[サマリー]
・自己資本比率は資本構造の健全性を表す指標であり、自己資本÷総資産で計算することができる
・自己資本比率が20%を切ると一般的に危険な水準といわれており、早急な対策が必要である
会社・企業の安全性分析の指標の1つに「自己資本比率」というものがあります。今回はこの自己資本比率について、意味や計算式、目安を紹介していきたいと思います。
自己資本比率の計算式と目安
自己資本比率とは?
自己資本比率とは、会社の資本構造の健全性を表す指標です。
安全性分析の他の指標と比べても、資本構造を分析するという点で特徴があります。
「自己資本って何?」と思った方は、会社の資金調達の中で返済義務のないものが自己資本だと思ってください。自己資本の貸借対照表上の項目で代表的なものは、資本金や資本準備金、繰越利益剰余金などです。これらに対して、主に返済義務のあるものを負債と呼びます。
貸借対照表について不安があるという方は、こちらの記事を読んでから進めて頂ければと思います。
→貸借対照表(BS)とは?見方を簡単に紹介
それでは次に、自己資本比率の計算式について説明します。
自己資本比率の計算式
自己資本比率は、以下のような計算式で求めることができます。
自己資本比率=自己資本÷総資産
このような計算式で自己資本比率を求めることができます。例えば総資産が10億円、自己資本が4億円であれば、自己資本比率は40%になります。
念のため、BS上でも確認してみたいと思います。
薄い緑が自己資本、濃い緑が総資産を示しています。計算式からも分かりますが、BSを見れば一目瞭然で、自己資本比率が全体(総資産)に対する自己資本の割合だということがお分かりいただけると思います。
それでは最後に、自己資本比率の目安について説明します。
自己資本比率の目安
自己資本比率の目安として、一般的にいわれるのはこのような数値です。
・50%:優良水準
・20~50%:一般的水準
・20%未満:危険水準
このような数値です。ただ、もし今このブログを読んでくださっている方が実際に会社を運営されている方でしたら、驚かれたかもしれません。
わが社の自己資本比率は危険水準ではないか!という驚きです。
しかしながらこのような一般的な数値目安で比べれば、自己資本比率が危険水準である企業は非常に多いことになります。それをよく表しているのが自己資本比率の業界平均値です。自己資本比率の業界平均値は軒並み非常に低い水準となっているケースが多いです。大きくマイナス、ということもよくあります。これは、それだけ債務超過に陥っている企業が多いということでもあります。
つまり、危険な水準であることは間違いありませんが、そういった水準にある会社も非常に多いのです。もちろん、だから大丈夫です安心してくださいというわけではありません。私も実際のコンサルティングで何度も自己資本比率がマイナス(債務超過)の企業を見てきています。そういった企業の中で業績が回復していく企業もたくさんあります。重要なのは、自己資本比率の値という安全性分析の結果だけを見るのではなく、その先の対策や戦略を考えていくことなのです。
以上、自己資本比率について計算式や目安を説明しました。特に、自己資本比率が低い・マイナスの企業は早急な対策が必要となります。対策の方向性やとるべき戦略について支援が必要な際は、ぜひ我々コンサルタントにご相談頂ければと思います。
[まとめ]
・自己資本比率は資本構造の健全性を表す指標であり、自己資本÷総資産で計算することができる
・自己資本比率が20%を切ると一般的に危険な水準といわれており、早急な対策が必要である
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