[サマリー]
・売上高経常利益率とは、売上高に対する経常利益の割合のことを指す
・もしマイナスの値であれば直ちに手を打っていく必要があるといえる
会社の収益性を分析する指標として、「売上高経常利益率」というものがあります。今回は、この売上高経常利益率について、目安や計算方法を説明していきたいと思います。
売上高経常利益率|目安と計算方法
そもそも収益性分析とは?
収益性分析とは、会社の売上高や利益、資産を比べることで、利益を生み出す力が十分か否かを分析することを指します。売上高経常利益率も、収益性分析の指標のうちの1つです。
収益性分析についてもっと詳しく知りたい!という方は、こちらの記事を確認いただければと思います。収益性分析の全体像や考え方を紹介しています。
→収益性分析とは?指標の例や計算方法を紹介
それでは、本題の売上高経常利益率について説明していきます。
収益性指標「売上高経常利益率」とは
売上高経常利益率とは、売上高に対する経常利益の割合のことを指します。売上高が大きくても、経常利益が低かったら意味がないですよね。逆に言えば、売上高は高くなくとも十分な経常利益を生み出している会社は優秀だといえます(費用の大小によって決まります)。
このように、売上高経常利益率は基本的に高ければ高いほどよい指標になります。
それでは、売上高経常利益率の計算方法について説明します。
売上高経常利益率の計算方法
売上高経常利益率は、以下の計算で求めることができます。
「売上高経常利益率=経常利益÷売上高」
です。定義通り、売上高に対する経常利益の割合、を求めることができる式になっていることが確認できます。非常にシンプルな計算式で求められるということもあり、事業分析の実務でも非常によく使われる指標です。単位は「%」で表します。
問題は、「何%ならこの会社・事業は大丈夫だ」というふうにいえるかです。
ではここから、売上高経常利益率の目安について説明していきます。
売上高経常利益率の目安
まず大前提として、「売上高経常利益率が〇%だからこの会社は絶対安全!」というようなことは言えないということです。業種業態によっても目安の利益率はことなりますし、なにより利益率は財務諸表(PL)の値を使って計算するという性質上、過去のデータとなりますので、これから先将来的に絶対安全だというような判断をすることはできません。
目安はあくまでも目安です
とはいえ、目安の基準は存在します。
一般的に、
・製造業なら5%程度
・製造業以外なら3%程度
この程度は利益率が欲しいです。特別利益や損失がなければ基本的に経常利益がプラスなら最終的な利益もプラスになるため、プラスの分だけ内部留保を蓄えることができます。何年事業を続けても内部留保が少ないということでは、なにかあったときのリスクに備えることができません。
もちろん、内部留保がマイナス・売上高経常利益率もマイナスという中小企業も多く存在します。マイナスだから即倒産!というわけでは決してありません。マイナスだからこそ、今、手を打っていくべきなのです。そのお手伝いをするのが、我々中小企業診断士・経営コンサルタントの役目でもあります。
以上、売上高経常利益率について、計算方法や目安を説明しました。
自社の状況を考える上で収益性の指標は非常に重要ですので、ぜひマスターして頂ければと思います。
[まとめ]
・売上高経常利益率とは、売上高に対する経常利益の割合のことを指す
・もしマイナスの値であれば直ちに手を打っていく必要があるといえる
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