したがって、いわゆる決算のみのご依頼というのは原則としてお受けしていません。決算のみのご依頼となると、決算前の会社の状態が分からないため税務相談に乗ることができないだけでなく、毎月処理すべき会計記帳などを1年分まとめて短期間のうちに処理しなければならないからです。ご理解下さい。(ごく小規模の事業者の方については例外もありますので、ご相談下さい。)

また、当事務所は、法人の申告とセットで記帳代行を基本としています。
記帳代行とは、複式簿記による会計帳簿を、会社ではなく当事務所で行うというものです。この記帳代行については、一切引き受けない税理士事務所も存在するなど、税理士が敬遠するケースも多いですが、むしろ当事務所はこの記帳代行を原則としてます。記帳を通して会社の現状を理解することができ、申告や税務相談に良い影響があると考えるからです。

したがって、「自分で会計処理を行っているので、決算だけお願いしたい」というようなご依頼は基本的にお受けしていません。会社の会計処理を当事務所で確認・修正するのに同等以上の手間や時間がかかるためですので、ご理解下さい。なお、従業員が相当数いる会社であったり、経理部がきちんとしている会社など、会社ご自身で会計記帳を行っていただいて何ら問題ないケース(すなわち自計化の方がよいケース)もありますので、ご相談下さい。


ご依頼いただいた場合の毎月の流れ

①月初の資料のご送付

前月1か月分のレシートや、売上台帳などの帳簿、通帳などの資料を当事務所にご送付いただきます。ご送付は、紙媒体の他、電子データのメール送付などでもお受けしています。

②当事務所での記帳処理

①でご送付いただいたデータを基に、当事務所にて会計記帳を行います。

③試算表の送付

②の当事務所での記帳処理が完了し次第、試算表(収益、費用、利益、資産、負債の現況や推移をまとめた表)を会社へ送付します。

④決算と申告

①から③を1年分繰り返したのち、当事務所にて決算処理及び申告を行います。


このように、依頼者の方(会社)とのやりとりを密に1年の作業を進めていきます。

当事務所に法人に関する申告や記帳代行等を依頼するメリット

当事務所に法人に関する申告や記帳代行をご依頼・ご相談される場合、自力でこれらを行う場合と比較して、以下のようなメリット・特徴があります。

専門家たる税理士として検討・申告を行うこと

当方は、税金に関する計算や手続の専門家たる税理士として活動しています。したがって、法人に関する申告や届出等の税務について、丁寧かつ適格に計算や手続の遂行を行うことが可能です。

中小企業診断士として経営の観点を有すること

当方は、経営コンサルタントの国家資格者たる中小企業診断士の資格も活用して業務を行っているので、事業に関する経営面から知見から、相談等に対応することが可能です。

行政書士として各種許認可に関する相談にも乗ることもできること

当方は上記資格に加え、各種許認可申請の専門家たる行政書士としても活動しております。したがって、開業や新規事業に当たって必要となる許認可などの相談にも専門的知見からご相談に乗ることができます。
依頼者の方が抱えられている不安を少しでも解決できればと、その一助になれればと思っております。


大きくこの3点が、当事務所に法人に関する申告や記帳代行等を依頼するメリットだと自負しております。

当事務所へご依頼いただいた場合の料金

当事務所は、法人に関する申告や記帳代行として、次の通り料金を頂いています。

1.基本料金
以下、毎月の記帳代行や決算申告の料金となります。なお、会社規模や取引規模に応じて増額しますので、詳細につてはご相談下さい。
・毎月:2万円~
・決算及び申告:毎月の料金の5か月分

2.その他料金
・法定調書、償却資産税申告:1件あたり1.5万円
・年末調整:1人あたり3000円


なお、給与計算、税務調査立会など、その他業務については実態に応じて金額を検討しますので、ご相談下さい。


法人・個人に関する申告や記帳代行は当事務所にご相談ください


以上、消費税の簡易課税制度や、当事務所にご依頼いただいた場合の流れや料金等について説明いたしました。

当方は、税務の専門家たる税理士の資格を中心として、中小企業診断士や行政書士など各種分野の専門家たる資格を活用して業務を行っております。また、依頼者の方とのコミュニケーションを重視して業務を遂行しています。
一般的に、税理士への法人に関する依頼となると、長い付き合いとなることも多く、初めてのご相談やご依頼には不安も大きいと思われますが、どうぞ安心してご相談・ご依頼頂ければと思っています。


申告や記帳代行など、法人の税務に関するご依頼はぜひ当事務所にお任せ下さい。


業務のご依頼やご相談は、下記お問い合わせフォームからお待ちしております。

お問合せをお待ちしています。

事務所代表プロフィール

氏名:木村 成(きむら じょう)

保有資格:
・税理士
・行政書士(行政手続、法律書類作成の国家資格者)
・中小企業診断士(経営コンサルタントの国家資格者)
・1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)
・気象予報士


業務内容:
東京都銀座にて、中小企業・小規模事業者の方の支援を業務として行っております。税理士としては法人や個人の申告代理、相続関連業務など、行政書士としては告訴状作成、会社設立に係る定款作成認証や営業許認可申請の代理など、中小企業診断士としては経営コンサルティングを中心に活動しております。税理士・行政書士・中小企業診断士の3つの資格を活用して、税務面・法務面・経営面の3つの視点から、依頼者の方の支援を行っております。

誠心誠意、迅速かつ丁寧な対応をモットーに活動しております。
皆様のご相談、ご依頼をお待ちしております。