[サマリー]
・売上高営業利益率は、営業利益÷売上高 という計算方法で求めることができる
・目安として5%、目標として10%を 1つの基準とするケースが多いといえる

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会社の収益性を分析する指標として、「売上高営業利益率」というものがあります。今回は、この売上高営業利益率について、目安や計算方法を説明していきたいと思います。

売上高経常利益率|目安と計算方法

そもそも収益性分析とは?

収益性分析とは、会社の売上高や利益、資産を比べることで、利益を生み出す力が十分か否かを分析することを指します。売上高経常利益率も、収益性分析の指標のうちの1つです。

例えば損益計算書(PL)をざっと見ただけでは、「うちの会社は収益性がなかなか高いな」などと判断するのは難しいですよね。よっぽど利益が大きければパッと見でも判断できそうですが、売上高の大きさとも比べてみないとどれだけ効率よく利益を生み出せているかも分かりません。
それを判断するために、収益性分析があると思ってください。

収益性分析についてもっと詳しく知りたい!という方は、こちらの記事を確認いただければと思います。収益性分析の全体像や考え方を紹介しています。
収益性分析とは?指標の例や計算方法を紹介


それでは、本題の売上高営業利益率について説明してきます。

売上高営業利益率とは

売上高営業利益率とは、売上高に対する営業利益の割合のことを指します。
なぜこんな指標を考える意味があるかといえば、先ほどさらっと述べた利益効率の問題があるからです。

例えば、売上高が大きくても、営業利益が低かったら意味がないですよね。同じ1,000万円という営業利益を生み出していたとしても、売上高が1億円の企業と、売上高が10億円という企業だったら、前者の方が営業利益をムダなく生み出せているということになります。

ここに、絶対額だけでなく割合(率)を考えることの意味があるのです



では次に、売上高営業利益率の計算方法を確認します。

売上高営業利益率の計算方法

売上高営業利益率は、以下のような計算方法で求めることができます。

売上高営業利益率の計算方法


売上高営業利益率=営業利益÷売上高


このような計算式です。文字通り、売上高に対する営業利益の割合という式になっていますね。例えば、売上高が10億円、営業利益が1億円でしたら、売上高営業利益率は10%となります。


それでは、売上高営業利益率の目安について説明します。

売上高営業利益率の目安

まず、目安の前に業界平均値について考えます。
売上高営業利益率の平均値は業界によって大きく異なります。例えば、不動産業の売上高営業利益率の平均は10%超と高く、卸・飲食業の売上高営業利益率の平均は2%弱低いといった業界特徴があります。このように業界によって平均値が大きく異なってきます。

その中で、1つの目安とされるのは「10%」という数値です。ほとんどの業界の売上高営業利益率の平均値は10%を下回る中、企業が目指すべき売上高営業利益率として10%が掲げられることがしばしばあるからです。

しかしこの10%もあくまで目標としての目安なので、実務では5%を超える企業は財務的に優良であると判断することも多いです。


結論として、収益性が優良か否かの目安として5%、目標値として10%を目安にするとよいかと思います。実際に詳細な財務分析をする際には、当然ながら業界平均や同規模企業平均といった数値と比較しながら判断することになります。

以上、売上高営業利益率について計算方法や目安を紹介しました。
企業活動の中で収益性は柱となる要素ですので、分析手法もしっかりと身に付けて頂ければ幸いです。


[まとめ]
・ 売上高営業利益率は、営業利益÷売上高 という計算方法で求めることができる
・目安として5%、目標として10%を 1つの基準とするケースが多いといえる


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